掃除と洗い物


大掃除

歳が押し迫ってくると、世の中では大掃除ということになります。でも、うちではこの大掃除は基本的にやりません。どうも、自分の中で大掃除というものがうまく位置づけられないからです。一年のよごれを年末にまとめておとす、これが大掃除です。毎日の掃除ではなかなか行き届かなかった所を掃除するのが、主な役目。しかし、これは逆に考えると、掃除しなくても大して影響の無い場所で、一年間放置されていた場所を掃除するということです。

私は掃除というのは、キレイにすることそのものが目的ではなく、キレイにすることで毎日の生活を快適にすることが目的だと考えています。キレイにすることそのものは、その最終目的に至る途中のステップに過ぎません。とすると、キレイにしなくても大して精神衛生上影響のないところは、放っておいても良いということに私の中ではなってしまいます。

人間食べなきゃ死んでしまいますが、掃除をしなくても死ぬことはありません。結構しぶとい生き物なので、ゴミの中でだって暮らしていけることは、いくつかの実例で実証済み。つまり、掃除というのはキレイな場所で暮らしていたいという、いわば趣味的な性格の度合いが、食事よりもずっと高い作業だと思うのです。一年間汚れたまま放置しても精神衛生上何の影響も及ぼさない場所を、あらためて掃除しなくてはいけない理由は私にはありません。

とはいえ、私は結構キレイ好き。部屋の中は、日本の一般家庭の平均から言ってもかなりキレイな方に位置すると思います。毎日きちんと整った空間で生活していると、心もしゃんとなり、緊張感を持って暮らしていくことが出来ます。私も最初からこうだったわけではなく、一人暮らしを始めた頃は今よりずっと汚い空間に住んでいました。しかし、掃除が習慣付いてくると、徐々にキレイな空間でないと快適に過ごせないようになってきてしまったのです。だから、定期的な掃除は欠かしません。

ところが、大掃除というのはこの衝動を超えた作業、つまり、キレイににするための掃除という性格が非常に強いと思えてしまうのです。新しい歳を迎えるために、その時だけキレイであればいいという、ハレの作業。私の平凡な日常には、こういう特別なイベントは不要です。だから、うちでは大掃除は特にしません。

汚れて困るところは、大掃除なんて待っていないで、日頃からキレイにしておく。一年に一回しか掃除しなくても気にならない様な所は、そのまま放置する。そういう考え方。ただ、日頃からキレイにする癖をつけると、段々キレイに対する要求レベルがあがってきて、自然と家の中どこを見渡してもキレイ、という状況になってきます。私はマダマダ成長の余地アリですが、それでもこういうのが割と自然でいいんじゃないでしょうか。

ただ、これも家があまりに広すぎたり、汚れに鈍感な同居人が大勢居たりすると、この限りではなくなります。こういう状況であれば、大掃除はきちんとした意味を持ってくるのだと思います。04/12/27(Mon)

掃除(月に約一)

毎週掃除するほどでも無いけれど、放っておくとアラ大変、レベルの場所をうちでは三つにグループ分けします。1. 食器棚と冷蔵庫周り。2. シンクの下。3. 換気扇。で、毎月第一週は1、第二週は2、第三週は3の掃除をします。第四週はお休み。お休みがあるので、月に“約”一回となってます。

食器棚は中に食器を入れ、上には乾物を積み重ねています。掃除は簡単で、全部取り出して拭くだけ。冷蔵庫も同様で、上に乾物が沢山載っているので、それをどけておいて拭きます。中の掃除は年に一回程度しかしません。シンクの下も同様。全部取り出しておいて、中を拭くだけです。月に一回とはいえ、10分もあれば簡単に終わってしまいます。

換気扇も、月に一回手を入れていれば、そんなに頑固な汚れがつくということはありません。ばらした部品をシンクに置き、住宅用洗剤で洗っていけば、すぐにきれいになります。掃除の本を読んでいると、要らなくなった布を小さく切ってウェスにと書いてありますが、うちでは拭いた布を使い捨てにしなくてはいけないほど汚れをためることは無いので、ウェスは必要ありません。また、小麦粉をまぶして油を吸い取らせる方法もメジャーですが、食べ物を掃除に使って捨てるなんて、貧乏性の私にはとても出来ません。通常の雑巾・湯・住宅用洗剤で十分きれいになります。使った雑巾は、もちろんきれいに洗って次の週も使いますよ。

掃除に大切なのは、きれいな状態を当たり前にしてしまうこと、掃除という作業をルーティーン化して、何も考えずとも手が動くように習慣化してしまうこと、そして、掃除道具を極力少なくすることだと思います。汚い道具で掃除しても仕方ないですから、道具は常にきれいにしておく必要があります。道具が多いとその手間もバカにならないので、少数精鋭が便利かと。ちなみに私が台所を含めた家中の掃除で使うのは、箒・チリトリ・雑巾一枚・硬いスポンジ一枚・住宅用洗剤一本のみです。 04/11/22(Mon)

布巾の洗濯(週一)

うちでは固く絞ってあちこちを拭いたり、お湯で流して食器を洗ったりするための台布巾と、食器を拭くための布巾の二種類を用意しています。とはいえ実は同じもので、台布巾は食器布巾の古くなったやつを、二つに折って縫い合わせたものです。食器布巾は晒しを60cmの長さに切ったものを使ってます。以前は市販の布巾を使ってたんですが、織りの打ち込みが甘く、すぐにほつれてしまう。おまけに結構高いんで、やめました。晒しだと1反約11mが700円程度で買え、60cmだと18枚はとれる計算になりますから、1枚約40円と格安。おまけに打ち込みもしっかりしてますから、ほつれることもありません。もちろん、端を縫ってほつれ止めしとかないとダメですどね。

台布巾1枚と食器布巾2枚がうちの1セット。食器布巾は両手に持って拭くと効率がいいので、ペアです。これを週に2セット使いますんで、一週間に洗濯すべき布巾は6枚です。日曜日に洗濯機を回すので、土曜日の夜に洗濯板でガシガシ洗って漂白剤と一緒に漬け置きします。以前はただの漬け置きだったんですが、洗剤を使わないうちの台所では、布巾がかなり油を吸ってしまうので、それではなかなか汚れが落ち切らなかったのです。どうしようかと考えている時に東急ハンズで見つけたのが、昔ながらの洗濯板600円。これだっ、と思って買って使ったところ、非常にイイです。汚れ落ちの精度が格段に上がりました。昔のものを古いからという理由だけでバカにしてはいけませんね。太陽の光で白くなっていく木製の洗濯板自体も、なかなかいい風合いです。

ちなみに、掃除に使った雑巾も、この洗濯板で徹底的に洗います。目安は、それで顔を拭けといわれれば拭いてもいい程度まで洗う、です。いや、拭きませんけどね。家中の掃除に使う雑巾は一枚のみ。居住空間→台所→風呂・トイレと汚れが少ない順に掃除します。一枚しかないので、時間をかけてきれいに洗えるのですよ。ある意味合理的、かな。そうそう、雑巾はいわゆる“雑巾状”に縫わない方がいいと思います。タオル状態で使う方が洗いやすいし乾きも早い。それに、隅々まで使えますから。 04/11/21(Sun)

掃除(週一)

日曜日の午前中は、原則的に約2時間かけて家中の掃除をします。台所にかける時間はその半分の約1時間。台所って、水・火・油を使うので、居住空間や風呂・トイレに比べても汚れ方の桁が一つ違うんです。ですので、必然的に掃除にも時間がかかります。

まずコンロ。毎日布巾で拭いてはいますが、残った汚れがガスの火で焼きついて頑固な汚れになってしまったり、細かい溝の汚れがとりきれずに残ってしまったりしています。そこで、硬いスポンジと液体クレンザーを使い、汚れを落とします。毎週やっていると、全体が汚れているということはなくて、このシミが汚れになりかけている、というのが特定できますので、そこを重点的に攻めると、効率的にきれいになります。

次に、コンロ・シンク全体に対して住宅用洗剤をスプレーして、油汚れをきれいにしていきます。毎日の拭き掃除でほとんどとれてはいるんですが、洗剤を使わない拭き掃除だとどうしても薄く油膜が出来てきます。その薄い油膜を週に一回洗剤で根絶するわけです。この時、シンクのステンレスに何らかの理由で錆びが浮いていれば、クレンザーを使って取り除きます。早めに処理すれば、跡形もなくきれいになります。生ゴミを受けるバスケットも取り出して住宅用洗剤とスポンジで掃除。特に夏場はあっという間にヌメリが出ますんで、サボらずに掃除します。

ちなみに、うちでは家中の掃除を住宅用洗剤一本でまかないます。台所用・風呂用・トイレ用等々色々種類がありますが、どうせ界面活性剤の含有量と香料がわずかに違うだけなんで、使い分ける必要も無いと考えてます。あれこれ揃えてしまうと、スペースもとりますしね。

最後に床掃除。台所に置いてあるものを全て居住空間に避難させたら、昔ながらの箒とチリトリで掃除します。所詮1DKのアパート、掃除機は必要ないと考え、持ってません。ホコリをとったら固く絞った雑巾で拭き掃除。調理の最中に飛んだハネが乾いて汚れになってたりするので、光を反射させて注意深く汚れの位置を特定しながら、拭きます。ただ漫然と拭いていてもダメ。きっちりやると、たかだか1DKの拭き掃除程度でも、かなりの運動量になります。冬でも上着を着ていられなくなるくらい。

と、ここまでが毎週のルーティーン。慣れてしまえば大したこと無いです。あとで書く月に約一回の掃除とあわせて約一時間の工程です。 04/11/20(Sat)

コンロとシンク(毎日)

器を片付け終わったら、次はガスコンロ。五徳とフキコボレを受ける皿を本体から外し、それぞれ固く絞った布巾で拭きます。ご飯がふきこぼれていたりして汚れが激しい時は、お湯を使って流しますが、炒め物の時も含め、大概は拭くだけで大丈夫。ガスコンロの天板も拭きます。それが終わったら、ガスコンロ全体をシンクの上にのせ、ガスコンロ下・ガスコンロ裏のシンクも拭きます。結構油や汚れがはねてるんですよ。ためてしまうと落とすのが大変ですが、毎日拭いていれば、付いたばかりの汚れなんて一瞬でとれます。洗剤も必要ありません。ちなみに、汚れがほとんど無い時でもこの工程を飛ばすことはありません。そういう習慣になってしまってるんです。汚れたときだけと考えていると、不精してやらなくなってしまいそうな気がしますんで。

うちの実家では、このフキコボレを受ける皿に既製品のアルミフォイルの皿を敷き、汚れたら交換しています。しかし、これをやるとどうしても不精をして交換周期が伸び、かえって不潔になるので私はやりません。見た目もイケテナイですし。毎日拭く癖をつけるのが一番だと思います。

次はシンクの作業台の上。のっている砂糖・塩壷と醤油瓶・ペッパーミルを一旦避難させ、よく拭きます。毎日のメンテナンスのために、常駐させるものは厳選しており、この四つのみ。最後にシンクの内側の汚れと水分を拭きとり、その日の生ゴミを新聞紙で包んでごみ箱に捨てれば終了。以前はビニール袋に入れてたんですが、あり余る古新聞を何とか利用しようと思ったのが変更のきっかけです。。週二回まめに出してれば、古新聞で包んだ生ゴミも全く臭いません。心配しましたけど、杞憂でした。

長々と書いてしまいましたが、時間的には洗い物に5分、そのあとのコンロとシンクの掃除に5分で計10分といったところです。慣れてしまっているので、何にも考えずに手がオートで動きますから、全然大した手間ではないです。恐るべし、習慣化。 04/11/19(Fri)

毎日の洗い物

まず、使い終わって流しに置いてある調理道具を洗います。調理と平行して出来るだけ片付けてはいますが、それでも料理の出来上がりのタイミングの関係で、洗い切れないものが残ることがあります。皿の類がまだテーブルの上にのっており、スペースの余裕があるうちに、これらの道具を洗ってしまいます。

これら洗い物に、洗剤は一切使いません。使うのはお湯と布巾のみ。今はやりの掛け流しです。水道代が、と思うかもしれませんが、これを毎日やっても水道代は一番最初の定額料金の量(8立米)を超えたことがありません。超えるどころか、全然届いてない状態(5〜5.5立米程度)。うちは和食が中心で使う油の量がとても少ないので、洗剤を使わなくても(私にとっては)十分にきれいになります。揚げ物はしませんし、炒め物に使ったフライパンは、フライパンの所で書いたようにもともと洗剤を使えない鉄製なので、こちらも問題ありません。

別に地球に優しくないからとか、そんな実感の沸かない理由で洗剤を使わないのではなく、使わなくても十分きれいになるからという、単に現実的な理由からこうしてます。でもまあ、洗剤代が浮くという動機は、否定しません。

調理道具が終わったら、次は器。よく外食で、食べ終わった器を重ねて片付けたつもりになってるおっさんがいますけど、あれはうちでは禁止です。汚れていない糸底まで汚してしまい、かえって手間が増えます。重ねないでひとつづつ流しに持ち込む、コレ重要。全て持ち込んだら、お湯が勿体ないので、一気に洗います。原則は汚れの少ないもの→多いものです。この時ももちろん洗剤はナシ。洗ったらきれいな布巾で一枚づつ拭いて棚の中の所定の位置へ。万が一油が残っていても、拭く時にとれてしまいます。それに、別に毒がついてるわけじゃないんで、気にしない・気にしない。

棚の中での器の位置ですが、完全に決めてしまった方がいいと思います。その方が、誤って落として割ってしまう不慮の事故が防げます。ちなみに、私は独り暮らしを始めて約十年、一枚も割ったことはありません。それは、完全に器の位置を決め、動作を定型化してしまっていることが大きいと思っています。どの器にも思い入れがあるから、という理由ももちろんありますけどね。

この皿洗いに約5分かかります。洗う皿は毎回10枚程度。一人暮らしで数が少ないので、楽勝です。彼女が来ると15枚くらい。それでも全然大した事ありません。皿洗い機?不要です。ちなみにうちでは皿洗いまで全部私がやります。後片付けまでが料理ですし、それにエエ、尻にしかれてますから。 04/11/18(Thu)

コンセプト

台所がきれいでないと料理が出来ない、なんてことはないと思います。掃除が苦手でも料理が得意な人なんて、いくらでもいるでしょうし。私の母親は掃除が得意で料理が苦手ですが…。そんなわけで、台所が汚くても、それなりに美味しい料理は作れると思います。私はかなり台所をきれいにしているらしく、むしろ厨房、と今付き合っている彼女は言ってます。でも、それは美味しい料理を作るためでは全然ないんです。料理の味と台所の清潔度はあまり関係ない、と思ってますから。

これは私だけかもしれませんが、自宅というのはかなりの長時間私がそこで過ごす場所でして、その自宅の状態は私の精神状態に大きな影響を及ぼします。台所を含めた自宅が散らかっていて汚い状態でも、そりゃあ生きていくことは出来ますけど、そういう場所にいるとどうしても心に緊張感がなくなって、しゃんとしていることが難しくなるんです。どうしても生活全般がダラダラとなってしまいがち。そういうことが嫌なので、自宅全般含めて台所をいつもきれいにしているというのが、一番大きいです。簡単に言ってしまえば、オレ・イケテル(死語)と思いたい=ナルシストという理由です。

反対に、毎日緊張感を持って暮らしていける空間であれば、それで十分であって、それ以上の掃除、掃除のための掃除はしません。実際やりだしたらキリがないです。私は毎食後の5分程度と週末の1時間程度を台所の掃除にあててます。結構な時間です。でも、本当に隅々までピカピカにしようと思ったら、今の小さな台所でも、この時間では全然無理です。水道の蛇口の隅まで光らせたり、サッシのレールをいつもきれいに保ったり、そんなところにはとてもじゃないけど手は回りません。でも、とりあえず見えるところ、意識がよく行くところがきれいであれば、私の気持ちはピシッとしていられるので、それで必要十分なんです。

だから私は厳密に言うときれい好きではないと思います。きれいは最終目的ではなく、あくまで最終は自分が常にピシッとしていることですから。その基準で掃除の程度も決定しています。それが私の掃除に対するコンセプトです。


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