牛筋

近所の業務用スーパーでは、100g78円。(私にしては)結構高いですが、たまに食べたくなって買うことがあります。ただ、1パック約2kgあるので、買うとしばらくは牛筋地獄。でも、この地獄は結構嬉しい。あっという間に2kgの肉が無くなるのをみると、やっぱり好きなのでしょう。

買ってきた牛筋は、何はともあれ繊維と直角に、1cm幅程度に切っていきます。その結果あまりに細長くなってしまった場合には、適宜そちらの方向もカットして整形。まあ、このあたりかなり適当。で、全部をごっそり大鍋に放り込み、ヒタヒタの水を入れて強火。沸騰したら、西洋料理で言うところの、水面が微笑む程度に火を落として、約1時間。最初の5分〜10分はガンガンアクをすくいますが、後は大体諦めて放置しています。理由は、単純にキリが無いから。ただ、結構良いダシがとれるので、あとでそれをデリケートに使いたい場合は、マメにすくった方が良いでしょう。でも、やっぱり私にはムリ、適当なところで投げてしまいます。香辛料を入れてもいいのですが、用途の幅が狭まるのを嫌って、滅多に入れません。

1時間ほど経って、狙った柔らかさになったら、笊にあけ、お湯でざっと洗います。水で洗うと、溶け出した脂肪が固まって嫌な感じになるので、私はお湯。気にならないなら、別に水でもいいと思います。茹で汁のほうは、笊と布巾のコンビネーションで漉しておき、ダシとしてエトセトラに利用します。笊にあけた牛筋本体は、とりあえず使う分を除いて一回分づつ小分けにして冷凍。うちでは一回分=500〜600グラム程度です。で、当面使う分を加工。

魚柄氏がとりあげていたように、醤油と味醂で甘辛く煮て玉葱を加えれば、牛筋丼。これは、素直に直球で美味しいです。でも、醤油と味醂に漬け込んだものを、そのまま網で焼いた牛筋焼きもイケルし、カレーに加工するのももちろんアリ。要するに、火の通った普通の肉としてあらゆる使い回しがききます。コレは便利。カレーにする時は、茹で汁をダシとして使うのは言うまでもありません。

せめてうちの近所で50円を切る牛筋が手に入ればと、切に思っていますが、コレがなかなか見つからない。色々な所で情報を収集していると、牛筋は全般的に関西の方が安いようです。そういえば、関西ではオデンにも牛筋を入れますが、私はあの牛筋が大好き。でも、関東風のオデンにはあまり入ってないのが、とても残念です。05/01/29(Sat)

牛肉に関しては、色々問題があって、どうもアメリカに押し切られそうですね。私は狂牛病にはかかりたくないですが、時に牛筋も食べたくなります。まあ、その辺で売っている牛筋を買って病気にかかる率は、道を歩いていて車にはねられるよりも少ないような気がするので、あまり気にしないことにします。とはいえ、毎日は食べませんけどね、高いから。

鶏モモ肉のことを書いていて、ふと思ったんですが、牛筋を柔らかくゆでたやつをタレに漬け込み、網で炙ったら絶対美味いですよね。やや強火で表面をほんの少し焦がす感じ、中はすっかり柔らかく煮込んでクニュクニュな感じ。私の脳内シュミレーションでは絶対美味いと出たので、今度やってみたいと思います。05/05/21(Sat)

鶏モモ肉

私、基本的に割高なので、正肉系は買いません。が、近所の店で時々鶏モモ肉2kgを780円で売っていることがあり、そのときは思わず買ってしまいます。でも、鶏胸肉2kgを580円で売っていても、買いません。このあたりは味との兼ね合いです。胸肉はなんだかパサパサして美味しく無いと思ってしまうのです。以前、某巨大掲示板で話題になった“鳥はむ”というのを試してみたんですが、やっぱり美味しくない。美味しくないものは安くても買わない、コレ真理です。

というわけで、鶏モモ肉。2kg780円ということは、100g39円と激安。おまけに、どう料理してもジューシーで美味い。ブラジル産ですが、そんなの関係ないです。業務用の商品の部類なので、全体がブロックの様に冷凍されています。買ってきたらいったん解凍し、使い切れる量に小分けして再冷凍するという手間はありますが、いいんです、とにかく安いから。無論、再冷凍することによって味は落ちているんでしょうが、今まで散々味わってきた限りでは、それもまあ問題ないレベル。うちでは通常600g〜700gづつ3つに小分けし、2つは冷凍・1つは冷蔵。冷蔵分にはその時々応じて下味を付けておくと、数日はもちます。塩・胡椒の時もあれば、味醂・醤油の時もあり、要は塩気を入れておけば保存が良くなるし、調理の時に味付けの手間も省けるということ。

でも、大体の店では鶏モモ肉というと、100g78円〜というのがよくある価格ではないでしょうか。国産の地鶏なんかだと、無論もっと上がります。これだと多分、いや絶対に、買いません。私にとっての肉・魚類購入の当落選は、100g=50円にあるようです、安っ!というか、ケチなだけですね。05/01/28(Fri)

というわけで、時期によっては毎日のように鶏モモ肉を食べる羽目になるので、色々試しました。その結果、やはり鶏は焼き鳥が一番いいですね。それも塩。一口大に切った肉に塩胡椒、ただし胡椒少な目。一晩置いたヤツを皮からパリッと焼いて食う。ちなみに、気持ち悪いといって皮を剥がして食う人がいますが、あれは分かってないですね。鶏肉はなんといっても皮がうまい。大体、北京ダックだって皮を食うのがメインでしょ。

しかし、私が使っているブラジル産2kg780円の鶏肉はやや臭みがある場合もあります。特に、解凍してからしばらく日にちが経ってしまった場合。この時には、柚子の絞り汁、胡麻油、醤油、鷹の爪などその時の気分に応じて即席のタレを作り、焼いた後つけながら食べると結構誤魔化せます。無論、新鮮なやつをストレートで食べるのには及びませんが、料理ってそういう誤魔化しのテクニックでもあると思います。新鮮なものが美味しいのは当たり前、そこそこのヤツをまあまあに食べるのも立派な料理ではないでしょうか。05/05/20(Fri)

砂肝

要は、鶏の胃袋です。全体が筋肉と筋で出来ていて、コリコリしてます。クセは全くといっていいほどなく、堅いのがネックではありますが、食べやすい。料理本を見ると、買ってきた砂肝は、白い筋の部分を取り除いて料理すると書いてますが、面倒くさいのでやりません。なにより、切り取った筋を廃棄するのが勿体ないですから。歯にトラブルの無い人でしたら、気合で噛み砕きましょう。柔らかい料理が即ち美味しい料理ではないと思ってます。

よく作るのは、やはり焼鳥。他の部位と違い、血が付いているということはまずありません。未処理のものは、包丁で切り開いてから塩をした方がいいと思いますが、元々そんなに大きな食材ではないので、これ以上小さく切ることもないと思います。塩をして一晩寝かせてから焼いたものを、ダイナミックに、食う。

それほど根性が無いときに作るのは、味噌煮。繊維に対して直角に薄くスライスし、軽く炒めた後、味噌と生姜で甘辛く煮込みます。無論、長時間煮込んでから味噌を入れれば、柔らかくなって食べやすくはなりますが、それでは砂肝のキモであるコリコリ感が全く生きてきませんので、さっと仕上げます。味醂を足して、少し甘めにするといいかも。これも、ほんの少しでご飯が何杯も食べられてしまうという、魔のおかずになります。05/01/27(Thu)

上でも書きましたが、砂肝にはいわゆる臓物臭は全くありません。特徴はコリコリした歯ごたえ。ですので、これから臓物系を攻めてみようかなってな向きには、もってこいだと思います。

ところで、上で書いて以来、色々な本を読んでみたのですが、どの本にも、白い筋の所はこそげとって下処理をしましょうと書いてある。確かに堅い。が、食べられないほどの堅さじゃないです。歯の弱い人には絶対無理ですが、スルメが食べられる人ならOKくらいのレベル。食べましょう。お金を貰って飲食店として砂肝を提供するなら別ですが、家庭で食べる時は別にとる必要は無いと思います。大体、この作業結構面倒くさい。面倒くさいと人間楽をしようとしてその食材を使わなくなるもんです。がんばって、噛み砕きましょう。顎を動かすと、脳が刺激されてボケ防止にもなるそうですよ。

大体、昨今の料理は軟弱過ぎ。何かというと、“柔らかくて美味しい〜”なんて言いますが、柔らかいことと美味しいことは論理的に結び付きません。堅くて美味しいものもあるはずです。それなのに、アホみたいに煮込んでトロトロにしてしまう。煮込んで柔らかくした方が美味しいものもありますが、そうでないものも一杯あるはずです。砂肝なんて、あのコリコリ感が命ですよ。05/05/19(Thu)

鶏レバー

店で売っている鶏レバーをよくみてみると、大体レバー(肝臓)とハツ(心臓)が一緒に入ってます。全然違う食感なのに、なぜ一緒に売るのかよく分かりませんが、安くて美味しいので、まあいいでしょう。レバ〜っとしているのがレバーで、三角錐状の明らかにレバーじゃないヤツがハツです。ハツには、レバーのような独特の臭みは全くなく、コリコリと筋肉質(なにせ、心臓ですから)。でも、砂肝ほど堅くはありません。

魚柄氏の受け売りなのですが、レバー類は煮込めば煮込むほど独特の臭みが出るので、それを補うために、生姜などの香辛料を使ったり、予め念入りに血抜きをしたりするそうです。これは、私の経験からも正しいと思います。なので、鶏レバーの調理法で最も頻度が高いのは、煮込まないボイルドレバー。レバーは、冷水でゆっくりと洗い、血が残っていたらそれを落として一口大にカット。ハツは二つに切り、中にたまった血を冷水で洗い流します。ちょっと辛めの塩水を沸騰させ、レバー・ハツを投入。30秒ほど待って火を止め、保温用のダンボールに突っ込んで待つこと15分で完成。鮮度がよければ、ふんわりとしたレバー独特の風味を味わえるうえに、煮込まないせいか臭みがとても少ないです。練り辛子を添えて。

もっと簡単なのは、焼鳥。一口大に切ったレバー・ハツに塩・胡椒して、一晩寝かせたものを、網でよく焼くだけ。自慢のタレがあればそれを使ってもいいですが、うちで作るのは、もっぱら塩焼き鶏。塩気が足りなければ、食べる時に適宜補います。面倒なので串は当然打ちません。そのまま網で焼きます。ビールによくあうんでしょうねえ、こういうの。相変わらず全く飲めないので相性はよく分かりませんが、ご飯のおかずとしても相性良いですよ。05/01/26(Wed)

実家の母親に言わせると、モツ類は全てゲテモノ。従って、実家でモツ類が食卓に上ることは全くありませんでした。例外的に、ごく稀に祖父が玉ひもを買ってきて、煮て食べてましたが、これはあくまで彼専用。他の家族は手を出しませんでしたので、私が実際にモツを食べるようになったのは、上京してからということになります。

鶏レバーを初めて食べたのは、大学入学後の飲み会で。居酒屋のようなところに行くと、必ず焼鳥の中に鶏レバーがありますが、それが私の初鶏レバーです。第一印象は最悪。鶏肉の美味しさの中心ともいえるジューシーな油の味は欠片もなく、ボソボソしていて、生臭い。何だコレ?ってな感じでした。

段々と自分で料理をするようになってきても、その時の強烈な体験から鶏レバーは長らく敬遠していたんですが、魚柄本の中で上に書いた煮込まない鶏レバーの記述があまりに美味しそうだったので、再トライ。確かに、美味い。そのおかげで鶏レバーの美味しさが少しづつ分かるようになり、焼鳥形式の鶏レバー焼きも家で作って食べるまでになりました。魚柄本のおかげといえましょう。あと残る大きな山は“椎茸”ですが、これは一生無理です、絶対。05/05/18(Wed)

鶏皮

鶏皮、ブツブツしたのが気持ち悪いという人も多いんですが、私は鶏の中で一番美味いのは鶏皮だと思ってます。買ってきたらとりあえず下茹で。豚の白モツなどの茹で汁は臭くてさすがの私でも飲めませんが、この茹で汁は美味しいので再利用します。それなので、たっぷりとまではいかない、ギリギリ茹でられるくらいの量の熱湯で下茹で。その方が、旨味が濃くとれますから。

下茹ですること数分、笊にあけ、茹で汁はそのままタッパーに入れて保存。鶏の風味豊かな味噌汁に仕立てたり、鶏飯を炊く時に使ったり、用途は様々。ただし、味をつけていないので、そんなに日持ちしません。早めに使い切ることを心がけます。本体の方は、給湯器のお湯でざっと洗って下処理完了。肉類の下処理としては、一番簡単な部類に入ります。

ここまでやれば、あとはどうとでもなりますが、私は一番好きなのは、何といっても焼き鳥。一口大に切り、味醂・醤油・砂糖などで作ったタレに漬け込んだものを、網でモウモウと煙らせながら焼く。面倒くさいので、串は打ちません。適宜箸でひっくり返しながら、焼けたところから白いご飯にのせて食べる。私はほんの少しワサビを付けるのが好きですが、その辺はまあ、個々のお好みで。ここから更に、塩で味を調えて鶏皮茶漬けというのが、いつものコース。キモチ厚めにスライスしてごく軽く炙った葱と海苔をお供に、ワサビ多目。この組み合わせで不味いわけがない。

その他には、ご飯に炊き込んでも美味しいし、千に切ったキュウリと一緒に酢の物、なんてのもオツですね。冬場なら、乱切りにした大根・昆布と一緒に醤油味で甘くこってり煮込んだものもいいし、とにかく応用範囲は広いです。一度に使いきれなければ、下茹で後、ビニール袋に入れて冷凍しておけばよろし。これだけ応用範囲が広くて、100g20円。おまけに人気薄で、値引きシールが貼られていることもしばしば。私が最も愛用している食材のひとつです。05/01/25(Tue)

会社の同僚にも、鶏皮が食べられないのが結構います。きいてみると、やはりブツブツが気持ち悪いんだとか。こういう輩は、鶏モモ肉の照り焼きすら皮を外して食べますからね。モッタイナイというか、罰当たりというか。あの世界的高級料理、北京ダックなんて、皮を食べる料理なんですよ(一度しか食べたこと無いけど)。それくらい、鳥といえば味わいの中心は皮なんですよ。皮・サイコー。

とはいえ、業務用スーパー売っている鶏皮2kgパックを一人暮らしをしている人が買うケースはそんなに多くないでしょうね。でも、一パック600円程度。下茹ですれば、いくらでも冷凍保存可能で、味も落ちないとなれば、買うしかないでしょう。これからの季節、鶏皮を網で炙ったヤツは、ビールに抜群に合うと思いますよ05/05/17(Tue)

鶏手羽

鶏手羽といっても、先の方から順番に、手羽先・手羽中・手羽元と三種類ありまして、手羽先はほとんど食べる所がありません。近所のスーパーでは鶏ガラとして100g15円程度で売られています。たまに、買う。一般的に、手羽といえば手羽中か手羽元。私がよく買うのは手羽元で、100g48円が安売りの時には39円。当然安売り時を狙います。

邱永漢氏がどこかで書いていたと思うのですが、中国ではササミよりも鶏手羽がずっと高価なのだそうです。ササミは子供の食べ物…と書いていたような気がします。私も、旨味・味の濃厚さからいえば、この順位は妥当だと思います。それなのに、筋を取ってあるササミの値段は、鶏手羽の3倍程度。絶対、鶏手羽のほうが美味しいのに…。まあ、一般的にあまり高級で無いと思われているからこそ、値段が抑えられているのであって、文句を言う筋合いではありません。

手羽といえばなんといっても、焼き手羽。塩胡椒でシンプルにでもいいし、味醂醤油でこってりにでもいい、とにかく何か適当に下味を付けます。隠し味にニンニクをすりこうもが、リンゴを入れようが、蜂蜜を使おうが、その辺はインスピレーションのおもむくままに。一晩漬け込んだ手羽を、魚焼きの網でじっくりと焼くと、コレ最高。換気扇を回し、網から落ちた脂を煙らせながら焼くと、肉も香ばしくなるうえに、焼いている間の期待感も高まって、かなりイイ。生は怖いので、火を確実に通すことだけは気をつけます。

もうひとつ、常備菜としてよく作るのが、壇流手羽の蒸し煮。片手鍋に手羽と、その手羽の高さの半分くらいの水を入れ、塩で味を決めます。その後、洋風ならローレル・胡椒、中華なら八角・醤油、和風なら生姜・醤油などその時の気分で味の方向性を決め、点火。沸騰したら弱火にして蓋をし、そのまま30分放置して完成。長時間、コンロがひとつつぶれますが、何にも手をかけないままに一品出来上がり、それがまた美味。手羽自体も美味しいのですが、そのうえに、楽しみがもうひとつ。これをタッパーに入れ、冷蔵庫で保存すると、骨から出たゼラチンによって、煮汁が煮凝りになります。これをご飯にのせて食べるのも、また素晴らしく美味しい。煮汁の最後の一滴まで食べ切れる、うちの超定番料理の一つです。05/01/24(Mon)

今日は鶏手羽が100g39円の日だったんですよ。でも、マグロのアラが約1kg入って300円というのもあったんです。どちらを買うか激しく悩んだ末、100g30円のアラ。鶏手羽って骨も入ってるし…、と考える私はそう、ドケチ。しかし帰ってきてからちょっと後悔。両方買って片方冷凍して置けばよかったんじゃないか…、そんな私はそう、優柔不断。ドケチで優柔不断、ロクなもんじゃありません。冷凍したら味が落ちるし、と自分に一生懸命言い聞かせてみる。05/05/16(Mon)

鶏ガラ

鶏ガラ、涙が出るくらい安いです。通常は1羽98円で買えますが、あまり売れないのか、割引シールが貼ってあることがよくあります。うちでは専ら、スープストック用。ヒタヒタの水で一時間ほど、こまめにアクをすくいながら弱火で煮込み、ダシをとって、キューブアイスにして保存してます。

ほとんどは、体調不良時の鳥雑炊用。体調悪っ!という時に、土鍋にご飯と水、それにキューブの鶏ガラスープを数個入れて火にかけ、塩で味を調えて胡麻油をちょっと垂らした具無し鳥雑炊、これがうちの風邪メニューです。しかし、案外忘れられがちなのは、スープをとったガラ本体の方。これがまた美味いんです。ガラとはいえ、結構肉片がこびりついてますから、これを竹串などを使って丁寧に取り外し、酒を加えた味噌に放り込んで適当に煮詰めた鶏味噌、これが抜群にご飯にあいます。特に首は、よく筋肉が発達しており、マニア垂涎の部位だそうです。ただ、頚椎が入り組んでいて、うまく肉を取り外すのはかなりの手間。よっぽどヒマな時じゃないと、出来ません。

私はほとんど風邪をひかない健康優良人間なので、ストックもあまり減りません。というわけで、鶏ガラスープをとるのは年に一回程度。それも、後で肉を外す手間を考えると、時間とやる気があり余っている時にしか手が出せません。スープをとった後のガラをそのまま捨てられれば、手間も省けていいのですが、この私がそんなことできるわけがないので、やっぱりいつもは出来ません。

ただ、上記の通りコストパフォーマンスは抜群だし、顆粒状の鶏ガラの素などよりもずっと美味しいと自分では思ってます。是非一度お試しあれ。05/01/23(Sun)

ガラってマジマジ見ると本当に鶏!って姿をしてるんですよ。むしられた鶏そのまんま。最近は魚の尾頭付きすら可哀そうとか気持ち悪いとか言って食べられない人が多いそうなので、こういうものを嬉々として買ってくる私は鬼畜扱いなんでしょうね。実家はよく魚を食べる家なので、子供の頃から父親や祖父が魚をおろす姿を間近で見ていましたから、全く抵抗は無いんです。父が子供の頃は家で鶏を飼い、それを潰したりもしていたようですが、私が生まれた頃には鶏自体を飼わなくなってしまっていました。惜しいことです。

そんなわけで、父や祖父は鶏の解体も当たり前のように出来てしまいます。うらやましいことです。自宅でいい環境で買った鶏肉は肉も美味いし、ガラからもいいダシがとれたことでしょう。一度食べてみたかった気がします。

思うに、そのままの形をしている食材を食べられないのは、小さい頃家でそういう食材を扱っていなかったことが大きな原因では無いでしょうか。最近はスーパーもサービスがよくなって、一言頼めば売り場の魚を三枚におろして皮まで剥いてくれます。でも、それくらい家でやってもいいんじゃないかなあ。とはいえ、鶏丸ごとを家でさばくのはキツイか…。何事も程度問題ですね。05/05/14(Sat)

豚タン

最近はすっかりメジャーになってしまった感があります、豚タン。ちなみに豚タン=豚の舌、よく知られてますね。焼肉屋に行くと、薄くスライスして焼くのが一般的ですが、うちで作るのは、魚柄流ボイルタン。

買ってきたタンは、とりあえず冷凍庫に放り込み、カチカチに凍らせます。そのあと、冬場だと室内に、夏場なら冷蔵庫内に移して半解凍。まだシャリシャリ状態のときに薄くスライスします。生の状態だと、グニグニしてとてもじゃないがスライスできません。スライスしたタンを沸騰した熱湯に数枚づつ放り込み、待つこと15秒。引き上げたら、醤油・味醂ベースででっち上げたタレに突っ込みます。このタレも、毎回色々違うんですが、リンゴがあればすりおろして入れればいいし、干し葡萄やクコの実を入れてもいいし、昆布を切って入れることもあり、まあ、その場の思いつき。冷えて味がしみこんだら、食べられます。適度な歯ごたえと、タレがマッチして、ご飯にとてもよくあいます。うちでは、タンと言えばコレ。

しかし一般的には、タンと言えばタンシチューでしょう。本来は牛タンで作るんでしょうが、豚タンでも十分美味しいです。でも、時間がかかるんですよね〜。うちには圧力鍋がないので、3〜4時間煮込まなきゃいけません。たまにイベント的に作るんならいいですが、日々の惣菜としてはちょっとムリ。やっぱり圧力鍋は要るのかなあ。

でも、タンって臓物系の中では一番高価で、100g98円。ハツの二倍もするので、よっぽど食べたい時じゃないと買いません。美味しいから人気も高いし、何より一頭からたった一本しか取れないから、そうなってしまうんでしょうね。私からは、二本取れますよ、なんて自慢になってませんが。05/01/22(Sat)

実家の母は食に関しては超保守的。彼女はラーメン嫌いなのですが、その理由のひとつが、豚の骨や鶏の骨でダシをとっているかと思うと食べる気にならない、というもの。偏見まみれな気がするんですが、まあ仕方ありません。先日そんな彼女が上京した折に、一緒に焼肉を食べに行きました。私が頼んだタンを遠巻きに見守る彼女。美味いから食ってみなよ、と勧めたところ、恐る恐る一枚食べて病みつきになってしまったようです。

まあ、これは牛タンですけど、要するに舌は筋肉の塊なので、変な臭みなどあるわけがないんですね。柔らかくトロトロになるまで煮込んだスープは最高のご馳走ですらあります。身近な人ですらこうなのだから、世の中にはまだまだ偏見の強い人もいるんでしょうね。ただ、そういう人のおかげでモツ系の値段が安く押さえられているというのも事実ですから、あまり文句は言いません、ハイ。05/05/13(Fri)

豚足・耳

一般のスーパーではまず見かけませんが、うちの近所には業務用スーパーがあり、そこでは常時手に入ります。どちらも100g50円程度。1kg〜2kg単位でしか売ってませんが、冷凍されてるんで、当座処理する分以外はそのまま冷凍しておきます。

滅多にありませんが、豚足に毛が残っていた場合は、予めニッパーで切り取っておきます。豚足は1時間、豚耳はコリコリ感を残すために30分、たっぷりの熱湯で下茹で。ところで、こういう下茹での時間って、私にとっては調理時間には全く入ってません。というのも、放っておいて他の作業が出来るから。よくやるのは、ご飯を食べながら下茹でというワザ。これだと台所にいるのでさりげなく監視できるし、時間もロスしないしで一石二鳥。

下茹での終わった豚耳は冷水でよく洗い、端からスライスして酢醤油で食べます。気分しだいで葱を刻んで入れてもいいし、ラー油を入れてもいいし。とにかく、お手軽。下茹でに30分しかかからないので、気が向けば冷凍庫から出して茹でれば、よろし。すぐ出来て、目先も変わるので重宝してます。

豚足は、下茹でが終わったものを裂いて酢醤油で食べるのがまずひとつ。ただ、これも美味しいのですが、豚耳同様味付けをしていないので、夏場だと冷蔵庫に入れてもそんなにもたないのが難点。一時間も下茹でしているんだから、もうちょっと長く楽しみたいという場合は、醤油・砂糖・八角などで甘辛く煮ます。豚の角煮の要領で甘辛く煮て、辛子を付けて食う。まかり間違って、卵なんかあった日には、それも一緒に入れるとミソジ家最高レベルのご馳走になります。ただ、豚足は食えない骨の率が高いので、歩留まりが悪いんですよねえ。その意味でも、うちでは豚足はかなりの贅沢食材です。05/01/21(Fri)

ほんの数年前までは明らかにゲテモノ食材の扱いだった豚足・豚耳が、ここ最近ではコラーゲンが豊富ということで、すっかり健康食品の扱いになっています。マスメディアとは恐ろしいものですね。それでも、自分で買って料理するような酔狂な人はそんなに増えなかったらしく、業務用スーパーでも価格は据え置き。ありがたいことです。

つい先日、豚足の甘辛煮を作りました。2kg買ってきて、1/3だけ調理。下茹でした豚足を醤油・味醂・砂糖でじっくりと甘辛く煮ていきます。段々気温も上がってきたので、保存の意味も込めて味付けはやや濃い目に。それにしても、甘辛の味付けって本当にご飯によくあいますね。タレだけでもご飯が二杯は食べられてしまいます。いや、食べませんけどね。05/05/12(Thu)

豚レバー

豚の肝臓です。臓物系の中では、レバーはクセの最も強い部類なので、ダメな人はトコトンダメだと思います。私は大好きですけど。行きつけの店では、500g程度のパックで売っており、100g58円が相場。

買ってきたその日は、端から100g程度切り取って、野菜と一緒に炒めるのが恒例になってます。食べやすい大きさに切って、醤油・味醂などで適当に下味を付けて片栗粉をまぶしたものを、最強火で野菜と一緒に炒めるだけ。炒めるだけといって、バカにするなかれ。中華料理屋に行くと、どの店にも必ずレバニラ炒めがあるということは、やっぱりこれは永久のスタンダードなんです。韮はそれ自体香りが強く、レバーとうまくマッチしますが、別に韮にこだわる必要はありません。キャベツでもピーマンでも人参でも、その辺にある野菜で作ってしまいます。個人的には、ニンニクとキャベツで炒めたやつが、好き。

残った分は、ボイルで数日間かけて食べることが多いです。食べやすい大きさに切り、しばらく塩水に漬けて血抜きをしたあと、ちょっと辛めにの沸騰した塩水に放り込み、そのまま三十秒。火を止めて、保温用の段ボール箱に鍋を入れ、そのままじっと待つこと15分。これだけで完成です。食べる時は、醤油と練り辛子が定番。一度にはもちろん食べられないので、残った分は茹で汁に沈めてタッパーに入れ、そのまま冷蔵すれば、4〜5日位は平気で大丈夫のはず。これが、白飯に合うんですよね。

思うに、臓物系で苦手な人が純粋に味でつまずくのはレバーだけじゃないかと思います。ハツ・タン・白モツ・耳etc、全て形はちょっとグロテスクですが、そんなにウッっとくるような味・香りではないのでは?しかし、そのレバーの風味が、癖になるとたまらなくなるんですね。よく、料理本で“レバーの臭みを抜いて”というフレーズがありますが、その臭みこそがレバーの命。臭みといわずに香りと呼んで、そこまで楽しんでこそのレバーだと思ってます。05/01/20(Thu)

レバーといえば、レバーパテも有名。茹でるor蒸したレバーを裏ごしし、塩胡椒・マスタードなどを混ぜてよく練ったもので、フランスパンのお供に最適。今はほとんどパンを食べなくなってしまいましたが、学生の頃はよく食べてました。当時は今ほど自炊レベルが高くなかったので、レバーパテは市販品。今だったら絶対自分で作ってますね。数分の一の価格で出来てしまうんで。材料費は200gで150円程度…。

ちなみに、当時は厚切りにしたフランスパンを、オリーブオイルをひいたフライパンで両面コンガリ焼き、そこにレバーパテをコッテリ塗って昼ご飯などしておりました。当時はトースターも持ってたんですが、フライパンで焼いた方が美味しいような気がします。05/05/11(Wed)

豚ハツ

ハツはheart(heartsかも)が訛ったもので、要するに心臓。通常は二つに切り開き、中の血を洗った状態で店頭に並んでます。これもうちでは割と多用。買って来たらまず、中をじっくりと観察し、血が残っていたらそれをきれいに取り除きます。心臓というだけあって、右心房とか左心房とか、かなり複雑な形をしてますので、店できれいに洗っていても、血が残っている事が割とあるのです。

きれいに洗ったら、白モツ同様コトコト1時間の下茹で。茹で上がったものは、スライスしてしまう場合と、そのままホールで使う場合があります。スライスするのは、網焼きを想定した場合。よく切れる包丁で、3mm厚程度にスライスし、味醂醤油の液に漬け込みます。人参・玉葱などの香味野菜があれば、少し刻んで入れると、もちろん味がグレードアップ。白モツと同様に、もう火が通ってますので、焼くときは軽く表面に色が付くくらいでOK。すぐに出来ます。

ホールで使うのは、豚角煮の様にする場合。葱・生姜で風味付けし、醤油・味醂などで味付けした煮汁に入れ、30分ほど静かに煮ます。煮あがったらタッパーに入れて冷蔵庫へ。食べたい分だけ端からスライスして食します。ほんの少し練り辛子添えたりすると、最高に美味。

豚ハツも、形のグロテスクさ、“心臓”というインパクトから避けられることが多い食材ですが、美味いうえに、私が買う店では100g48円と格安。外せない食材となってます。心臓というだけあって基本的には筋肉の塊なので、多少臭みの強い赤身という感じ。でも、私が一番好きなのは、血管部分。たぶん大動脈か大静脈か、そんなところだと思うんですが、大きな血管がそのまま付いていることがあって、ここがハツの中でも一等美味。コリコリとしたなんとも不思議な歯ごたえで、病み付きになります。下茹での前に切り捨てるように指示されているのを見たことがありますが、そんな勿体ないことをしてはいけません。ここが一番美味しいのですから。05/01/19(Wed)

壇一雄の壇流クッキングという本の中に、タンハツ鍋というのがあります。下茹でしたタン・ハツ・白モツを食べやすい大きさに切り、すき焼き鍋に醤油ベースのスープを張って、山のようなワケギ・キャベツのザク切りと一緒にワシワシ食べるというもの。今年の冬こそは、これをやるぞと思いながら、つい機会を逃してしまいました。美味そう。来年こそはとリベンジを誓う。

壇一雄は、一般にハツのような臓物系素材を、正肉に比べてずっと低いものと見る風潮を嘆いています。どうしてロースが上等でハツは下等な食べ物なんだ、元々は同じ一頭の豚だろうと。確かにその通り。もしハツよりもロースの方が美味しいというのならその序列には根拠がありますが、肉は部位によって味わいの差こそあれ、そこに上下は無いと感じます。でもまあ、そんな高邁なことを言わずとも、特に合理的な理由無く臓物系の肉が安いのは、私にとっては嬉しい限りなのですが。05/05/10(Tue)

白モツ

豚系の中では、一番購入頻度が高いのが、この白モツ(小腸)です。パッと見た感じは、切り裂かれたブツブツ付きの白いホース。慣れないとかなりグロテスクに感じるかもしれません。現に、職場の同僚に聞くと、形が気持ち悪いので買ったことが無いと言ってました。でも、きちんと料理するととても美味しいし、何より私の行く店では100g58円と超格安。利用しないテはありません。私は1回に1kg程度購入します。

買ってきたら何はともあれ、大鍋に放り込み、たっぷりの水を加えて火にかけます。沸騰したら弱火でコトコト1時間。流派によっては最初に沸騰させたあと、水を替える方法もありますが、臭みとりという点では、そこまでする必要は無いと思います。面倒くさいですしね。ただ、結果が全然違いますので、最初5分くらいのアクはとります。以後もコンスタントにアクっぽいものは出ますが、付きっ切りだと時間と手間が勿体ないので、放置。白モツは浮いてくるので、きちんと火を通すために落し蓋を使ったほうがいいです。

茹で上がったら、茹で汁を切ってからお湯でザブザブと洗い、食べやすい長さ(うちでは大体人差し指くらいの長さ)に切ってタッパーへ。そのままだと傷みやすいので、ここで下味を付けます。和風だったら、塩・醤油・味醂等。洋風だったら、塩・胡椒・ローレルなど、適当にそのときの気分で。夏場や、そんなにガンガン食べないという場合は、適宜冷凍庫も利用します。

ここから先は、その日の気分で色々な料理に利用。一番多いのは、魚焼き網で軽く炙って食べるモツ焼き。当然火は完全に通ってますので、表面が軽く焦げるくらいでOK。疲れて帰って来ても、すぐに出来ます。細かく刻めば、少し前に流行ったモツ鍋にもなるし、そこまでせずともただの味噌汁にしても美味しい。キュウリや玉葱などと一緒に酢味噌和えにするのもアリだし、とにかく応用範囲は広いです。

というのも、白モツって一般的に思われているよりもずっとクセが無いのです。1時間の下茹でで余計な脂はすっかり抜けており、歯ごたえは敢えて言えばコンニャクみたい。強い自己主張がない故に、どんな料理にも広く応用できます。値段も安いし応用範囲も広い、愛用の食材です。05/01/18(Tue)

最近、近所のスーパーの惣菜売り場で、モツ焼きを見かけるようになりました。小さく切って串に刺し、タレをつけて焼いたその姿はほとんど焼鳥。それが3本120円。モツも少しづつ認知されるようになったのか、はたまたその姿だからこそ売れるのか。しかしまあ、いい商売ですね。材料原価は10円以下と見た。ただまあ、手間はかかりますが。

先日韮がとても安い日があって、伝統的なスタイルのモツ煮を作ってみました。した茹でしてストックしておいたモツは小さく刻み、ザク切りにしたたっぷりの韮と気持ち濃い目の味噌味に仕立てます。実はモツには醤油で下味をつけていたんですが、気にしない。隠し味です・隠し味。コンニャクが入ると一層本格的なのですが、不幸にも特売に当たらなかったので、パス。鷹の爪を少し入れてほんの少しピリッとさせ、この際だから砂糖も入れてしまいます。

うーん、やっぱり美味い。そして、お酒に合いそう。が、私は残った汁までご飯にかけていただきました。韮とモツの香りがお互いに引き立てあっている感じ。また作りたいんですが、韮って案外足が早いですからねえ。いつになることやら。05/05/09(Mon)


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