2007年4月

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07/04/30(Mon)

今年も実家から蕗が届きました。蕗はそのまま置いておくとどんどんアクが強くなってえぐくなるので、速やかに処理します。寸胴にいっぱい湯を沸かし、沸騰したら葉と茎を切り離した蕗を放り込んで2〜3分茹でます。その後茹で汁を捨てて水を張りなおして一晩放置。これで大体のアクが抜けます。葉はギュッと絞って蕗味噌に加工。茎は皮を剥いて5cmほどの長さに切り、昆布と鰹節のダシ汁で煮るのが定番。煮るとはいっても、沸かしたダシ汁に蕗を放り込み、すぐに火を消して自然に冷ますだけなので、煮物というより煮びたしといった方が良いかもしれません。長時間煮てしまうと、香りや色が飛んでしまうので、うちではこの方法。

蕗って栄養的にはあんまり意味が無いらしいです。歯応えとか香りとか、そういったお楽しみ要素の面が強い。だからかもしれませんが、最近の家庭では蕗を煮るなんて事はどんどん少なくなっていると思います。でも、一晩漬けておけばアクは抜けるし、煮るのも簡単、不人気のせいで価格も安いとあって、結構オススメの食材なんですけどね。アク抜き不要でそのまま食べられる蕗とかあったら…、でも、蕗の蕗たる所以はこのアクにあるので、それだとあんまり意味が無いんです。それにしたって、もうちょっと見直されてもいいかなと思うんですが。

07/04/29(Sun)

一玉丸ごとを98円で買ったキャベツ。茹でて千切りにしてオリーブ油であえたやつをタッパー一個分→茹でて千切りにして甘酢であえたやつをタッパー一個分→僅かに残った中心部分を味噌汁三回分と消費してきました。ここまで2週間弱。これだけ使われればキャベツも本望でしょうが、残った芯すら捨てませんよ、私は。

中心に近い部分は、芯とはいってもとても柔らかく、ごく普通に食材として使えます。というか、旨味も集中していて、キャベツの葉よりも美味しいかもしれません。半分は、薄くスライスして味噌汁の具に使用。もう半分は、5mm角程のサイコロに切って、チキンライスの具に。歯応えと香りがなかなか面白く、言わずに他人に出したら、多分何の野菜か分からないけど美味しいと言ってくれそうです。

芯の根元に近い方は固いので、あんまり美味しくありません。しつこく微塵切りにして、他の料理に混ぜてしまうという手もありますが、それだと具というより増量材という感じになってしまうので、私の中では邪道扱い(他に選択肢がなければやりますが)。こういうものは、ダシに回すのがよろし。うちではたまに豆スープを作ります。朝出かける前に、魔法瓶の中に熱湯と豆を入れておけば、帰宅後ほんの数分煮るだけで柔らかく食べられるのですが、そこにダシとして投入します。さすがに固いので、取り出しやすい大きさのまま放り込んで、後で捨ててしまいますが。

一口にキャベツといっても、固い外葉の部分、柔らかい内葉の部分、太い葉脈がある部分、固い芯の部分、柔らかい芯の部分と、それぞれ特性が違います。一番使いやすい内葉の部分だけを食べ、そのほかを捨ててしまうのも一つの道ですが、それぞれに個性と美味しさがあるので、それだけではキャベツを食べ尽くしたことにはなりません。Aにして大して美味くなかったけど、Bにしたらえらい美味かった、なんてよくある話。この部分はこういう特性があるから、こういう風に調理して、この食材と組み合わせて…なんて考えるのが、料理をしていて一番面白い時間だと思いますね。

07/04/28(Sat)

結局他に選択肢が思いつかないので、今夜も天丼にしました、グエッ。丼物は洗いものが簡単だし、バリエーションも広いので、一人暮らしには向いている料理なのですが、うちではあまり作りません。煮物・オヒタシなどだと、冷蔵庫にストックしておいて、何度かに分けて食べられるのですが、天丼・カツ丼・中華丼など丼ものの多くは、作ったらその回で食べ切るものが多く、ちょっと効率が悪いのです。牛丼は、数年前まで牛筋を甘辛くトロトロになるまで煮込んだものをストックしておいて作っていましたが、最近では牛筋の美味しさの認知度が上がり、価格がどんどん上がってしまったので、ご無沙汰となっています。

月並みな質問ですが、丼の中で何が一番好きかと訊かれたら、それはもう、海鮮丼です。さわやかな酢飯の上に、新鮮な海の幸がたっぷりのった海鮮丼がダントツでトップ。二位以下は割とダンゴなのですが、二位鰻丼、三位鉄火丼…ですかねぇ。東京では鰻は一度蒸して脂を落としますが、私は関西風の蒸さないコッテリタイプが好き。どうも東京の鰻は歯応えが頼りないのですよ。ついてくることの多い、肝吸いも大好きです。鉄火丼は、づけの時間を長めにし、多少鮪のクオリティは落ちてもいいので、ワサビはとにかくいいやつを使ったものが好みです。その場で擂った新鮮なワサビは、鮪のグレードを一気に数段階アップさせます。こちらも以前は、中落ちを使ってよく作っていたのですが、最近では鮪の価格が上がり、中落ち自体があまり売られなくなってしまいました。残念なことです。

07/04/27(Fri)

同僚から、自宅で揚げ過ぎたからと天麩羅を貰いました。精進揚げっていうのですか、野菜オンリーのラインナップ。舞茸・空豆・アスパラ・茗荷・蓮根など、けっこう凝ったチョイスです。私は自宅では揚げ物はしない主義ですし、外食もほとんどしないので、天麩羅というのは実に久しぶり。ありがたいことです。揚げて一日経った天麩羅は、さすがにそのまま食べるのは厳しいものがあるので、セオリー通り天丼です。

鰹節・醤油・味醂あたりで、ザザッと天ツユを作り、その中でほんの短い間だけ天麩羅を煮ます。煮るというより、温めるという感覚かな。ご飯を丼に少なめ、半分ほどふわっと盛り、その上から天麩羅を各種かたちよく並べ、天ツユをかければ完成。あわせる味噌汁は、キャベツのラスト、一番中心に近い葉と油揚げを具にしたものです。

久しぶりの天丼は、実に美味かったです。衣にしみこんだ甘じょっぱいタレと野菜の香り。これなら毎日でも…と思ったのも束の間。野菜メインでアッサリしているとはいえ、やはり天麩羅は天麩羅。大量の油が含まれています。その夜は結構な胸焼けに悩まされることになりました。ここ数年、一気に大量の油モノを摂らない暮らしが続いているので、胃が退化してしまっているようです。昔はこんなの、全然平気だったんですけどねぇ。あと一回分残っているので、今夜も胸焼け覚悟で天丼か、他の策を練るか、現在考え中です。

07/04/26(Thu)

先日の日記でもキャベツを使いましたが、最近すっかりキャベツ・マイブームです。素直な食材なので、使い回しが楽だし、何より安い。ある日スーパーの店頭で、キャベツ一玉128円で売っていました。そろそろストックのキャベツが欲しかったのですが、この店では100円以下になる事が珍しくないので、その時私がとった戦略は“待ち”。その翌日、今日こそはと思って店によると、価格はほぼ倍の238円になっていました。玉の大きさはほとんど変わらないのに…。一日で価格が倍とか半分とかになったりするのって、結構すごいと思います。

逆に、ある日キャベツを一玉88円で買って上機嫌になり、調子にのって次の日に店をのぞくと、一玉238円になっていたりすると、買う気も全然ないくせに、やたら上機嫌になります。オレって先見の明がある…ってね。実際はたまたまなんですけど。その辺、自分は小市民だなぁと思いますね。一般的に、葉物は価格の変動が激しく、根菜類は比較的価格が安定しているように思われます。葉物は根菜類に比べて食品としての寿命が短いからなんでしょうね。

07/04/25(Wed)

茹でてお浸しのストックにするには少し少な過ぎるキャベツと、1/4だけ残っていた玉葱、平茸の最後一回分が残っていたので、これは野菜炒めを作れという宣託だと思い、久しぶりに作ってみました。野菜炒めというと、料理ビギナーはここから入るといわれるほど簡単な料理ですが、それなりにちゃんとやらないと、野菜がベチャッとして美味しくなくなってしまいます。なんでもそうですが、簡単そうに見えるものほど奥が深いのです。

つい最近までしばらく、かなりの頻度でチキンライスを作っていましたので、炒め物スキルは少し上昇しています。そこで得た結論は、以前にも書いたかもしれませんが、鍋を煽らないこと。中華料理屋さんの真似をして、圧倒的に火力の劣る家庭用コンロで同じ事をすると、鍋の温度が下がりすぎ、炒めるものから水気が出て失敗します。フライパンは置きっぱなしで、最大火力、ヘラでかき混ぜるというほうが正解。正直ものすごく熱いので、煽っている方が楽です。ということは、こっちの方が仲の温度は高いということ。

野菜系だけではパンチが弱いので、今回は乾物の中から干し海老を投入。干し海老といっても、中華用の身のしっかりしたやつは高いので、アミを干したもの。それでも、海老の旨味は十分です。入れ過ぎると逆効果なのですが、香り付けにほんの少し紹興酒。味付けのベースは塩のみで、胡椒・醤油は入れません。強火でガーッと炒めたあと、これ丼に小さく盛ったご飯にドサッとかけるんですよ。野菜・海老から出た旨味がご飯にからんで、最高。一食一合のレギュレーションを軽く破ってしまいそうで、怖くなります。一回にご飯三杯は、食べすぎですからねぇ。

07/04/24(Tue)

世の中、料理をする男性が多くなってきたとはいえ、まだまだ少数派。多くの家庭では、料理は女性の仕事だと思います。ある記事で、“私は料理が出来ないので、食器洗いを手伝う”という文章を読みました。非常にありふれた内容ですが、前々からちょっとこれが気になっていました。深読みかもしれませんが、私にはこれが、“私は料理が出来ないので、(比較的難易度の低い)食器洗いを手伝う”というニュアンスに見えてしまうのです。食器洗いってそんなに難易度低いですかね。

ちなみに、食器洗浄機を使う場合は対象外。機械に皿を入れてスイッチを入れるだけの作業は、お手伝いとは言えませんから。マニュアルの食器洗いって、結構色々考えるんですよ。その器の素材によって、汚れの落ち方が全然違います。陶器・磁器・木・漆・ガラス・プラスチック、ちょっと考えただけでも沢山の種類があり、割とラフに扱っても良い、洗剤を多目に使わないと汚れがキレイに落ちないなど、色々な違いがあります。それに、更に大事なのはその皿に何がのっていたか。油ものがのっていたのと、オヒタシがのっていたのとでは、汚れが全然違いますから、当然洗い方も変わってきます。

食器を片付ける際も、考えます。どの皿を食器棚のどの段にどの順番で置いておけば、次に使い易いのか。箸だって、引き出しに入れる場合は、先をそろえておくのは当然として、どちら側に向けておけば効率的なのか。こういうのは、料理を作る人が決めたルールを守ればいいのではありますが、ただ盲目的にそのルールに従っているのと、どうしてそういう配置になったかを理解しながら片付けるのとでは、使いやすさに大きな差が出てきます。つまり、食事作りと食器洗いはいわば表裏一体で、どちらか一方しかできないというのは、変だと思うのです。

古来、料理人の修行は食器洗いから始まりました。それは、食器洗いが簡単で初心者にもできる仕事だからという面はあるでしょうが、それに加えて、食器洗いを通じて料理の手順を覚えられるからという面が大きいんじゃないでしょうか。食器洗いって、実は結構深いんですよ。

07/04/23(Mon)

日経新聞の土曜日夕刊に、各地の独特な料理を紹介するコーナーがあります。紙面の半分ほどを使った、割と気合の入った連載で、ごく狭い地域でしか食べられていない食材やレシピを紹介しており、非常に面白いです。今回とりあげられたのは、佐賀県のイソギンチャク。私、ずっとこれを食べてみたいと思っているんですよね。食のエッセイを書かせたら、日本で三本の指に入ると勝手に思っている壇一雄、彼は小さい頃佐賀県で過ごした事があるらしく、自著の中でもイソギンチャク料理について触れています。実はこの人、イソギンチャクがあんまり好きじゃなかったんじゃないかな〜?という微妙な書き方ではあるのですが、だから一層興味をそそります。でも、佐賀県はなかなか行く機会が無いんですよね。その気になればすぐに食べられるんでしょうけど、かなり出会いのハードルが高い食材ではあります。

イソギンチャクと同じ記事の中で紹介されていたのが、ヒトデ。こっちは佐賀県ではないのですが、磯の食材として抱き合わせられたような格好。産卵期の初夏のみ限定で、ゆでて卵部分をほじって食べるのだそうです。ただ、生物学的な分類では、ヒトデはウニのイトコみたいなもんですから、ヒトデを食べると聞くとゲッと思いますが、冷静になってみると何となく味の想像はつきそうです。でもきっと、食べるところはほとんどないんでしょうね。今回の記事ではないのですが、フジツボが食材として紹介されていた事もあります。“中国人はテーブル以外の四足、飛行機以外の飛ぶものは全部食べる”といわれる事がありますが、どっこい日本人だってかなりいろんなものを食べてます。まだまだ食べてみたいもの、いっぱいあるんですよね。

07/04/22(Sun)

東京はすっかり暖かくなってきて、数日前から冷蔵庫の冷茶ストックを再開しています。暑い時には熱いお茶…もいいんですけど、やっぱり冷たいお茶を飲みたい時もあるわけです。特に外から帰ってきた時とか、風呂からあがった時とか。そんな時のために、冷たいお茶をストック。コンビニで買ってくれば簡単なんですが、そういうことに手間賃を払いたくない私は、自宅で作っています。冷たいお茶なんて、ヤカンで作って粗熱をとり、冷蔵庫に入れるだけですからね。

淹れるお茶を何にするかのチョイスは、割と重要。一番好きなのは、緑茶。香りが爽やかなので、グイグイ飲んでしまい、暑い盛りには2リットルの冷水筒が、一日もちません。次は紅茶。無論、ノンシュガーです。クラッシュアイスを詰め込んだグラスで急冷却…するほどの手間はかけていられないので、残念なことに色がやや曇ってしまいますが、気にしない。実はアールグレイを冷したやつが一番好きですが、別にセイロンでもアッサムでも、なんでもいいです。今飲んでいるのは、去年買って残っていたアールグレイ。通に言わせれば去年の紅茶なんて…ということになるんでしょうが、そんなに気になりません。

冷たいお茶のキングとも言える、麦茶はその次、第三位になってしまいます。いや、不味くはないんですが、上の二つの方がより好きという、それだけ。邪道かもしれませんが、麦茶のお茶漬けって結構美味いんですよ。ご飯も冷ご飯を水で洗ったものを使うんですけどね、夏の盛りの食欲最低の時にも、結構美味しく食べられます。というわけで、段々暖かくなって、嬉しいかぎりだなぁということです…まとめ。

07/04/21(Sat)

本日の安売りターゲットは、1パック38円の平茸。平茸というと普段の食卓とはあまり縁のなさそうな名前ですが、なぜかこの平茸、シメジという名前で売られています。私にとってはコレ、長年の疑問。平茸とシメジが似ているのなら、ネームバリューのあるシメジに乗っかってしまえという作戦も、分からなくはないですが、形・味ともに全然違うんですよね。シメジが一本一本、割と独立しているのに対し、平茸の生え方は舞茸に近い感じ。カサも強風で反対側に広がった雨傘のような形をしているので、シメジとは全然違います。また、歯応えの点でも、シメジがサクッとした軽快な歯応えがあるのに対し、平茸は椎茸の様な感じで、ネチョッ(あんまり美味しそうな表現じゃないですが)としています。

そんなわけで、本物のシメジとは全然違うのに、なぜかシメジの名前で売られている平茸。私は密かに、偽シメジと呼んでいます。本物シメジの味わいは、“香り松茸味シメジ”の言葉どおり、かなり高く評価されています。そんな評判に乗っかろうとした意図もあったのでしょうが、私の中の評価では、偽シメジ(平茸)の味わいは、本物シメジには3割方劣ると思います。天然物はサテ知らず、その辺のスーパーで手に入るような本物シメジすら及びません。まぁこれは、椎茸嫌いの私が、どちらかというと本物シメジよりも椎茸に食感が似ている平茸に対して、あんまりいい感情を抱いてないだけかもしれませんが。

しかしこの偽シメジ、1〜2晩ほど窓の外で干すと、かなり美味しくなります。椎茸を干し椎茸にすると、大幅に旨味アップするのは周知の事実。コレと同様に、偽シメジも、干し偽シメジにすると、グッと美味しさがアップします。保存性もよくなるので、安売りされることの多い偽シメジをまとめ買いして、干してしまうというのもたまにやる手。今回は2パック干しました。使う際も、小さなものなので特に戻す必要はなく、味噌汁なんかだったらそのまま放り込めば、勝手に戻ってくれます。とまぁ、かなり美味しくはなるんですけど、本物シメジの方も干すと数段美味しさアップしてしまうので、永久に届きません。安いんで、時々買ってしまうんですが、やっぱり本物シメジの方が良いですよ。そもそも、なぜシメジの名前で売られているかという点からして、疑問なんですけどね。

07/04/20(Fri)

スーパーの鮮魚売り場を歩いていたら、古くなって“加熱して食べてください”シールを貼った鮪の刺身がパック一杯100円で売っていました。そういえば、泥つき葱も100円だったなと思い返し、とってかえして両方ゲット。ちょうど4月とは思えない寒さが戻ってきたこともあり、ネギマにピッタリの夜ではないですか。

ネギマなんて、別に難しい事は何にもありません。小さな土鍋に酒・水・塩を入れ、煮立ったら鮪投入。火を落として少しだけアクをとり、ザク切りにした葱を放り込んで蓋をしたら一息。葱がクタッとなったら完成です。鮪の旨味が溶け出した汁と、新鮮な葱の香りがえもいわれぬハーモニーを生み出します。

世の中には刺身落ちの鮮度を失った切身なんてという向きもありますが、それは生食するには難しい鮮度だというだけで、火を通してしまえば何の問題もありません。それに、私のような(自称)見切り品のプロになると、これは火を通してもヤバイというのは、ラップ越しでもすぐに分かるようになるものです。美味しくいただけるものが安く売っている、これに勝る幸福はありません。ちなみに今回のネギマでは、かなり贅沢して大量の鮪を使ったにもかかわらず、パック1/3ほどしか使う事が出来ませんでした。残りは味醂醤油に漬け込んでタッパーの中へ。2〜3日の間は、毎日たっぷりの焼き鮪が楽しめるという寸法です。買った材料をキレイに無駄なく使い切る、これもまた充実感一杯の幸せな事です。

07/04/19(Thu)

新玉葱が一袋88円と格安だったので、買ってきました。一袋に四個入っているものと三個入っているものがあって、かといって四個の方が玉が小さいかというとそうでもないのが謎。無論、きちんとチェックして、四個袋のほうをゲット。相変わらずチキンライスはコンスタントに作り続けているので、それに入れるとしても、一回に使う量はせいぜい1/4個。それに、せっかくの新玉葱ですから、その味をダイレクトに味わうものとしては、やっぱりサラダでしょう。

サラダとはいっても、うちにはドレッシングなんてありませんから、醤油とオカカになります。それでサラダと呼んでいいものか。一回分は1/4玉。根の部分を切り取ってバラけるようにしてから、縦方向に本気のスライス(思いっきり薄くすること)を施します。この方向というのが意外に重要で、火を通してくたっとさせたい時は繊維を断ち切る横方向に、歯ごたえを残したい時は繊維に沿った縦方向にというのが、一応のセオリーです。スライスした玉葱はそのままでは辛過ぎるので、水に放ってしばらく放置。あまり徹底的に辛味を抜きすぎると、オコサマな味になるので、その辺は加減して。

辛味を抜いた玉葱の水気をよく切り、醤油と削ったばかりの鰹節をかけ、ガガッとかき混ぜれば完成。そう、調味料は醤油と鰹節しか使いません。しかし、あんまり色々入れるより、こちらのほうが素直に玉葱が美味しいと思えるのです。いわゆるドレッシングを使いたければ、オリーブ油・酢・塩胡椒を使って、その場で仕立ててしまいますが、こっちも極めてシンプルなもの。でも、炊き立てご飯によくあうのは、やっぱり醤油&鰹節の方ですね。

07/04/18(Wed)

30cmほどある鰆の片身が100円と激安だったので、3枚買ってきました。それでも300円。たっぷりとっても1枚で大体3食分あるので、しばらくは楽しめます。甘塩だったので、その日の夜はそのまま塩焼き。塩焼きは魚の味が表に出て美味しいのですが、ご飯にあうのは味噌漬けの方だと思っているので、あとは全部味醂味噌に漬けてしまいました。

専門店だと、専用の味噌床を作るのですが、うちでは切れ目無く味噌漬けを作るわけではありません。続けて作らないと、味噌床が傷んで味噌のロスになってしまいますので、うちの味噌漬けは簡易版。最小限の味噌を味醂で溶き、切身にからめて最低一晩置いたものを、味噌漬けと称しています。いや、これでも十分美味いのですよ。

セオリーですが、焼く際には味噌を洗い落としたりはしません。焦げた味噌も味わいのひとつなので、指でこそげるだけ。ただ、あまり残しすぎると焦げ焦げになるので、その辺は程度問題です。切身を焼く順番は、当然皮→身。皮をバリッと焼いてからおもむろに身を焼くことで、皮が崩れてカッコ悪くなるのを防ぎます。まぁ、カッコ悪くなるのを防ぐもっと大事なポイントは、皮→身と一回ひっくり返すだけで決めるという事の方です。何度もひっくり返すと、グズグズになります。自分で食べる分なので、多少崩れても問題は無いのですが、やっぱりキレイに焼けているに越した事はないですから。

というわけで、鰆の味噌漬け焼き。鰆はどちらかというと淡白な魚なので、塩焼きでは少しパンチが足りない気がします。単発で食べるのなら塩焼きでも良いけれど、しばらく食べ続ける、それもご飯の友としてなら味噌漬けに軍配が上がります。パリッと焼いた皮と半ば焦げた味噌が、たまりません。あぁちなみに、鰆はサワラと読みます。漢字にある通り、今がシーズン真っ只中の美味い魚です。

07/04/17(Tue)

せっかく鶏ソボロを1kgも作ったのですから、ご飯にのせて食べるだけではもったいないということで、鶏ソボロを入れた焼餅を作ってみました。この鶏ソボロの練り込み方がなかなか面白いのです。小麦粉150gに90gの水を加え、よく練ってから直径30cmほどの円状に延ばします。中心から外側に向けて、一本だけナイフで切れ込みを入れます。この線を時計の12時のラインとすると、12時から3時までの90度の間には何ものせず、3時から12時までの間270度に、薄く鶏ソボロを敷き詰めます。また、外周1.5cm位のゾーンはこれまた何ものせないようにしておきます。

準備が出来たら、12時〜3時の部分を3時〜6時の部分に折り重ね、円周の部分から鶏ソボロがもれないように、しっかりと指でつぶします。今度はこれを6時〜9時の部分に折り重ね、それを更に9時〜12時の部分に折り重ねます。結果として出来た、中に3層の具が詰まった90度の円弧を、中から具が飛び出さないように、慎重にゆっくりと麺棒で薄く延ばして成形していきます。私は結構慣れているので、90度の円弧を真円に近い形にしてしまいます。

最後に、この生地をフライパンで両面こんがりと焼けば完成。ウー・ウェンさんの小麦粉料理の本に出ていた、立派な北京料理です。薄手のミートパイといった風情で、割と万人受けすると思います。ちなみに私は勿論大好き。冷蔵庫にはそれこそ山ほど鶏ソボロがありますんで、この先しばらくは、よく作ると思われます。醗酵・寝かせ過程がないので、出来上がりまで15分ほどしかかからないのも魅力的。しばらくの間、色々試してみようと思います。

07/04/16(Mon)

最近、自分の作ったお弁当の写真を載せているサイトがいっぱいありますが、そんなサイトのひとつで、鶏ソボロをご飯の上一杯にまぶしたお弁当を見つけました。そういえば最近食べてないな鶏ソボロ、と思った次の瞬間に食べたくなりまして、早速次の日に作ってみました。

材料は、冷凍庫に突っ込んであった業務用鳥ムネ肉を1kg分ほどを、一晩常温で自然解凍したもの。チマチマ作るのは性にあわないので、一気にどかっと作りだめします。これくらい作るならいいかと、年に一回味噌作りの時にしか作らないミンサーを解禁。予めブツ切りにした鶏肉を二度挽きして、滑らかなミンチにします。鶏ソボロにはやっぱり生姜でしょうという事で、その日の帰り道に買ってきた生姜を微塵切りにしてスタンバイ。

実は簡単お手軽な鶏ソボロ。フライパンで鳥ムネ肉にあらかた火を通したら、生姜・醤油・塩・蜂蜜をいい感じな量投入し、弱火に落としてゆっくり煮詰めていきます。ソボロという名前の通り、煮汁が大体とんでポロポロになったら完成。注意すべきは、こういうものは冷めるとずっと固くなるので、あんまり煮詰めすぎると冷めた時にブロックになってしまうという点。熱い時と冷めた時の誤差を考えつつ、火を落とすタイミングを判断します。ここさえ間違わなければ、割と楽勝。出来上がった鶏ソボロは、一週間分ほどに小分けしてポリ袋に入れ、再度冷凍。この先ひと月ほどは、私のお弁当は毎日鶏ソボロ弁当です。

炊き立てのご飯に鶏ソボロをこれでもかという位ふりかけ、箸でガーッと混ぜて食べる。醤油と蜂蜜の甘じょっぱいソボロがご飯とからむと、むちゃくちゃ美味いのですよ。この流れで行くと、次は鯛デンブか?

07/04/15(Sun)

私が毎日チェックしているサイトのひとつに、デイリーポータルZというのがあります。毎日2〜3人の担当ライターが、一見くだらない事を、面白真面目にとりあげるという企画サイトで、当たり外れはあるものの、なかなか面白い。ちなみに私が好きなのは、食関連の記事が多い高瀬克子さんと、イラストが素敵なべつやくれいさん。べつやくさんの描くキャラクターの、ちょっと悪そうな目がたまりません。先日そのべつやくさんが、フランスパンにししゃもを挟んで食べるというのを試みていました。

コトの起こりは明太子パン。前回、最近すっかり市民権を得たかに見える明太子パンの食べ比べをした際に、実はパンには生臭いものがあうのではないかという結論に達したらしく、普通とてもパンにははさまないだろうというものを色々試しておりました。そのトップバッターが、子持ししゃもも。結果これは非常にアリだということになったのですが、私も実は常々、パンに焼き魚系はよくあうのではないかと思っておりました。

以前、敬愛する料理漫画“クッキングパパ”で、コッペパンにサンマの塩焼きをサンドして食べるというのが紹介されてまして、その描写があまりに美味しそうだったので、実際に試して見た事があるのです。結果は大成功。焼き魚の風味をコッペパンがうまく包み込み、サンマから出た塩と脂も、その味を引き立てるのに一役買っていました。そんなわけで、子持ししゃもでまずいわけは無いと思うのです。これは是非一度トライしてみなくては。

記事ではそのあと様々な食材が試されているのですが、とてもあわないように見えたけれど実は結構いけました、というものとして〆鯖が紹介されてました。私もさすがにこれは無いだろうと思ったのですが、〆鯖の酸味とパンが意外にマッチするのだそうです。う〜ん、深い。これも近々是非やってみなくてはと思っています。

07/04/14(Sat)

私のようにテレビのない暮らしをしていると、それに反比例するようにラジオを聴く機会が増えます。私が聴くラジオ局は主に、J-WAVE・NHK-FM・TOKYO-FM・ラジオ第一など。その中でも、気に入っている度上位にランクインするものに、ゴンチチの“世界の快適音楽セレクション”というのがあります。この3月までは土曜日夜の放送だったのが、新年度から土曜日の朝に移動。私のライフスタイルにますますはまって、聴きやすくなりました。

ゴンチチというのは、知っている人は知っている、ギターのオッサンデュオユニットで、メンバーはゴンザレス三上とチチ松村。あわせてゴンチチ。ふざけた名前ではありますが、そのギター演奏はかなり素敵です。チチ松村の方は、茶人・クラゲ研究家などの、変な趣味もあり、トークも面白い。この二人が毎週あるテーマに沿って一曲ずつ曲を出し合うというのが、この番組のメインです。普通のラジオ番組だと、その期間に売り出したいアーティストの曲を集中的にかけたりして、辟易する事が多いのですが、この番組はそんなこととは無縁。名前でしか知らないような国の曲とか、何十年も前の曲とかも、普通にチョイスされます。今週のテーマは“ブランチの音楽”だったのですが、時には“収穫の音楽”だったり“旅の音楽”だったりと、テーマの選択も面白いです。

二人のトークもトークもゆるい感じで、つけていても全く生活の邪魔になりません。これほどクオリティの高い番組はなかなか無いと思うのですが、何せラジオですから、私の周囲で知っている人は皆無。それではちょっと残念なので、紹介します。“世界の快適音楽セレクション”日曜日の朝9時〜11時。天下のNHKですから、全国どこでも放送していると思うので、機会がありましたら、是非聴いてみてください。

07/04/13(Fri)

先日、最近チキンライスばかり作っていると書きましたが、チキンライスは何となく郷愁を誘う食べ物でもあります。今はもうそんなデパートは少ないでしょうが、私が小さい頃は、デパートの最上階には大食堂というのがありました。そのデパートの直営(?)で、寿司・天麩羅から中華・ステーキまで揃っており、食券を予め買うというのが一般的な形でした。そこで私は、チキンライスやオムライスばかり頼んでいた記憶があります。ケチャップの味が好きだったのですよ、当時は。なぜか必ず上に乗っているグリーンピースが嫌いで、必ず避けていましたっけ。今では好きになりましたが、チキンライス・オムライスとグリーンピースは、彩りとしてはともかく、味の上ではそんなにマッチしていないんじゃないかと、今でも思っています。

というわけで、最近研究が進むチキンライスの要点。炒飯と一緒で、ご飯は冷や飯を使うとパラッと美味しくなります。具は少数精鋭の方がよろし。鶏肉と玉葱は必須として、あと一種類くらいが良いと思います。マッシュルームが王道ですが、私の手持ちメニューでは潰しがききづらいので、シメジ辺りが無難。人参を刻んで入れたりしても良いです。とにかく、あんまりゴチャゴチャ入れ過ぎないこと。ケチャップは控え目に。昔懐かしいチキンライス、アレはアレで美味いのですが、ケチャップの味が強過ぎて、他の素材を殺してしまっています。目安で、いわゆる洋食屋さんのチキンライスの1/2〜2/3位の量が、私にとっては良いバランス。ニンニクは好みなんですけど、私は入れないほうが良いと思います。最後にパセリを散らすのは外せないでしょう。火加減はとにかく終始強火。特にケチャップを入れた直後に火が弱いと、ご飯がベチャッとなってしまいます。多少暑くても、頑張って強火。

しかし、さすがにそろそろチキンライスはもういいかという気分になってきました。次は、懐かしのナポリタンスパゲッティにいってみようかと計画中です。

07/04/12(Thu)

一週間ほど前に、有機栽培のトマトとやらで作ったケチャップを貰いました。パステルタッチのいかにもロハスなラベルがついているのですが、ダシ入りということで、製品表示を見るとアミノ酸等が入っているのはご愛嬌。そんなに有機が自慢なら、トマトの味だけで勝負しろよとも思うのですが、まぁそれは置いておいて。

本来うちにケチャップはありません。あと、ソース・マヨネーズも。これらの調味料はそれだけで味が完結してしまっていて、私の腕ではどんな小技をきかせても、似たり寄ったりの味になってしまう事が多いので、避けているのです。だがしかし、貰ったとなったら話は別。捨てるわけにも行かないので、美味しくかつ迅速にいただきます。ケチャップを使った料理の中で、私の世代(三十代)が真っ先に思いつくのは、チキンライス(オムライス)です。そこで、この一週間は五回ほどチキンライス。短期集中型、チキンライスを極めてしまおう月間というわけ。

常々思っている事ですが、あるレシピを自分のものにするには、たまにそれを作るよりも、しばらく毎日それを作り続けた方が、効率良くコツを身につける事が出来ます。チキンライスというと、最初から具を入れてご飯を炊いてしまうタイプと、炒飯のように炒めて作るタイプがありますが、私が選んだのは後者。要は炒飯の変化版ですから、全く新しい料理よりは、早くモノにする事が出来ます。家族がいたらたまらないでしょうが、その辺はひとり身の身軽さ。他人にすれば昨日と変わらないようなチキンライスでも、試行錯誤を加えた本人にとっては全然違うものなわけです。そんなわけで、チキンライス作って一週間。段々分かってきましたよ。

07/04/11(Wed)

先日のニンニクの芽、収穫しても何日か立つと新たに芽が生えてくるので、何回か収穫して食べようと思っていたのですが、気が変わりました。竹串で“ヨ”の字型に串刺しにされている事は先日書いた通りですが、どうやらこれをやった人はかなりアバウトな性格だったらしく、キレイな“ヨ”になっていません。高さもかなりガタガタで、薄く水を張っただけでは、うまく着水しないところまであります。つまり、美しくない。かといって、もう一度串を刺し直すと、更に美しくなくなるということで、この際全部刻んでニンニク味噌にしてしまいました。

作り方は簡単。胡麻油で刻んだニンニクを軽く炒め、そこに味噌・味醂・砂糖を投入。味醂でゆるくなった味噌が、そこそこ固くなるまで煮詰めれば完成。本来甘いオカズはあまり好まない私ですが、このニンニク味噌はご飯のお供的なポジションなので、少し甘めにします。胡桃とか松の実とか、ナッツ系をアクセントとして投入すれば、かなり本格的&スバラシイ味になるのですが、今回はこのニンニクの美しくない様を見て、衝動的に決めてしまったことなので、残念ながら在庫無し。かわりといっては何ですが、少し香ばしさをプラスと言うことで、スリゴマを加えてみました。

一般的に、ニンニクを食べると元気が出るといいますが、どうなんでしょうか。かなり香りの強い食品ではあるのですが、それが元気に直結するかと考えると、どうなのか。あんまり食べ過ぎると胃を刺激して、かえって元気を損ねる気もします。少しずつ食べると非常に美味しいので、しばらくはお弁当の友となってくれそうです。

07/04/10(Tue)

先日貰ったニンニクの芽、早速味見ということで、パスタに入れてみました。一応、ペペロンチーネ風。パスタはいつものように手打ち。まぁ、ウドンと呼んでも差し支えありません。ここでは時々しか話題にしませんが、ここ数年は最低でも週一度はコンスタントに打っているので、技術力はかなり進歩しており、外で食べる“手打ち風パスタ”を片手でひねれるくらいのレベルになってきました。それなのに、大盛りで一人前の材料費が15円と超経済的。まさに、“貧乏人は米ではなく粉を食え”と言えるでしょう。

弱火でやや多目のオリーブ油を使い、甘さを引き出すように玉葱の微塵切りをゆっくりと炒めます。鷹の爪と塩胡椒も加えて、ソースの準備。以前の私は、ペペロンチーネ=西洋風焼きソバという誤った認識をしていましたが、ペペロンチーネはこの油でパスタを“あえる”というスタンスが正解だと思います。ですから、パスタをフライパンに入れたら、もう炒めたりはしません。旨味を吸った油とパスタがよく馴染むように混ぜ合わせるだけ。

今回はニンニクの芽を使うということなのですが、最初から入れてしまっては、鮮やかな緑が無駄になるので、投入のタイミングはパスタと同時。市販のものと違い、ほとんど韮のような状態なので、小口切りにして、あたかも葱を散らすかのように使います。全部使ってしまわずに、平皿に盛り付けた後、上から飾りで散らす分をとっておくのも、葱の使い方と一緒。

感想:今回はニンニクの芽を使ったということで、ニンニクは一切使いませんでした。香りが足りなくなるんじゃないかと思っていたのですが、かなりきちんと香ります。それに、ニンニクの芽の緑と鷹の爪の赤がうまくマッチして、なかなかいい感じ。ニンニクの芽は水耕栽培状態で、あと数回は収穫できそうなので、もう少し回を重ねて、詰めてみたいと思います。

07/04/09(Mon)

先日喫茶店で珈琲を飲んでいると、店の近所に住む中国の人が植木鉢を持って訪ねてきました。翌日から一ヶ月ほど、急に中国に帰ることになったので、水遣りの面倒を見て欲しいとの事。その時に一緒に持ってきたのが、自家製のニンニクの芽。たまに雑誌などで、使い終わった大根のヘタの部分を、薄く水を敷いた皿に置き、出てきた新芽を汁の実などにする方法が紹介されていますが、それと一緒。植木鉢の受け皿の上で、ニンニクから柔らかそうな芽が吹いていました。

ニンニクの芽を自宅で作るという発想自体、私には無かったので、この光景はとても新鮮。店で売っているニンニクは、あくまで芽が出ないうちにそのものを食べる食材であり、芽が伸びてしまう事は原則として品質の劣化を意味します。そんな私にとって、ニンニクの芽の自作は、まさにコロンブスの卵でした。しかし、更にビックリしたのはその置き方。

ニンニクはあんな形ですから、そのまま受け皿の上に置いたのでは倒れてしまいます。それでは出てきた芽が上方に向かう際にグイッと曲がってしまうので、何とかニンニクは立たせなきゃいけません。そんな時私なら、スポンジやオアシスを使う事を考えるでしょう。でもこの人は、4本の竹ヒゴで20個ほどのニンニクを“ヨ”の字になるように串刺しにしていました。なるほど、こうすればキレイに立ちます。立ちますが、私にはこういう発想はサッパリありませんでした。その場にいた数人(全員日本人)にも訊いてみたのですが、全員が同じ感想。串刺しのニンニクが皿の上で“ヨ”の字になっている光景は、絶対に日本人の発想ではないよなぁと思いました。

07/04/08(Sun)

自慢じゃないですが、私は子供と年寄りにはウケがいいです。それ以外の分類の人々については…ノーコメント。友人の息子(3歳)の顔を見るたびに、鼻に指を突っ込んでやっていたら、私の顔を見た瞬間に鼻を手で隠して近寄ってくるようになりました。“コイツの一生の思い出に残る人間になってやる計画”は、八割方成功したようです。年寄りの方では、隣に住む大家さんは何くれとなく気を遣ってくれますし、同僚の母親(80歳)にはやたらと気に入られており、たまにお弁当を貰います。他人の作ったお弁当を食べるなんて、あまりあるものじゃないですから、非常に興味深いです。

同僚の母親は、生まれも育ちも東京。一般的に東京の味付けは醤油を多目に使い、甘辛く仕上げるというイメージがありますが、その通りです。稲荷寿司の油揚げの味付けなど、多分私が横で見ていたら卒倒しそうなくらいの砂糖を入れているはず。とにかく甘さ&醤油が炸裂。“素材の味を活かして、味付けを変えていく”というよりは、“素材はどうあれ、いつものあの味に塗り潰していく”という感じ。オイルステンとペンキの違いといえば良いでしょうか。オイルステンは、オイルを塗りこむことで木目の美しさをキープし、ペンキは剥げてきたら上からどんどん重ね塗りしてしまう、そんな感じ。どっちが良い悪いではなく、完全にコンセプトが違うのだなぁと思います。

彼女が作ってくれるような味付けの料理は、私には無縁のものなので、非常に興味深いです。自分では絶対に作りませんし、毎日これだったらちょっと厳しいと思いますが、たまになら、自分の味付けを客観的に見つめ直す機会にもなるという意味で面白いなと感じています。上手い下手は置いておいて、非プロの作る料理って本当に面白いですね。

07/04/07(Sat)

先日仕事で、サイトのチェックをする事がありました。取引にが作ってもらったサイトをアップロード前に確認するのです。相手はそれを本職にしている人だから、内容面でチェックをかければいいやと思ったら、割と違うのですね。どうやら、回ってきた文章をノーチェックで流し込んだらしく、句読点が全て半角カナ文字。言うまでもない事ですが、サイトで半角カナ文字を使うのはご法度です。半角カナの句読点は、割と見過ごしやすいです。それから、さすがに多くはないものの、所々に丸の中に数字を入れる通称丸文字。ウィンドウズで文書を作り慣れていると、結構やりがちですが、チェックして欲しい。アルファベットの全角・半角も統一して欲しかったですねぇ。同一文書の中に英数字の全角・半角が混在しているのって、すごく嫌なんですよ、私。

なんていう、重箱の隅をつつくチェックをする際のお供は、オンラインのHTMLチェッカー。サイトアドレスを入力してボタンを押せば、100点満点でそのページの点数をズバリ判定してくれます。というわけで、今まで見て見ぬフリをしていたミソジノジスイトップページを、チェックしてみました。ドンッ、48点。評価は普通。結構気を遣って作ったつもりなんですが、ダメですねぇ。3箇所で大きく減点されていました。うち一箇所は、アクセス解析のソースをコピペした部分に対する減点なので、私の責任ではありません(言い訳)。残りの二箇所は、まぁ納得してやるか。この週末にでも直そうと思います。“良い”くらいの評価にはなるといいなぁ。ちなみに、前述のサイトは24点。“頑張りましょう”でした。一応プロなんだから、そういう見えない所にも少し気を配った方がよろしいではないですか、なんて言いませんけどね、オトナだから。

07/04/06(Fri)

食べ過ぎました。友人と二人で行きつけの中華料理屋に行き、山盛り食べてきました。1.貝柱とシメジを青海苔で炒めたもの、2.豚肉細切りとニンニクの芽を炒めたもの、3.イカをピリ辛で炒めたもの、4.春雨、5.卵炒飯、6.肉味噌をかけた冷たい麺、7.ジャスミン茶、酒は無し。以上を一人前ずつ頼んで二人でシェア。この店はどの料理も美味い、そして安い。これだけ食べて、一人あたり2,500円弱です。でも、あらためてこうやって書いてみると、油を沢山使う料理ばっかりですね。おまけにいつもの夕食の倍以上食べてしまったので、今朝は胃が重いです。やっぱり無茶をするものではありません。5、6はどちらか一方にして、4は点心にするくらいがちょうど良かったかも…。

私のモットーは、食事は腹八分。食べる事は大好きなのですが、過度の満腹状態になる事は、その時は良くても、少し長い目で見るとロクな事はありません。健康に気を配る云々以前に、胃が重い状態というのは単純に不快。あ〜お腹がすいたなぁと思った頃に食事を摂り、食事も食べ終わった時には少し足りないくらいで、半時間ほど経ってやっぱり満腹だったと感じるくらいがベスト。とはいえこれはなかなか難しくて、目の前に沢山食べ物が並んでいたら、どうしても食べてしまうんですよね。

というわけで、昨夜の帳尻を合わせるために、今日の昼食はミカン一個。別にダイエットを心がけているとかそういうのでは全然なくて、食べ過ぎている状態だから一回休み。少しおなかがすいている状態が、頭も冴えてベストです。

07/04/05(Thu)

こういうのを寒の戻りというんでしょうか、東京は真冬並の寒さです。寒いのが何より嫌いな私は、早速暖房をといきたいところなんですが、ここの所陽気が続いたので、3月末に暖房器具を片付けてしまったのです。フィルターを掃除して、噴出し口の埃もキレイに拭いて、結構手間をかけたので、また出すのは嫌。この寒さも長くないだろうしということで、先日から厚着をして頑張っております。

ところで、この前知り合いと話をしていたら、北海道の人の方が九州四国の人に比べて寒さに弱いという話を聞きました。私なんかからすれば、北海道なんだから寒さには強いだろうと思うのは間違いらしい。彼の地では、家を密閉して室内完全暖房を施し、屋内では冬でも半袖で過ごせるようにするために、かえって寒さに弱くなるのだそうです。南の方だとそこまで徹底的に暖房を施す事はないので、寒さに対する耐性が出来るという話。どこまで本当かは分かりませんが、実感としてはそうかもしれないなと思いました。私は北海道出身ではないけれど、寒さにはめっぽう弱く、冬は大嫌いなんですけどね。

07/04/04(Wed)

久しぶりに、コレ貰いましたシリーズ。今回は、ボイルイカを貰いました。私が主に食すスルメイカ系ではなく、イカステーキなんかに使われるような、厚さ1cmほどのやつ。最初は単にスライスしたものに醤油をつけて食べていたのですが、飽きてきたので、大阪名物イカ焼き風にアレンジ。

小麦粉を水でゆるめに溶き、そこに外ではこんなに入れてくれないだろうというくらい大量のイカを薄切りにして投入。これを両面フライパンでこんがり焼けば完成。まぁ要するに、イカしか入っていないお好み焼きです。この我流イカ焼き、安っぽいウスターソースが一番よくあうのですが、残念ながら現在うちにはウスターソースの常備がないので、次善の策としていつもの醤油。元々がかなり薄く焼いていますから、端で簡単にちぎれます。そこに醤油をほんの少しつけて、食す→何せ材料が小麦粉・水・イカだけですから、歯応えから香りから全てがイカ。お酒を飲む人だったら、ビールなんかよくあうんじゃないでしょうか。でも、ビールだったら軽く炙って醤油が王道ですかねぇ。

07/04/03(Tue)

自炊を始めたばかりの頃、テレビで洋食屋のシェフがキャベツを猛烈な勢いで千切りにしているのを見て、憧れました。当然真似して、指を切ったこともあります。馬鹿な思い出ですが、こんな事は誰だってある筈。それから10年以上が経ち、包丁技術は見事に実戦経験の量に比例するという結論に達しました。毎日使うしか、包丁が上手くなる道はありません。

そして、若い頃の私のように、無理して早く使ってやろうと思っている時よりも、多少遅くてもいいから、丁寧に仕事をしようと思っている時の方が、長い目で見ると上達は早い気がします。丁寧に仕事をしようと思っている時は、正確な動作を心がけることになります。最初は頭で考えてから出ないと出来なかった理想の動作が、その動作を繰り返すことによって、自動的に出来る様になることで、技術は進歩していきます。早くやろうという事がまず念頭にあると、とにかく早く手を動かすことばかりに気がいって、正しいフォームを身に付ける事はままなりません。多少遅くても良いから丁寧に、毎日続けていれば、結構なスピードで包丁技術は上達するでしょう。

なんて話を急に書いたのは、先日ラジオで、“若い頃はへヴィメタルの早弾きに憧れたが、最近はもっぱらゴンチチ”なんていう微笑ましいコメントを聴いたからで、ゴンチチ良いですよね。4月から土曜日の朝にNHKラジオの番組が移動になって、とても楽しみにしているのです。

07/04/02(Mon)

4月も始まり、これから心機一転だということで、以前から気になっていた部分の掃除に手をつけました。それは、畳と畳の間。畳はキッチリ敷き詰められてはいるのですが、長年使っている間に、その間に埃がたまってきます。雑巾がけをする際に、気になった部分は千枚通しでほじったりもしていたんですが、今回はそのような対処療法ではなく、徹底的にやってやろうと決心。畳を上げて、縁を掃除しました。

やり方は簡単。千枚通しを畳の縁の横からグッと差し込み、それを取っ手にして畳を持ち上げ、僅かにずらして隣の畳の上にひっかけ、この状態で縁についた埃を、ブラシで払っていきます。畳を外すなんて大変だろうと思いがちですが、これが意外と簡単。うちは六畳の部屋で、本棚がのっている一畳は動かすのが大変すぎるのでパスするとして、作業をするのは五畳分。手早くやっていけば、10分かからないで終わってしまいます。急がば回れとはいいますが、千枚通しで埃のたまった場所を直接ほじるよりも、ずっと早く、徹底的に掃除をする事が出来ました。おかげで部屋はピカピカ。これなら月イチくらいでやってもいいかと思っています。

最近では畳の部屋は全く流行らず、世の中の主流はフローリングになってしまいました。でも、私はやっぱり畳の部屋が好き。特にこれからの季節、日曜日の午後なんかに、窓を開け放ってキレイに掃除をした畳のうえでゴロッと昼寝なんかすると、あぁ極楽・極楽ってな気分になります。確かにメンテナンスの容易さという面ではフローリングに一日の長がありますが、やっぱり畳ですよ・畳。

07/04/01(Sun)

先日は、さも分かったような炒飯のコツを書いてしまいましたが、それにやや補足。世の中非常に便利になりまして、○○のコツが知りたいと思った時は、ネットでちょこっと検索をかければ、よほどマイナーな分野でない限り、すぐに回答が得られるようになってます。サイトによっては、書き込んだ質問に閲覧者が答えてくれる掲示板形式になっているところもあって、いい世の中になったものだなぁと思ったりもします。だがしかし。

こういうネット情報の発信は基本的に匿名ですから、その真偽について誰も責任を負いません。例えば、先日私は“炒飯を作る際は必ず冷や飯で”と書きましたが、もしかしたらそれは単なる又聞き情報を、さも自分がやったかのように書いているだけかもしれません(実際は違いますが、一応)。だから、ネットの情報というのは、“一応そういう説もある”くらいに止めておいて、興味・必要があるなら自分で実証するというスタンスが良いと思います。

ただし、こういうコツの類に関しては、たとえ信頼のある人の著作に出ていたとしても、それを読むだけでは自分のものとする事は出来ません。“速く泳ぐコツ”が書いた本を読むだけで、速く泳げるようになるわけじゃないのと一緒です。その情報を頭に置きながら、自分の手足を実際に動かすことで、本の上のインクのシミは、はじめてコツとなって自分の中に定着します。ネット社会の発達は、以前とは比べ物にならないほど、情報と出会う機会を増やしてくれましたが、ともするとその膨大な情報に溺れがちになります。バーチャルな世界を使いこなせるようになるには、まだしばらく時間がかかるのかもしれませんね。

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