野菜


ズッキーニ

ここ最近よく食べるようになったのが、このズッキーニです。以前から、ラタトゥイユなどに入っているのを食べたことはあったのですが、自分で買うようになったのは、ここ最近のことです。気が付いてみると、案外安い、そして実に美味い。大ぶりのやつが一本70円程度、小さめのやつが二本セットで100円といったところ。葉物と違って、熱を通してもカサが減らないのが、嬉しい(ケチ)。

食べ方は別段変わったところもなく、皮付きのままザク切りにした後、とりあえず油でちょっと強過ぎ?と思うくらいまで炒めるのがポイント。そこから先は、和風or洋風マリネにするなり、定番のラタトゥイユにするなり、どうとでも応用が利きます。茄子と同じく、油との相性がとてもいいので、胡麻油やオリーブ油とあわせると、無難に美味しくなります。ちなみに、必ず付いているヘタと思われるちょっとガサガサとした付け根の部分。最初は捨ててましたが、炒めると普通に食えます。外食として出すのなら、捨てなきゃいけませんが、家で食べる分には全部食べてしまっていいんじゃないでしょうか。ゴミも減りますし、経済的ですから。05/08/04(Thu)

山芋

タイトルに山芋と書いたとはいえ、山芋なんてもう10年以上食べてません。山芋は高嶺の花もいいところ。最近食べるのは、長芋かせいぜい銀杏芋。これらの芋だと、折れたり割れたりしたものが格安で手に入ることがあります。長芋一本相当(折れてるんで)40〜50円といったところでしょうか。

基本は生食。すりおろして醤油をかけて混ぜたものをご飯の上から垂らし、かき混ぜて食べる。コレ、最強。あぁ、これが山芋だったらなあ、なんて思わなくもないですが。実家の母親は、短冊に切った長芋に醤油をかけてよく出してましたが、これもシャクシャクとした歯ごたえがなかなかイケル。いずれにせよ、折れていたって味には何の影響もないものばかり。なぜ折れることで値段がつかなくなるのかはイマイチ理解に苦しみますが、安くなるので私にとってはありがたい限り。

ところで、割とよく知られた料理の豆知識として、お好み焼きの生地に山芋(実際は長芋や銀杏芋だと思うけど)をすりおろしたものを入れると、フワフワ・サクサクで美味しくなる、というのがあります。確かに、食感はそういう風になります。が、美味しくなるというのは好みのような気がします。実際私は山芋を入れないどっしり・しっかりした生地の方が好き。両方比べてみて、その日の気分で入れる・入れないを変えるのがいいんじゃないでしょうか。これを入れると、生地が本当に別物になりますんで、なかなか楽しい。

それでも、小さい頃父親が掘ってきてくれた自然薯、あれには全く敵いません。少年野球と大リーグくらい違います。自然薯、美味すぎ。05/03/28(Mon)

山芋(自然薯)で思い出すのは、祖母が作ってくれたすり流し汁。コレは美味かった。鰯だか鯵だかそういう安い魚を買ってきて、骨・皮を取り除いて身だけにし、包丁でざっと叩いてからすり鉢へ。すりおろした自然薯を少しづつ混ぜながら、よ〜くすり鉢ですって混ぜ合わせたものを、熱いだし汁に流して固め、吸い物にした一品。もうね、最高。上京してから何度か大和芋など市販の芋で試してみたんですけど、粘りが足りずに上手く固まらない。やっぱりあれは、自然薯でなくてはダメなようです。思い出の中で美化されているというのはあるでしょうが、あのすり流し汁は本当に美味かったです。05/08/03(Wed)

トウモロコシ

トウモロコシは、これまた小さな頃の記憶に直結した野菜です。実家ではもっぱら自宅消費用として畑に数畝程度作っており、私はこれが大好きでした。ただ、当時から几帳面な性格だったので、粒を一つ一つむしって綺麗に食べるか、豪快にかぶりついて大雑把に食べるか、その都度悩んでいたことを思い出します。綺麗に食べると、達成感がある反面、時間がかかる。豪快に食べると、短時間で大量に食べられる反面、歯に繊維が引っかかって嫌な感じ。今でも割と考えたりするのは、当時から全く進歩していない証でしょうか。

自宅で作ったトウモロコシはとりたてホヤホヤ、新鮮そのものだったので、ほんの少しの塩を入れた熱湯で茹でるだけのものが、一番甘くて美味しかった気がします。大人になって知恵がつき、コーンポタージュなんていう手の込んだものがこの世には存在するということを知りましたが、やはり、新鮮・茹でたてにはかなわないと思います。

残念なことに、東京で手に入るトウモロコシは、新鮮さでははるかに及びません。味の記憶というのは強烈なので、トウモロコシを食べると、頭のどこかで必ずあの甘さと比べてしまうのです。が、手に入らないものは手に入らない。こちらでは、その足りない分を炙ることでカバーすることが多いです。最初から焼くと火を通すのが大変なので、いったん茹でておき、それを魚焼き網を使って強火で少々焦げるくらいまで炙る。そして、熱々のところをかぶりつく。焼いた場合はチマチマと粒をとっていくのは似合わないように思えます。そして食後は歯磨き。トウモロコシを食べると、これが面倒なんですよね。何とかならんもんでしょうか。それも楽しみのひとつ、と言えるほど私はまだ老成しておりません。

そうそう、トウモロコシで忘れてならないのは、ベビーコーン。メインで育てたトウモロコシの脇から生えてきた、ごく小さなトウモロコシで、親指ほどの大きさの時に収穫し、茹でて丸ごと芯まで食べるんですが、これも美味かった。当時はマヨネーズをたっぷりつけて食べてましたが、今は醤油をちょこっとつけて。やっぱり、歳ですねえ。05/03/27(Sun)

トウモロコシの頭から糸のように出ている糸のような物体、確かオシベだったと思うのですが、アレを見るたびに“インディアン(今はネイティブ・アメリカンと呼びますね)はアレをトイレの紙として使っていたんだ”という豆知識が頭に浮かびます。小さいころ何かの本出読み、強烈に印象に残ったんですね。あんなので拭いて大丈夫かと。確かに柔らかさは申し分ないでしょうが…。

トウモロコシを見ると思い出す、小さいころの思いでその二。実は、食べられる粒々の部分を全部食べた後に残る穂軸を吸うのが好きでした。トウモロコシは塩茹でにしてあるので、その塩分が、穂軸の中にも沁み込んでいるわけです。それを吸うと、塩分と穂軸の中のトウモロコシエキスがあわさって何とも言えず美味かった…のです。いや、今はもうしませんけどね。でも、トウモロコシを店先で見るたびに、思い出します。05/08/02(Tue)

オクラ

最近知ったんですが、オクラって英語名のokraをそのまま日本語に移したものなんですね。オレンジやレモンなんかと同じノリなわけです。なんとなく日本語語源のものかと思っていたので、ちょっと意外。

オクラは実家の父の大好物。とりあえずオクラを食卓に出しておけば、それだけで機嫌がいいという、簡単な人です。料理方法も簡単で、熱湯にほんの一瞬通したオクラを、小口切りにし、酢・醤油を加えよく混ぜて粘りを出したところに、鰹節をドサッとかけるという、それだけ。単純ですけど、結構美味い。そのままご飯にかけても、かなり美味い。

実家ではほぼ父の趣味100%でオクラを自作してましたけど、こちらではそうもいきません。が、オクラも結構見切り品で出てます。多分そんなにバンバン売れる野菜じゃないんでしょうね、鮮度が落ちてくると、エッジや切り口のところが少し黒ずんできて、見切り品になります。ネットに10本程度はいったものが2ネットまとめて50円くらい。そうなると、買い。

料理方法は、実家のものと全く同じ。オクラの鮮度はかないませんが、醤油・酢のクオリティに加え、鰹節はその場で削ったものですので、総合力では勝ってしまいます。やはり、調味料は重要。実は最近○ッコーマンの最上クラスの醤油を貰ったのですが、煮物にほんの少し使うくらいにしか用途がありません。それでも、値段は同社標準クラスの約3倍…。和食系をメインにするのなら、醤油・味噌・味醂・酢・日本酒、このあたりはきちんとしたものを準備した方がいいと思います。05/03/26(Sat)

十年一日の如く、全く同じ食べ方しかしないオクラ。考えてみると、うちのレシピは非常に数が少ないです。色々使えまわせそうなキャベツでさえも、10くらいしか無いと思います。ネットのしかるべきサイトで検索すれば、それこそ星の数ほどレシピは出てくるのでしょうが、家庭料理のレシピなんてそれくらいでいいんじゃないかとも思います。

他に家族がいる場合は、同じ料理を出すとブーイングが起きるので、そのプレッシャーから色々なレシピを試さざるをえないという事情もあるでしょうが、幸い私は一人暮らし。飽きのこない定番料理を数種類組み合わせ、そこにご飯と味噌汁という、どーって事の無い食卓が一年中繰り返されます。水戸黄門だって、ストーリーと結末が毎回一緒なのに、結構視聴率は高いじゃないですか。マンネリ最高。そして、オクラはやはり小口に刻んで酢と醤油。05/07/30(Sat)

枝豆

枝豆って言うと、ビールのつまみというイメージがありますが、下戸の私でも普通にご飯のおかずとしていただいてます。料理本を見ると、茹でることが多いみたいですが、うちでは魚柄式に蒸します。こちらの方がエキスの流出が少なくて美味しいみたい。なるべく枝付のものを買ってきたら、枝からキッチンバサミで切り離し、塩をワシワシ揉みこんで小一時間放置。それを10分程度蒸すだけで、完成。小鉢に盛って、おかずの一品にしていますが、変ですかね?一回で食べ切るのは勿体ないので、タッパーに入れて3〜4回に分けて食べます。夏場の気温が高い時期なので、これ以上は危険。

少しやる気があると、枝豆ご飯にします。とはいえ、上で蒸した枝豆を莢から取り出し、ご飯を炊くときに入れるだけなんですけどね。塩少々と気分によってはほんの少し昆布を入れることもあります。塩は入れた方がいいような気がしますが、まあ、好みで。

枝豆のレシピを調べると、他にも色々あるんですよ。かき揚げに入れるとか、潰してどーのこーのするとか。そりゃまあ、食材の一種ですから、どうにでもなるんですが、あまりにこねくり回すのはどうかと。第一、面倒くさいし。うちでやるのは、せいぜい枝豆ご飯までです。

ところで、枝豆ってまだ青い状態の大豆だって、コレ常識だと思ってたんですが、そうでもないんですね。身の回りで知らない人がいて、ビックリしました(50歳前の女性です)。加えて、キナコは大豆から作るということも知りませんでした。まあ、知らなくても不自由はないでしょうが、知ってるだろ普通、ってな感じでこっちがビックリです。05/03/25(Fri)

枝豆は莢が食えないので、廃棄率が非常に高いです。人参もジャガイモも大根も皮まで食いますが、さすがに枝豆の皮は硬過ぎて食えません。仕方が無いので捨てるのですが、結構かさばるんです。いつもはメチャ少ないゴミの量が、枝豆を料理した次の日には激増。なんだかとっても悔しいのです。土があれば、堆肥にして有効利用も出来るのでしょうが、うちはそれも出来ません。風通しのいい二階に住むか、土のある一階に住むかで迷い、二階を選んだことに後悔はありませんが、やっぱり土があって葱とか植えてあるのもよかったですね。

というわけで枝豆。先日も貰った枝豆に塩を降って蒸し、風呂あがりに扇風機の風を浴びながら、ランニングシャツ一枚で食ってました。あぁ、夏。しかし、手にはビールではなく冷たいお茶。しかし、何と言われようがこれが私の夏。05/07/29(Fri)

インゲン豆

インゲン豆といえば、何はともあれ煮物です。実家でよく食べたのは、インゲンと厚揚げを醤油と味醂で少し甘く煮たもの。あまり煮過ぎて歯ごたえがなくなると台無しなので、あくまで煮方はあっさりと。

それがいわゆる味覚の原風景となって、一人暮らしをするようになってからも、インゲン豆を煮る事がよくあります。ただ、比較的高いうえに、見切り品もほとんど出ない。笊一盛150円くらいなら喜んで買ってくるんですが、大体250円〜300円くらいかな。レシピを調べてみると、炒め物にしてもいけるみたいなんですが、うちではもっぱら煮物。外では炒め物も食べたことがあるんですが、やっぱり煮物ですねえ。

インゲン豆とは種類が違うのですが、小さい頃これと並んでよく食べたものに、ナガササゲというのがあります。太さは浅葱くらいで長さ30cmほどの極端に莢が細長いササゲの一種。割ると中に申し訳程度に小さな豆が入ってます。これは、若くて柔らかいうちに莢ごと食べるタイプの豆。調理方法は、インゲンと全く一緒です。とても美味しくて大好きだったんですが、こちらではほとんど見かけたことがありません。西の方でしか作られない種類の豆なのかもしれませんね。05/03/24(Thu)

おかしい、この項を昨日書いたのは覚えているし、朝、該当箇所にコピーしてアップロードしたはずなんだけど、どこにも形跡が無い…。一体どこに行ってしまったのか。ややショック。ファイルのタイムスタンプが新しくなっているから、何か書き換えたはずなんだけどなあ。あれは幻だったのか。台風のせいですね、きっと。

終わってしまったことをウダウダいっても仕方が無いので、気を取り直して。先日行きつけの喫茶店の賄いで、インゲンマメをさっと塩茹でにして、マヨネーズを添えたものをいただきました。インゲンマメは歯ごたえのある茹で加減と、絶妙の塩加減が命ですね。この日のはマヨネーズを添えるという事で、塩は少し控えめにしてありました。でも、私としてはマヨネーズ無しで塩強めの方がいいです。思うに、マヨネーズは味が強過ぎて何でもマヨネーズ味にしてしまいます。その辺り、逆にマヨラーを作り出している原因だとも思うのですが、私はあまり好きじゃありません。

この辺、完全にオッサン趣味なのですが、硬めに塩茹でしたインゲンマメに、生姜を溶いた醤油をちょこっとつけて食べるのが好き。これも生姜を強くし過ぎると台無しなのですが、インゲンマメのシャキシャキした歯応えには、生姜のツンとした香りが合うと思うですよ。いやまあ、マヨネーズも美味しいですけどね(弱い)。05/07/28(Thu)

ピーマン

ネットでピーマンのことを調べていて、“ピーマンのような頭の人”という表現があることを知りました。意味は、想像通り。でも、日本人を30年ちょっとやっていて、初めて聞きました。よく知られた比喩なんですかね。それにしても、ピーマンにちょっと失礼な気が…。

野菜は皮まで食べつくすのがモットーのうちですが、玉葱の皮・ナスのヘタと並んで食べないのがこのピーマンのヘタと種。一度試してみましたが、食えませんでした。(試すんかい、という突っ込みは、無しの方向で。)ただ、ヘタと種のとり方はやはりうちらしいかもしれません。以前料理番組を見ていて、ピーマンを横に置き、包丁を垂直に落として豪快にヘタおよびその周辺の可食部分を切り取る映像に出会い、衝撃を受けたことがあります。そんな勿体ないことは出来ません。うちではまず縦に割り、種を指で取り出したあと、ぺティナイフを使って、ヘタの部分だけ丸く切り抜きます。ホールで使いたい場合は、ぺティナイフを差し込んで、やはりヘタだけ丸く切り抜き、箸等で種をほじりだします。こうすると、捨てる部分が最小限ですみます。

業者で何百何千というピーマンを処理するのなら、テレビのような手順でもいいかもしれませんが、家で1回に処理するピーマンの数なんてたかが知れてます。食べられる部分は食べ切った方がいいのではないでしょうか。反対に業者こそ、歩留まりをよくするために何とか工夫をして、切り捨てる部分は最小限にし、利益を上げようとするかもしれません。

で、ピーマン。子供に嫌われる野菜の御三家として有名で、実はそんなに売れないのか、夏前のシーズンになると、見切り品でもないのに叩き売られている場面によく出会います。当然、買う。割と定番なのは、イリコ・干し肉などの動物性タンパク質一品と醤油・味醂で濃い目の味に炒りつけたもの。ご飯のお供によく、日保ちもします。スライスして玉葱などとマリネにしてもいいし、味噌汁の具としても案外優秀。

ここ数年どこでも見かけるようになった、赤や黄色のピーマン。肉厚で甘くて美味しいですね。でも、私が子供の頃は、ピーマンというのは緑色のうちに食べるものであって、赤や黄色に熟してしまったら、それはもう食えないという不文律があり、畑でそうなってしまったものは全部捨ててました。時代は変わるものです。食べれば普通に美味しいので、今考えるとなんと勿体ないことをしていたか、ってな感じ。頭に染み付いた固定観念というのは、恐ろしいものです。

ところで、ピーマンの見切り品、これは割と要注意品目です。ヘタが傷んでいるものは、外見が悪くなくても、中の種が全部腐ってそれが外壁に及び、食べられない場合がよくあります。また、中が空洞のピーマンは青虫にとっては格好のシェルター。包丁を入れるとコンニチハ〜なんて事も結構ありますので、その手のものが苦手な方は、注意が必要です。05/03/23(Wed)

本題とは全然関係ないことですが、このページのサイズが100KBを超えてしまいました。一応、1ページ100KB内にしようと思っていたのですが、あと少しだし、まあ良いかということで続行。最近はブロードバンドが普及してきているので、いいかなとも思います。(テキストだけで100KBなんて、よくもまあ書いたものです。)56KBのダイアルアップの方って、まだ多いんですかね。最近は細い回線の人に全く配慮しないサイトが急に増えた気がします。作っている側がダイアルアップを体験したことが無いケースが増えてきたんでしょうね。

さて、我が家では相変わらず野菜の素焼きブームが継続中ですが、ピーマンなんてモロに当てはまります。種とヘタを取ったピーマンを網で香ばしさがたまらない。実はこれに生醤油を少し垂らしただけで食べるのも、絶妙に美味いのですが、これだとその回食べ切りになってしまうので、オリーブオイルと酢でマリネにしてしまうことの方が多いです。この場合は、薄くスライスした生の玉葱を混ぜるのがポイント。この場合の玉葱は食感を担うので、繊維に沿って縦にスライスした方がベターだと思います。まぁ、好みもありますけどね。

素焼きにする場合は、肉厚のカラーピーマンを使うと、普通のやつよりもずっと美味しく出来上がりますが、普通のやつのほうがずっと安く売られている場合が多いので、うちではもっぱら普通のやつで作ります。この場合、火加減が更に重要。中途半端な火力で焼くと、焦げる前にカラカラになってしまい、問題外です。とにかく強火で、表面だけガッと焦がす。コレ重要です。05/07/26(Tue)

ソラマメ

全く飲めもしないくせに、ソラマメが大好きです。たまに親戚が送ってくれるのですが、自分で買って食べたりもします。ソラマメ、最高。調理方法は茹でるのが一般的ですが、私は蒸すのを推奨。旨味が流れ出にくいからでしょうか、こっちの方が美味しいと思います。

蒸したソラマメは爪で黒い部分を外し、そこにごく浅くぺティナイフを入れて、指でエイッと剥き、塩をほんの少しつけていただくのが、イイ。ぺティナイフは使わなくても結果はあまり変わらないのですが、運が悪いと指で開けるときに実が壊れてしまうことがあって、美しくない。やはり、ぺティナイフでガイドを入れたほうが良い気がします。

このソラマメを炊き込んだソラマメご飯。無論美味しさ折り紙付ではあるのですが、蒸した10分後には全てなくなってしまうので、そこまで行き着きません。ボーっと音楽などを聴きながらソラマメを剥いて食べる。こういうのも、案外悪くないなと思ったり。05/03/22(Tue)

蒸したソラマメは、そのまま放っておくと色が変わるので、素早く冷す必要があるんだけど、冷水に放り込むなんてもってのほか。せっかく旨味が逃げないようにと、茹でずに蒸した意味がなくなってしまいます。ここはひとつ、日本古来の方法“あおぐ”を採るべきでしょう。空気がよくとおるようにザルに入れ、バタバタとあおぐ…のは古いやり方で、うちでは扇風機の前にザルを置いてしまいます。団扇であおぐより、よっぽど早く温度を下げられます。

皮を剥いたソラマメは、塩をちょっとだけつけて食べる、コレ最高。裏漉しして冷たいスープにとか、手をかけようと思えば、ソラマメに限らずいくらでも出来るんだけど、やっぱり簡単なのがイイです。それに何より、面倒くさいし。05/07/25(Mon)

茗荷

子供の頃、茗荷が大嫌いだったんです。薄荷・ペパーミントも嫌いで、それと何となく通じるものがありますね。どちらも今では好きになったんですが、あまり子供が好きな香りではありません。サクマドロップも、白いペパーミントだけは食べられませんでした。好きな人は小さい頃白ばっかり食べていたそうですけど…。それはともかく茗荷。茗荷好きな子供がいたら、かなり可愛くない子供だと思います。あれを美味しいと感じるのは、一種の訓練が必要なんじゃないでしょうか。

というわけで茗荷。夏の訪れを何となく感じさせる季節の野菜でもあります。夏になると鱸のアラを良く見かけますんで、これを使ってお吸い物を作ったりします。そのときに、ほんの少し浮かべると、あぁ夏だなあってな風情となります。ただ、これだと一気に消費できないので、ザクザク刻んだ茗荷とスリコギで叩いて壊したキュウリで浅漬けなんか作ったりすると、夏の涼感抜群です。できれば、こういう料理はクーラーのきいた部屋ではなく、窓を開け放して扇風機をかけた部屋でいただきたいですね。

ちなみに私はクーラー嫌い。部屋には一応ついているんですが、入居以来約5年、一度もスイッチを入れたことが無いので、動くかどうか分かりません。職場だとクーラーを入れないと仕事の効率が落ちるんでいいんですが、家ではダラダラしていればいいので、入れません。外との気温差で体調を崩したりもしますしね。夏はダラダラに暑くて、その中で気休めの様に涼感を呼びそうな料理を食う。それが日本の夏。そんな夏のお供の一つが、この茗荷なわけです。

茗荷といえば強烈な思い出がひとつ。茗荷の美味しい季節のある日、行きつけの喫茶店に行くと、十人掛けほどの大きなテーブルの真ん中に、小さな品のいい片口が置いてあり、その中に花の咲いた茗荷がポンッっと投げ込まれていたのが、ひとつの絵として鮮明に記憶に残っています。茗荷なんて、私にとってはただの食材。そういう日常のありふれたものを、単に流していくのではなく、時にはいつもとは違う目で見て美しいと感じられる・テーブルに飾ってみようと思い立つ、そんな風になりたいなあと思ったのです。だいぶ前の話ですが、いまだ道は遠いです…。05/03/21(Mon)

昨夜ラジオを聴いていると、田舎体験旅行みたいな企画をしている農家の女性が、都会から来る子供たちは、茗荷が木になっているものと思っているので、実際になっているところを見せるととてもビックリするんです、と言っていました。確かに、茗荷のなり方はちょっと変わってますね。あれは、見たことのない人ではとても想像出来ないと思います。

実家に住んでいた頃は、この季節になると貰い物の素麺を茹で、錦糸玉子・茗荷・葱あたりをトッピングして食べるというのが毎日のように続きました。一人暮らしをするようになってからは、素麺を貰う機会がなくなってしまったので、すっかりご無沙汰。お盆に帰省したときは作りたいと思います。ところで、実家には山のように余っていた素麺、あれって買うと結構高いのですね。特にブランド素麺は。あの値段では、素麺を買うくらいならパスタを買ってしまいます。05/07/23(Sat)

蓮根

頻繁に見切り野菜となってしまう蓮根。当然うちの食卓の常連でもあります。見切り品とはいえ、そんなに悪くはないんですよ。ただ、ちょっと黒ずみが広がったとか、落として割れてしまったとか、そんなもの。黒ずみは、どうしても気になるのならナイフで削ぎとればいいし、割れてしまっても味には関係ないので、そのまま使います。べつに、その料理でお金を貰うわけじゃないんで、いいんです、安くて美味しければ。それにしても、見切り品になってしまうということは、この程度の傷みで誰も買わなくなるってことなんですね。要求精度、高いなあ。

蓮根といえば、まず思い浮かぶのは五目煮。でも、うちではほとんど作りません。こういう沢山の野菜を少しづつ使う料理というのは、それ一品作ることで多種類の、それもそれぞれ中途半端な量の野菜が出てきてしまい、あとがかえって面倒なんです。だから、うちの料理は基本的には一品の野菜で一品作るということが多い。蓮根で作るといえば、主にキンピラか酢の物です。

どちらも超簡単。キンピラは、薄くスライスした蓮根を油で炒め、鷹の爪・味醂・塩・醤油あたりで炒りつけるだけで完成。炒める油は、サラダ油よりも胡麻油の方が、コクが出て良い気がしますし、マグロのアラの切れっぱしや鶏の皮を冷凍したものなんかが折よくあれば、それを入れると更に美味しくなるような気がします。料理本を読むと、変色を防ぐために切った端から酢水に漬けましょう、なんて書いてありますが、そんなに真っ白に仕上げる気も無いので、やってません。ただ、空気に晒しているとさすがに変色が気になるので、真水に落としてます。そんなもんで、十分。

酢の物はもっと簡単で、スライスした蓮根をさっと熱湯に通し、酢・塩・細かく切った昆布・鷹の爪・ミカンの皮などでそれっぽくあえれば完成。熱湯につけ過ぎて歯ごたえがなくならないようにだけ注意すれば、誰にでも作れますし、酢を使っているので日保ちもします。シャキシャキとした歯ごたえと、酢のサッパリした感じで、食欲の無い時でも結構食べられるのがイイでです。ただ、食欲の無い日なんて、私にはほとんどないんですけどね。05/03/20(Sun)

先日外食をする機会がありまして、蓮根を5mm程度にスライスし、中に挽肉をサンドしてフライにするという、非常に手の込んだ料理を食べる機会がありました。確かに、美味い。美味いことは美味いんですが、一方で、蓮根である必然性はないなと思いました。食べる時には、ここに更に特製ソースが付きますので、まさに味の洪水。それに、このレシピだと肉の旨み・外側の衣の油が蓮根の風味を完全に押えてしまうので、蓮根がそれと知れるのは、歯触りぐらいになってしまっていました。

まあ、外食はそれなりの料金を取りますので、それの応じて手の込んだ料理にしなくてはいけないというのは分かります。でも、そんなレシピをそのまま家庭料理に持ってくる場合が、ちょっと多いんじゃないかと思うのですね。私なんか、家庭料理だったら、単なるキンピラか酢蓮根くらいで充分だと思ってしまいます。手の込んだ料理を食べたければ、外で食べればいいわけですし。蓮根のフライを齧りながら、実はそんなことを思っていました。05/07/22(Fri)

ウド

これまた春を感じさせる野菜(?)です、ウド。実家に住んでいた頃は、春先になると山間部に住む親の友人が天然のウドを送ってくれることがありまして、あれは美味しかったですね。当時はまだ子供だったので、定番の酢の物よりはむしろ、天麩羅の方を美味しく感じていました。それでも、ウドを美味しく感じるあたりシブイなあとは思いますけど。

東京のスーパーでよく売っているのは無論こんな天然物ではなく、栽培物。成長するに従って土を盛り上げていき、光を遮ることでアクの少ない柔らかなものを作っているようです。しかし多分、今の人はあまりウドを買って食べたりしないんじゃないでしょうか。そのおかげで、安いこと・安いこと。おまけに売れなくて半額になっている場所にもよく出くわしたりして、ありがたいことです。

とはいえ、家で作るのはもっぱら酢の物。適当な大きさに切ったものを茹で、酢味噌であえるだけ。気が向けば、陳皮や戻した昆布を入れてみたり。ブリのアラを上手く分解して、入れることもあります。そうすると、最高。酢味噌あえに使えなかった部分は、無論アラ煮にします。本当は天麩羅もしたいのですが、一人でやるとロスが大きすぎるので封印してます。実家に帰ると、ガンガン揚げて楽しかったりするんですが。そうそう、軽く塩をしておいてから味噌を塗って一晩置いたもの、ご飯のお供に最適です。05/03/19(Sat)

春先に近所のおばちゃんに、“採ってきたから”といってウドを貰ったのですが、これが本当に“ウドの大木”。育ち過ぎていてとても食べられない代物でした。一瞬嫌がらせかと思ったのですが、日頃の人間関係は良好なので、多分、野生のウドを自分で採って料理したことがなかったんでしょう。

市販されているウドは、殆どが栽培品なのですが、これらは土をかけたり暗い場所で栽培したりして、いわば“モヤシ”のような状態なので、かなり成長しても柔らかく食べられます。しかし、自然の状態でさんさんと降り注ぐ光の下で生長したウドは、あっという間に硬く成長してしまうので、本当に先の芽の部分しか食べられません(少なくとも私の田舎ではそう言われていました。)。おばちゃんに教えてあげようかと思ったんですが、誤解を受けそうで、面倒なのでそのまま。この辺が、オトナのいやらしいところですね。05/07/21(Thu)

筍もまた春を告げる野菜で、これがスーパーの店先に並ぶと春が来たなあと感じます。水煮は通年売られていますし、たまに安売り対象にもなるので買うことがありますが、やはり生の筍にはかないません。

筍のアク抜きには古来米糠が使われています。ただ、魚柄本によるとこれは迷信で、竹串が通るくらいの柔らかさに茹でたあと、茹で汁ごと一晩放置すれば十分アクは抜けるとのこと。去年、実際やってみたんですが、確かに抜けます。米糠を使うって一体何なんでしょうか?

それはともかく、下茹でしてアクを抜いた筍は、とにもかくにも煮物。東京近辺では醤油ベースの煮汁を使うことが多いのですが、私は生まれのせいもあって関西風のあっさりした煮汁が好き。あまり煮汁の香りが強すぎると、筍の芳香が死んでしまうと感じます。昆布と鰹節のだし汁であっさりと。醤油はほんの少しでいいと思います。炊き込みご飯の時も同様。あまりベタベタに醤油で黒くしないで、あくまであっさりと。どうせなので筍は少し大ぶりに切って、できれば先の柔らかいところをメインで入れたい。姫皮の部分は極上食材なので、間違っても捨ててはいけません。よくあるのは酢味噌和えですが、私は予めあえるのではなく、弛めに作った酢味噌と姫皮を並べておき、その場で少しづつつけながら食べるのが好きです。あえてしまうのは、何だか勿体ないような気がして。

筍といえば、壇一雄の壇流クッキングの中に筍の竹林焼きというのがあります。これは掘りたての筍の節を根元側からドライバー等で破壊してそこに醤油を流し込み、削った人参等で蓋をしてから焚き火の中に突っ込んで焼いて食うというもの。死ぬまでに是非一度やってみたい料理の一つです。あまりに美味そうで…。05/03/17(Thu)

子供の頃、筍は好きではありませんでした。ジューシーな肉などが好きな、ごく一般的な子供だったので、こんなのどこが美味いんだと思ってました。筍独特のあの香り、あの香りまでがなんだか変な臭いに感じられて、これも嫌いでした。が、いつごろからでしょう、人並みに筍が好きになったのは。今では自分でアク抜きまでして自分で煮て食べているなんて、あの頃の私が見たらどう思うことか。

筍も含めて、山菜系の食材は総じて子供にはウケが悪いと思います。ただ、だからといってそういうものを避け、子供が好きそうな食材ばかりを食卓に乗せていると、その子供は一生この様な物を好きになることは無いんじゃないでしょうか。それはちょっと可哀そうな気がします。子供の好き嫌いに関わらず、色んな食材に接する機会を作ってあげるのが親の責任なのではないか、そんな風に思います。05/07/20(Wed)

ミツバ

うちの周辺で手に入りやすいミツバは、大きく分けて糸ミツバと根ミツバの二種類。糸ミツバは料理の装飾用としての意味合いが強いので、量も少なくて割高なことから、私が買うのはもっぱら根ミツバ。これもまた、葉が傷みやすい野菜で、そういうものが叩き売られているところによく出くわすので、即購入。根ミツバを頻繁に見かけるようになると、春が来たんだなあって思います。スーパーの店頭から旬が無くなったとよく言いますが、それはウソ。通年で大体なんでも揃うために以前に比べて見えにくくなっただけで、よく見ればそこに確かに旬はあります。聞きかじりの知識で食べ物を語るのは、ステキじゃないと思います。

それはともかく、根ミツバ。私は大して料理のバリエーションを持ってません。ゆがいてお浸し・味噌汁に入れる・丼物くらいかな。丼物はよくある親子丼のような、あんな感じ。ただ、うちに鶏の正肉があることは滅多に無いので、麩・油揚げあたりを使って、玉葱と根ミツバを卵でとじることになります。下茹でした白モツで作っても、実は結構美味い。セリの香りとモツの食感が意外にあいます。でも、最近卵が高騰しているので、すっかりご無沙汰。またそのうち安くなったら作ろうと思います。05/03/17(Thu)

すっかり季節外れになってしまったので、ミツバも食べなくなってしまいました。無論スーパーに売ってはいるんですが、1束250円などと無茶な値段がついていますので、とても手が出ません。来年の春までのお楽しみです。考えてみると、はからずも私の食卓は非常に季節感溢れたものとなっているようです。その時に安くて大量に出回っているものを中心に、食事を組み立てる。ケチと紙一重の動機ですが、結果として風流なことになっているのは、皮肉なものだと思います。05/07/19(Tue)

ブロッコリー

この文章をでっち上げるために、さすがに何も見ないとまずかろうということで、小学館の食材図典を横において、参考にしながらやってるんですが、正直今までブロッコリーを侮ってました。(1)キャベツの仲間である。これは何となく分からんでもないです。茎や葉の感じが、何となくキャベツを髣髴とさせるものがあります。言われてみれば、納得。(2)別名メハナヤサイ(芽花椰菜)・ミドリハナヤサイ。正直初めて聞きました。なんですか、それ?って感じ。だいたい野菜じゃなくて椰菜って何?(3)品種名として緑嶺・梅緑・天雷・岡緑などがある。天雷って…強そう。

そんなブロッコリー豆知識はともかくとして、これもよくうちの食卓にのぼります。なにせ、ものすごく見切り品になりやすいのです。どうも衝撃に弱いらしく、ぶつけるとすぐにそこから傷み始めます。ただ、傷むとはいっても軽く変色するくらいで、奥まで進むことは少ないので、そこだけ切りとってしまえばOK。何の問題も無く美味しくいただけます。

ブロッコリーが雑誌にとりあげられると必ずネタになることに、“えーっ、茎まで食べられるんですか〜、今まで捨ててました〜。ブロッコリーの茎って栄養満点なんだそうですよ。”というのがありますが、あまりに毎回すぎて食傷気味です。うちでは当たり前ですが、全部食べます。ただ、切っていく時の感触で、茎の下の方があまりに固い場合は捨てます。滅多にないですが。

子供の頃は茹でたブロッコリーにマヨネーズをたっぷりつけて食べるのが大好きでしたが、食の嗜好の変化によって今ではマヨネーズを持ってませんので、塩・胡椒・酢・オリーブオイルで適当にでっち上げたドレッシングを振りかけて食べることが多いです。でもじつは、醤油と鰹節という純和風味付けも甲乙つけがたいんですよ。味噌汁に入れることもありますし、茎は野菜炒めに使うこともあります。まあその辺適当に。

ところで近年、ブロッコリーに押されてカリフラワーの栽培が激減しているそうですね。言われてみればここ数年は圧倒的にブロッコリーを食べることが多いような…。きっと、供給が多い分安くなることも多いのでしょう。ただ、私はカリフラワーも負けず劣らず好きなので、こちらもも頑張っていただきたい。ちなみに品種名としては銀嶺・抱月などがあるそうです。ブロッコリーと戦わせてみたい…。05/03/16(Wed)

最近うちでは、野菜の素焼きがブームですので、それにのってブロッコリーも焼いてみました。結論:甘くて美味い。通常よく食べられる、緑の花の様になった部分も無論美味いのですが、それ以上に茎が美味い。四つくらいに切って火を通りやすくした茎を、焼いて食うだけ。ただし、ブロッコリーの場合は、ほんの少し塩を振ったほうが、更に美味しくなると思われます。火加減はやや強めで、表面をほんの少し焦がすと、その香りもあいまって更にレベルアップ。

理屈を言えば、茹でてしまうと茹で汁に旨味成分が流れてしまいますが、焼くとそれが無い分美味いと、そういうことになるかと思います。。ただ、私はこのような理屈を、あまり好みませんので、どっちかと言うとどうでもイイです。今日は茹でて食いたいなと言う気分の日もあるし、今日は焼いとくか?ってな日もあります。栄養が流れるとか、そんなケチクサイ事を言わずに、今自分はどうやって食べたいのか?自分自身に訊いて料理方法を決めるといいんじゃないでしょうか。栄養分が流れ出るんだったら、その分たっぷり食べりゃいいですし、それでも気になるのなら、茹で汁で味噌汁を仕立てれば問題ないでしょう。あんまり考えると、メシガマズクナル気がします。05/07/18(Mon)

小松菜

小松菜って名前は知っていたんですが、西の方の実家周辺では実物をあまり見たことがありませんでした。調べてみるとやはり関東中心の野菜なのですね。ただ、現在では流通技術が更に発達したために、実家の最寄のスーパーでも買うことが出来ます、高いけど。

小松菜もまた、安く売られているのに出くわす確率の非常に高い野菜です。私の購入価格は一把80円〜98円。これ以上だとビタ一文高くても買いません。少ししおれた見切り品だと50円。小松菜は比較的傷みにくい葉物なので、多少しおれていても茹でるのなら問題ない場合がほとんどですので、買います。

小松菜と言えば、とりあえずお浸しでしょう。ざっと茹でて絞ってから醤油・塩で味付けをし、削りたての鰹節をあえるだけ。揚げと一緒にさっと煮たり、味噌汁の具にしてもなかなか美味しいですね。ただ、残念なのは根が食えないこと。パッと見がちょっと似ているホウレンソウはその根が一番美味しいところなのに対し、小松菜の根は固くてちょっと食えません。いつも泣く泣く捨ててます。たまに柔らかいのもありますが、原則としてはやはり固い。根を捨てなきゃいけないのさえなければ、ホウレンソウとタメを張れるのに、残念。05/03/15(Tue)

亀を買っている友人がいて、彼に言わせると小松菜は“亀の餌”であって、人間の食べ物ではないそうです。亀様がそれはそれは美味しそうに小松菜を頬張るそうで、それを見ていると自分で食べる気を無くすのだとか。イヤイヤ、人間様が食べたって、十分美味しいですよ。

さて、小松菜に関しては色々な料理を試したのですが、現段階で残っているのはたった二つ。鰹節だけのシンプルなお浸しか、味噌汁の具。バター炒め煮したり、卵でとじたりと、いろいろ試してみたのですが、やはりこの二つが最も小松菜の味を引き立てている気がします。やはり、シンプルイズベストですね。05/07/16(Sat)

ニンニク

ニンニクって漢字で書くと大蒜なんですが、何故これでニンニクと読むんでしょう?七夕と書いてタナバタと読むことの不思議にも通じていたりいなかったり。いや、全然関係無いですね。ところで、ニンニクは人によって好き・嫌いが激しい野菜?だと思います。嫌いな人はあの匂いが徹底的に嫌い。特にルーマニアのとある伯爵は大嫌いだったようですが、それはともかく、私は大好き。日持ちがするので、安売りの時にネット入りのやつを買いこんできて、流しの下のポリバケツに放り込んであります。

常備しているのは、ニンニク醤油。作り方はアホみたいに簡単で、広口瓶に醤油を注ぎ、その中に皮を剥いたニンニクを放り込んでおくだけ。数ヶ月経って、ニンニクが中まで真っ黒になったらOK。そのままバリバリ齧ってもいいんですが、もうちょっとエレガントに食べたい場合は、ニンニク醤油炒飯に使います。とはいえ、このニンニクを細かく刻んだものをチャーハンに入れるだけなんですが。この場合、醤油を追加するとちょっとしつこくなるので、うちでは味付けはこの醤油ニンニクと塩胡椒のみ。それでもかなりパンチのきいた味になります。ニンニクor醤油が減ってきたら、都度足していけば永久に持ちます、多分。

ニンニクはすりおろしてワサビのかわりに刺身に添えたりもするんですが、火を通すとその香りがグッとまろやかになって、食べやすくなります。韓国料理屋で、アルミフォイルに包んで火を通したニンニクが出てきたりしますが、あの要領です。ただ、うちではそのためにアルミフォイルを使うのはもったいないので、例えばジャガイモを蒸す場合に、その片隅をちょっと間借りして火を通すことが多いです。一度にそんなに沢山食べられるものでも、連日続けて食べたくなるようなものでもないので、これくらいがちょうど。ホクホクしてなかなかに美味なのですが、ニンニクの嫌いな人には分かってもらえないでしょうねえ。

ちなみに、イタリア料理でよく使うニンニクオイルですが、うちでは作ってません。以前は作ってたんですが、最盛期を過ぎるとオイルが段々白濁してきて味が落ちるんです。その前に使い切ってしまえば問題ないんでしょうが、和食中心の我が食卓ではそうもいかなくて。あれって、何か良い方法は無いんですかね。一度ニンニクを素揚げすれば大丈夫とか。でも、それだと出てくるニンニクエキスが減りそうだしなあ。まあ、あまり使わないからいいんですけどね。05/03/14

先日実家から山のようにニンニクを送ってきたことがありまして、約二週間ほど毎日毎日、ニンニク三昧。毎晩4欠片ほどを、カボチャや人参といった野菜と一緒に素焼きして、温野菜サラダの感覚で、バリバリ食べるわけです。一方、私の職場にはニンニクに拒否反応を示す人がおりまして、その二週間は毎日・毎日クレームをつけられたものです。曰く、ニンニクを食べるなら休みの日の前だけにしろと。しかし、そんなペースではいつまで経っても山のようなニンニクはなくなりません。とにかく毎日食べる、食べる。

でも、人間の慣れとは恐ろしいもので、それだけ食べていると自分ではニンニクの臭いがしているって分からなくなるんですね。その二週間はプンプンだったらしいのですが、自覚症状は殆どありませんでした。殆どの例外は、朝トイレで大をいたした時。大ってニンニク臭くなるんですね〜。自分の体で初めて実感しましたよ。05/07/15(Fri)

ラッキョウ

ラッキョウの甘酢漬け、大好きなんですよ。以前日記でもちょっと書いたんですが、学生時代によく行ったラーメン屋に食べ放題のラッキョウの甘酢漬けが置いてありまして、自分的には遠慮しているつもりなんですが、あと一粒・あと一粒と食べていき、結局一瓶空にしたなんてことも数多くありました。ゴメン、オヤジ。

というわけで、うちでは2年に一度ほどラッキョウを漬けています。ラッキョウの甘酢漬けを作るというと大層なことに聞こえるかもしれませんが、楽勝です。ラッキョウを買ってきて皮を剥き、5%の重量の塩でもんで一晩放置。これを一瞬ゆでてよく乾かしてから甘酢に漬ける。これだけ。はっきり言ってサルでもできるくらい簡単ですが、とにかく一番最初の皮をむくというのが面倒このうえないんです。ニンニクに薄〜い皮がついていて、剥くのに苦労した体験を持たれる方は多いと思います。ラッキョウの皮もあれと一緒。とにかく薄くて張りついて、剥くのが面倒くさいことこのうえなし。本当に、サルに剥いて欲しいくらいです。

ところが、世の中には私のような無精者のために、塩ラッキョウというのがありまして、これは中国などの人件費の安いところで、皮剥き→塩漬けまでをやったラッキョウです。これを使えば、甘酢漬けはいとも簡単に出来ます。出来るんですが、私の主義としてそういうのは使わないので、却下。ということで、この作業が面倒くさいがために、頻度が2年に1回になるわけです。そのシーズンに恋人の機嫌がいいと、おだてて手伝ってもらうのですが、世間話をしながらやると、単純作業もだいぶ楽になります。反面、一人で黙々とラッキョウの皮剥きは辛過ぎ。その時期のテンションがかなり高くないと、やる気になりません。

加えて、生粋のラッキョウ好きなので、それだけ苦労して漬けたラッキョウも、本当にあっという間になくなってしまって、ちょっと切ないのです。やっぱりラッキョウはサルに漬けてもらいたい、切にそう願っています。05/03/13(Sun)

今年は、シーズン真っ盛りのころにいろいろ忙しくて、結局ラッキョウを漬けることが出来ませんでした。痛恨です。来年こそは…。ところで、今年の春先に荒川の土手で採れたという、ノビルを食べる機会がありました。多分コレ、ラッキョウの仲間です。根元についているミニラッキョウのようなところは、生のまま味噌をつけて食べ、葉のところは5cmほどの長さに刻んで玉子とじ。あれは美味かったなあ。ノビルは、日当たりがかなり良くないと育たないので、生育できる土地が限られるのと、野草の中ではかなり有名な存在なうえに、川の土手といった比較的行きやすい場所に生えているので、結構採られてしまうらしいのです。おかげで、荒川のノビルはほとんど採り尽くされてしまっているとか。来年も、食べられるといいなあ。05/07/14(Thu)

なまじ香りが強いせいで嫌われることも多いですが、韮も大好きです。韮は非常に生命力が強くて、実家では採っても採っても生えてきてました。それも、きちっとした畝に作っているのではなく、庭の片隅のあちらに少し、こちらに少しという感じ。生え揃った頃を狙って、韮料理を作ったものです。

定番だった韮料理といえば、韮玉子焼き・韮豚・韮餃子あたりでしょうか。とくに、なるべく細かな小口切りにした韮をイヤというほど混ぜ込んで厚く焼いた韮玉子焼きは美味いです。卵のせいでしょうか、韮の香りもそれほど気になりません。もっとも、私は韮の香りプンプンでも全然気にしないんですけどね。韮餃子は、なるべく細かく小口切りにした韮を使った餃子。通常のレシピだと白菜を使うことが多いんですが、実家のは韮と挽肉に調味料のみ。確かに口は臭くなりますけど、いくつでも食べられる代物です。

東京に出てきてからは、一人暮らしという制約もあり、作るのは干し肉を使った韮豚がほとんど。買ってきた韮をザクザクと3cm程度の長さに切り、予め弱火で脂を出しておいた干し肉の入ったフライパンに投入して、最強火でガンガンあおるだけ。味付けは醤油・塩・日本酒。最近紹興酒を手に入れたので、次に作るときは日本酒のかわりに使ってみようと思ってます。干し肉の脂だけだとちょっと足りないので、サラダ油か胡麻油をその時の気分でチョイス。

時に、韮のお浸しというのも作ります。茹でた韮を軽く搾って味付けするだけ。ただ、茹でた韮は次の日には色が変わって美味しくなさそうになるのが問題。その食事で食べ切らないといけないので、うちでは案外出番が少なく、韮豚になってしまうのが通常です。05/03/12(Sat)

スーパーに行くと、韮一把50円なんて事が、そう珍しくもありません。でも、実家の庭に生えていた韮を食べていた身としては、これは大変なことです。韮を収穫すると、根元に傷んだ葉は土がついていますし、折れた葉や虫食いの葉だってあります。自分で消費するのではなく、市場に出そうと思ったら、これらを全てキレイにしなくてはいけません。これは、ひと仕事です。韮ではなく、葱の話ですが、ずっと以前実家であまりにも葱が出来たので、祖父が気まぐれを起こしてそれを市場に出したことがありました。半日がかりでそれこそ山のような葱をキレイにし、市場に出して500円…。それ以来、彼が葱を出荷することはありませんでした。

そんなわけで、韮50円というのはとても国内では出来ない価格です。除草剤・殺虫剤を大量に使い、人件費の安い地域で人海戦術を使って処理しないと、とても無理。私も、ちょっとヤバイよなあと思いながらも、たまにだからいいかとついつい買ってしまいますが、あらためて考えても、50円というのは、異常な価格だと思います。05/07/13(Wed)

キュウリ

夏野菜の御三家といえば、トマト・茄子・そしてこのキュウリというのが私の持論。ご多分に漏れず、通年スーパーの店先には並びますが、私は旬の時期にしか買いません。高いし、風情が無いですから。反面、旬になると異常に安くなるのもこのキュウリ。こういうときを逃さずに大人買いするのが、正しい大人というべきでしょう。

キュウリといえば嫌な思い出があって、小さい頃はよく煮て食べさせられたものです。煮たキュウリ、子供心に不味かったですねえ。兼業農家でもある実家は、当然キュウリも作ってまして、シーズンになるとバカみたいに出来るわけです。そしてまた、バカみたいに育つ。ちょっと油断して収穫が数日遅れただけで、キュウリは瓜の仲間なんだなあと実感できるような代物が出来上がります。ボケキュウリと呼んでいましたが、水っぽくてスカスカで、あまり(いや、全く)美味しくない。この美味しくないキュウリを、海老と一緒に煮るのがうちの定番でして、アレは美味しくなかったなあ。やっぱり、キュウリは煮るもんじゃないですよ。

それはともかくキュウリ、基本は塩もみしてからのバリエーションだと思います。薄くスライスして、塩もみしてからワカメとあえたキュウリもみや、丸のままのキュウリをスリコギでガンガン叩いて壊しておいてから、塩でもんでピリ辛胡麻ダレであえたやつあたりが、現在のうちの定番となっております。

料理本を読んでいると、キュウリの前処理として板ずりがあげられることが多いのですが、個人的には不要だと思います。よほどアクの強いキュウリならともかく、そんな野菜は今では望んでも手に入れることは出来ませんし、出荷しても市場で拒否されるのがオチだと思います。もちろん、どうしてもアクは徹底的に抜かなきゃ気がすまない、というのであればやればいいでしょうが、要らないんじゃないかな。あとは、皮をピーラーで半分だけ剥くというやつ。スライスすれば確かに見かけはいいでしょうが、お金を貰って出す料理でなければ、可食部分を捨てることはないと思います。うちでキュウリの廃棄部分といえば、茎との結合部のほんのわずかな所のみ。他は全部美味しくいただくことにしています。05/03/11(Fri)

先日スーパーで、キュウリ一本10円という特売に出会いました。先日8本128円で買ってしまっていた私は、買うに買えず、非常に悔しい思いをしました。8本128円ということは、1本16円。それだって高くはないですが、その更に37.5%オフ。やってられません。

無論、とりあえず買っておいて塩漬けという手も頭をよぎったのですが、冷蔵庫はすでに満杯。いくら塩漬けとはいえ、日中蒸し風呂の様になる我が家の常温下に置いておくほどの勇気は、さすがの私にもありません。ああ、今でも瞼を閉じるとその裏には一本10円のキュウリが…。釣り逃がした魚は大きいです。05/07/12(Tue)

茄子

梅雨時・夏前になると茄子、これは外せません。だって、美味いもの。最近では科学技術の進歩によって真冬でも食べられたりしますが、1袋4個入り198円のナスはちょっと買えません。更に科学技術が進歩し、真冬でも激安劇ウマの茄子が食えるようになるといいなあと思いますが、無理でしょう。風情も無いし。

というわけで、茄子。耳にタコが出来るほどよく言われていることですが、油との相性が抜群です。したがって、煮る時も一度さっと炒めてor揚げてから煮るとよろし。ただ、野菜を煮る時の原則に洩れず、煮すぎるとグチャグチャの台無しになるので、その辺注意。うちの伝統として、ナスを煮る時は鷹の爪を嫌というほど入れて激辛にするというのがあります。ただ、インド料理などと違って煮汁が赤くなったりするわけではないので、一見普通。いわば羊の皮をかぶった狼なので、かえって凶悪かもしれません。以前あまりに普通に、あまりに何の気なしに彼女に食べさせて、大クレームを食らったことがあり、以来彼女が来るときは手加減してますが、一人のときは相変わらずです。辛い。

ナスはそれ自身ほとんど癖が無いので、何でも使えます。味噌汁の実、浅漬け、天麩羅、どれも美味いが、何か一品あげろと言われれば、やはり焼き茄子でしょう。網の上でゴロゴロ転がしながら皮が半ば炭化するまで焼き、まだ熱いうちにヒーヒーいいながら指で皮を剥く。この時に、決して茄子を水につけて冷してはいけません。いや、別にいいんですけど、焼き茄子はヒーヒー言いながら作るものなんですよ、江戸時代からこっち。そういうものなんです。また、皮を剥いた茄子は包丁で切ってはいけません。必ず手で裂きましょう。重ね重ね、焼き茄子というのはそういうものなんです。そこに削りたての鰹節をフワッとのせ、醤油をチョロッとかけて食う。やっぱり、茄子は焼き茄子に限りますよ、絶対。05/03/10(Thu)

先日、つきじ田村という料亭?の主人が書いたエッセイを読んだんですが、彼のおじいさん曰く、“焼き茄子はそのまま手で剥くのが一番エエ、だが、熱くてなかなかそうもイカン。かといって水をかけては旨味が全部流れてしまう。しかし、ぬるま湯で冷しながらだったらエエじゃろう。”このおじいさん、この料亭の初代なんですが、やっぱりぬるま湯でも同じことだと思いますよ、ワタクシ。ぬるま湯でもダメじゃないかなあ。

というわけで、焼き茄子を剥く時は、隣にフィンガー・ボウルを準備。指先が耐え切れなくなったらそこに指を突っ込み、冷却。そして再び突撃を繰り返すのが唯一無二の方法かと思われます。ちなみに、焼き加減についてはこのおじいさんと全く同意見。表面が黒焦げになるまで焼きます。茄子は水分が多いので、表面が炭化しても、中は平気。かえってその炭化が香ばしい香りを付け加えてくれるので、ここまで豪快に焼き切らないと、本当の焼き茄子とは言えない気がします。

やっぱり、旬の茄子は焼き茄子に始まって焼き茄子に終わる、ですな。とはいえ、日経の夕刊で小泉武夫先生が書いていた茄子の味噌炒めはもちろん絶品。浅漬けも美味いし、何にしても美味い。いや私、茄子大好物なんですよ。05/07/11(Mon)

白瓜

実家に住んでいた頃は、夏になると嫌になるほど食べさせられたものです。はっきり言って、嫌いでした。実家では海老と一緒にさっと煮て冷ましたものが定番だったんですが、大体煮過ぎてグチョグチョになってまして、おまけにダシとして海老の殻まで突っ込んであるもんだから(当然ですけど布巾に包んで入れるなんて親切は無し。食べる時に各自が自己責任でより分けます)、子供心に許せなかったのを覚えてます。海老の殻くらいとれよと。まあ、それは瓜の責任じゃないんですけど。また、更にこれの上位(?)バージョンとして、瓜のかわりに育ちすぎたキュウリを入れるというのがありまして、どうしてキュウリを煮るんだと、子供心に思ったものです。これも瓜の責任じゃないですけど。

あれからだいぶ年月が経ち、椎茸は相変わらずダメなままですが、瓜は好きになりました。海老は高いので買いませんが、無論海老と煮た瓜があったら喜んで食べます。瓜もあまり人気が無いんでしょうか、シーズンになると、一個50円〜100円とバカ安。冬瓜も1/4個100円くらいで売られてます。火を通しすぎると、子供心にトラウマを与えることは実証済みなので、あくまで歯ごたえを残してあっさりと煮ます。味付けも、瓜の爽やかな香りを生かすために、ダシ汁と醤油をほんの少しといった感じ。

煮物と並んでよく作るのは、一夜漬け。薄くスライスして塩でもみ、鷹の爪・陳皮・昆布などを投入して海水程度の塩水に浸して一晩。キャベツや白菜でもよく作るのですが、梅雨〜夏にかけての主役はこの瓜かキュウリになります。季節感がなくなったとよく言われますが、やはり旬の野菜は安いし美味しいと感じます。白瓜が出てくると、もうすぐ夏が来るなあと感じます。まだまだ先ですけどね。05/03/09(Wed)

というわけで、スーパーには普通に白瓜が並ぶ時期になりました。時の経つのは早いものです。そして、相変わらずこの季節の私の冷蔵庫の中には、白瓜の浅漬けがかなりの高確率で入ってます。現在の相場は、30cmほどの長さのやつが2本100円といったところ。これで、大ぶりのタッパーに満杯の浅漬けが出来、一週間は軽く楽しめますので、非常にリーズナブル。ただ、一気に二本作ってしまうと、後半ちょっと酸っぱくなるので、最近では1回のロットをやや少なめにしています。乳酸菌が繁殖しまくった、酸味溢れるやつもいいんですが、どちらかというとフレッシュな癖の無い浅漬けのほうが好きなものですから。鷹の爪・陳皮・昆布のゴールデン・トリオは相変わらず不動です。05/07/09(Sat)

トマト

トマト、結構好きなんですが高いですね。一個100円〜しますし、買ってもあまり口に合わないんです。どうも、売ってるトマトは癖がなさ過ぎてつまらない。トマトといえば、どうしようもないくらい青臭いのがいいんですよ。でも、人気が無いから市場に出ないんでしょうね。実家は兼業農家なので、自宅用にトマトも少し作ってます。ほとんど手をかけていないので、青臭くて甘くない。でも、それが最高。冷蔵庫で冷すと冷えすぎるので、流水で冷してから、塩を振って食べる、これ最高。皮や種もとりません。というか、皮を剥くとトマト台無しって気がします。

小さい頃はよくトマトに蜂蜜をかけて食べてました。知り合いに言うと気持ち悪がられるんですが、結構美味い。ただ、市販の甘いトマトだとあまり相性が良くなくて、露地栽培の昔風のやつによく合う気がします。今でもたまにやりますよ。蜂蜜をかける・塩をつける・何もつけないをその場の気分次第で。

ただ、全くトマトを買わないかというとそうでもなくて、いつもの様に見切り品で出ている時は、買う場合もあります。トマトで見切り品になるのは、ほとんどが過熟したもの。言い方を変えると、ちょっとグチョグチョになりかけたやつ。腐っているものとのラインはあくまでシビアに判断しましょう。これらは生食しても舌触りがよくないので、料理用に回します。トマト・料理というと、すぐに湯剥きが浮かんできますが、うちでは面倒だし、皮を捨てるのがもったいないので、やりません。サラダなどに形を残して入れる場合は、乱切りにしてザルに入れ、塩を振って水気を切ってから使いますし、煮物などに使う場合は、ヘタをつかんでおろし金で豪快におろしてしまいます。その方が早いし、廃棄部分も少なくて済みます。

トマトをおろしてうちでよく作る料理といえば、豆スープ。朝出かけるときに気分に応じた豆を2〜3種類、熱湯と一緒に魔法瓶(アンプラグド)にセットしておき、帰ってきてからすりおろしトマト・玉葱・干し肉などを入れてひと煮立ちさせるもの。気分次第で鷹の爪を入れたりオリーブオイルを垂らしたり。スイトンを入れてニョッキだと言い張ってみるのもまた良し。結構美味いですよ。05/03/08(Tue)

ほんの数日前、スーパーで見切り品になっているトマトを買ったのですが、これはヘタの部分が割れて黒ずんでいるもの。一見ダメそうですが、実家でとれるトマトでは、こんなのはごく日常的なことでした。私も詳しいことはよく分からないのですが、熟す時期に雨が当たると、特にヘタのところはすぐに割れてしまうみたいです。で、黒ずむ。スーパーは大量に仕入れをするでしょうから、その中に混ざっていたのかもしれません。でも、黒ずんだところをぺティナイフで削ぎとってやれば、無問題。これは過熟のものではなかったので、塩を振って普通に生食しました。

うちだけかもしれませんが、農家の“これはオッケーライン”というのは、都会で農業とは無縁の人とはかなり違うような気がします。トマトやナスはすぐに割れてカサブタみたいになりますが、そんなの全然無問題。キュウリの曲がっているのなんかごく普通で、生育途中に傷が入ってしまい、そこがヒキツレの様になってしまっているのだって、普通に食べます。

逆に、ああいうのばかり目にしていると、真っ直ぐでピカピカのキュウリや傷一つ無いトマトというのは、どれだけ労力がかかっているのだろうと、老婆心ながら思ってしまいます。だから、値段も上がってしまうし、農薬や除草剤もたくさん使わなきゃいけないんですね。私はヘボい外見で安い方が好きですけど。

エノキタケ

スーパーで売っている三大キノコといえば、椎茸・シメジ、そしてこのエノキタケでしょう。ちなみに、エノキタケってモヤシと一緒なんですね。光を遮断して栽培するからああなる。自然環境化で育ったエノキタケは、パッと見たところシメジに近い姿をしているそうです。是非一度食べてみたいものです。

で、エノキタケ。普及しているだけあって価格も安い。当然うちの食卓にもよくのぼります。エノキタケの持ち味は、あのシャキシャキした歯ごたえ。なんといっても、鍋物には欠かせません。白菜・鶏モモ・エノキタケだけのシンプル鍋、美味しいですよ〜。味に全く癖が無いので、味噌汁に入れてよし、和え物に混ぜてよし、その歯ごたえが絶妙なアクセントとなります。ただ、シメジと違って火を通し過ぎるとその歯ごたえは消えてしまうので、それだけ注意しなくてはいけません。

たまに遭遇するエノキタケの投げ売り。一袋50円程度で売られていると、数袋買ってきて“なめ茸”にします。ようは、瓶詰めの市販品と同じなんですが、あれよりもやや薄味で、ダシをしっかりきかせます。数袋とはいえ、エノキタケは火を通すとカサが減るので、一週間ほどで食べ切ることをめどに。少な目のご飯にドロッとかけてかき込むと、ご飯が何杯でも食べられるんですよね。05/03/07(Mon)

一番お気に入りのエノキタケの食べ方はなんだろうと考えてみると、10分は間がもつ位の暇人です。さて、その結果ですが、味噌汁ですね。味噌は醗酵の進んだ赤味噌系がよろし。具はエノキタケとワカメ。豆腐は、う〜ん、要らない。葱が少しあればベスト。エノキタケは火を止めてから放りこむくらいが、歯ごたえが残っていいですね。その味噌汁とご飯と浅漬けに、あと焼き物が一品あれば、この季節の夕食はバッチリです。段々食事が質素でよくなってきているような気がするんですが、歳のせいですかね。05/07/07(Thu)

シメジ

俗に“香りマツタケ、味シメジ”と言います。マツタケより美味しいかどうかはちょっと比較出来ないんですが、美味しいことは確かです。おまけに、安い。シメジの最大の特徴は、火を通しても歯ごたえが残るという点にあると思います。あの、シャキシャキした歯ごたえがなんとも言えず、美味しいものです。

シメジを買ってきたら、とりあえず味噌汁。シメジとワカメと油揚げの味噌汁は美味い。石突のところは、よほど固そうなら最小限削ぎとりますが、そうでなければ、一つづつ手で割って、放り込みます。あまりに大きい場合は、包丁で適宜切ってもいいかも。

が、何といっても好きなのは、玉葱とシメジの炒め物。和風ならさっと炒めたシメジと玉葱に塩で味をつけ、醤油で香り付け。洋風にしたければ、オリーブオイルで炒めて塩。玉葱は繊維に沿って切り、歯ごたえを残すようにした方があう気がします。あっという間に作れるし、材料費もバカ安だし、何より美味い。

ちなみにスーパーで“本シメジ”として売られているのは全て“ブナシメジ”で、本物の“本シメジ”は人工栽培が難しく、ほとんど流通にはのらないのだそうです。以前一度だけ、本シメジを頂いて食べたことがあるのですが、これはもう、市販のシメジとは別物。“香りシメジ、味シメジ”と言ってもいいほど香り高く、濃厚な味。あれ以来一度も口にしていませんが、もう一度食べたいなあ。ちなみにその時は、網で炙って醤油をほんの少しつけていただきました。美味しかったなあ。本シメジ・カモン!05/03/06(Sun)

最近新聞で、本シメジの人工栽培に成功したという記事を読みました。20年だかの研究の蓄積があるそうです、執念ですね。なんでも、非常にクリーンな空気を常時吹き付けるのがポイントで、そうしないと雑菌にやられてしまうのだとか。自然界ではそんなことはしていないでしょうから、温度や湿度、微生物などの微妙なバランスの上に天然シメジは育つんでしょうね、凄いことです。

さて、最近の野菜素焼きブームは当然シメジにも波及しています。網で軽く焼いたシメジに、ほんの少し塩をつけて食う。油で炒めるものとはまた全然違った食味を見せてくれます。どっちがいい・悪いはちょっと判断つかないですが、とりあえず美味いし、何より簡単。下味をつける手間すら要りませんからね。そして、一パック58円。使いまくりです。05/07/06(Wed)

ナメコ

あの、ヌルッとした感じがたまらなく美味いナメコ。2パック100円なら買ってきます。でも、あまり料理のバリエーションは無し。大根おろしあえか、味噌汁に入れるか。おろしあえは、シンプルそのもの。大根おろしとナメコを軽く混ぜ合わせ、醤油で味をつけるだけ。ですが、素晴らしくご飯にあって美味しいです。酒の肴にも多分いいんじゃないかな。

ナメコの味噌汁は、個人的には他の具を入れないシンプルな方が美味しいと思います。組み合わせるとしたらワカメ&ナメコかなあ。野菜を入れるとナメコの舌触りを十分楽しめない気がします。また、ナメコ汁のときはとにかく火を通しすぎないのが肝心。ナメコ以外の材料で味噌汁を仕上げておき、そこにナメコを入れて、ナメコが温まったらすぐに火を止めてお椀に注ぐ、くらいでないとダメでしょう。味噌は気持ち濃い目がよろしいかと。ご飯にぶっ掛けるのも好きなんですが、ちょっと品がないですね。

ちなみに、見切り品ハンターの異名を持つ私ですが、さすがに茸類の見切り品は恐ろしくて手が出ません。なんかあたると大変なことになりそうで…。少しでも鮮度が落ちたものは避けるようにしています。私らしくもない。ところで、最近知ったところによるとナメコは冷凍保存できるそうです。これはいいことを知ったというわけで、今度やってみようと思います。05/03/05(Sat)

2パック100円なんて書いてしまいましたが、先日1袋20円というのに遭遇しまして、5袋も買ってしまいました。袋が小さく、一袋でせいぜい味噌汁4回分といったところですが、それでも安い。4袋は現在冷凍庫内で待機中。順次食べていきます。

それにしても、ナメコオロシのなんと美味いことよ。ナメコと大根おろしと醤油、それだけなんですが、やはりシンプルイズベストなんでしょう。私のバイブルの一つ、壇流クッキングによると、ゴロゴロおろしという大根おろしがありまして、多分鬼おろしの一種だと思うのですが、これを使うと非常に粗い大根おろしが出来るそうです。そうすると一層味のあるナメコおろしが出来るんでしょうねえ。しかし、たまにデパートなんかで見かけることがあるんですが、どうも、造りが甘くて買う気になれません。いいやつだったら速攻で買うんですが、ああいうのは、なかなか難しいですね。05/07/05(Tue)

蕪もまた、見切り品でよく出ている野菜です。見切られているものは、葉が切りとられている場合が多いのですが、本体部分は鮮度に問題ないことも多く、その場合は買ってきます。とはいえ、蕪自体安売り対象になることが多いので、見切り品でなくてもかなり安い場合があって、その場合は、勿論そちらを優先します。

蕪の調理は大きく分けて二つ、火を通すか通さないかです。通さない場合は、浅漬け。薄くスライスして塩でもみ、タッパーに詰めてから海水よりちょっと濃い程度の塩水をヒタヒタに注げば、次の日くらいから食べられます。さすがに蕪と塩水だけだと味気ないので、鷹の爪・昆布・陳皮・柚子皮の塩漬けなどを適宜加えて味に深みを持たせた方が面白いかもしれません。梅干しを叩いて入れるのも、定番。

火を通す場合は、味噌汁に入れるのでも、煮物にする場合でも、蕪はかなり火の通りが早い事に注意します。似て非なる大根のつもりで火を通しているとすぐドロドロになってしまうので、注意。よく失敗するんですよね。煮物は、油揚げや厚揚げと煮るのがうちの定番。贅沢に海老なんかと煮ると美味しいかもしれませんが、私は東南アジアの熱帯雨林を守りたいので海老は食べません、ということにしておいたらどうでしょう。

また、当然のことですが葉も捨てません。浅漬けに一緒に入れてもいいんですが、私は蕪の葉は火を通した方が好きなので、味噌汁の具にすることが多いです。ところで、野沢菜って蕪の近親種の葉なんですね。最近初めて知りました。まあ、知ったからといってどうということはないんですけどね。05/03/04(Fri)

本来蕪の旬は冬場のはずですが、最近は旬なんてあって無い様なものなので、一年中手に入ります。もっとも、多くの場合は旬を外すと値段が上がってしまうのですが、私の行くスーパーでは、なぜか蕪は年間を通じて値段がそう変わりません。4〜5株一まとめで100円とか、無茶な値段がついてますので、先日も買ってきて浅漬けにしました。

先にも書いたように、蕪は火を通すか通さないかで大きく調理法が分かれるのですが、このシーズンはもっぱら浅漬けです。薄くスライスして塩をし、昆布・鷹の爪・蜜柑の皮。夏場は爽やかさを増すために、少し酢を足すこともあります。日持ちもよくなりますしね。これを、ガラスの器に盛ったりすると、何となく涼しげに見えて、涼をとれる気になるやも知れません。そんな事したって室温は変わらないので、実は気のせいなんですけどね。05/07/04(Mon)

スーパーで野菜の値段を見ていて感じるんですが、人気の無い野菜ほど安いです。そして、人気の無い=調理が面倒という場合が多い。蕗なんてそのさいたる物で、1m弱のものが5〜6本入って150円なんていうバカみたいな値段で売られていることが結構あるので、喜んで買ってきます。アク抜きなんて簡単ですから。

30cmほどの鍋に入る長さに切ったら、塩をまいたまな板の上でゴリゴリ転がして板ずりして10分ほど放置。その間に鍋に湯を沸かし、板ずりした蕗を好みの歯ごたえになるまで茹でます。茹であがったら水に放ってそのまま一晩放置。あとは皮を剥けば下ごしらえ完了です。時間はかかりますが、手間は何ほどのものでもありません。

蕗は伽羅蕗の様にこってり煮るのもいいですが、私が好きなのは色煮と呼ばれる蕗の緑色を生かしてあっさり煮たもの。とはいえ、うちで作る場合は全く煮ません。昆布と鰹節でダシをとり、煮汁の味に調整します。醤油を使うとくどくなるので、味は塩で決め、醤油は香りづけにほんの数滴。酒は使ったほうが美味しい気がしますが、まあそのへん好みで。タッパーに食べやすい大きさに切った蕗を入れ、その上から熱いだし汁をかけて自然に冷めるのを待てば完成。蕗の色や歯ごたえが損なわれること無く、美味しい色煮になります。元々下茹でをしているので、それ以上火を通す必要がないんです。

大概の場合捨ててしまいがちな蕗の葉も、当然捨てません。茹で→冷水に放って一晩放置を葉も一緒にやります。水を絞ったら、包丁で細かく刻み、昆布・胡麻・鷹の爪などを入れて醤油で濃い目の味に炒りつけたら完成。これはご飯のお供や箸休めとして、とても美味しいです。蕗料理全般に言えることですが、水に放つ時間が長ければ長いほど、エグミが抜けて食べやすくなりますが、反面オコサマな味になります。エグミも蕗の持ち味なので、全部抜いてしまってはつまらないです。まあ、どこまで残すかはその人の好みなんですけどね。05/03/03(Thu)

最近はお菓子もめっきりオシャレになり、すっかり使われなくなりましたが、昔はアンゼリカというものが、飾りとしてよく使われていました。コレ、黄緑色に着色した蕗の砂糖漬けなんです。それが、本当にコテコテの黄緑色。そして、蕗の風味なんてこれっぽっちもしない、ただの砂糖味。また、それと並んでよく使われていたのが、ドレンチェリー。これは、真っ赤に着色したサクランボの砂糖漬け。これまた、サクランボの風味なんてこれっぽっちもなく…。今では焼き菓子の中に刻んで入れるくらいしか見かけませんが、以前は生クリームのケーキの上に堂々と飾られていたものです。

最近はお菓子もナチュラル志向・高級志向で、こういう街場で売られていたようなケーキはすっかり影を潜めてしまいましたが、ノスタルジーとともに、思い出すことがあります。それにしても、あのアンゼリカの黄緑さよ。何故あそこまでビビッドな黄緑色にしなきゃいけなかったのか、不思議に思うことがあります。05/07/02(Sat)

春菊

先日実家から送ってきた米と一緒に、実家で取れた春菊が一束入ってました。この時期は春菊が美味しいですね。なるべく早く使い切るのが無論最上なんですが、一人暮らしだとそうもいかないので、例の如く濡れ新聞紙とビニール袋に包んで冷蔵庫に入れておきます。放置すると傷みが早いのですが、毎日あけて少しづつ使っていると、中の空気が入れ替わるのが良いのか、一週間くらいなら大丈夫なので、重宝します。

春菊は葉だけをもぎ取って使い、茎は捨ててしまうような記述を料理本で見かけますが、そんなもったいないことは出来ません。茎も全部食べます。もし細くて柔らかいのなら葉と一緒にそのまま茹でれば良いですし、根元の方が太くて固そうならば、適宜スライスしたり割ったりと小さくすれば美味しくいただけます。

大量に手に入ったときは、さっと茹でてお浸しというのが王道ですが、春菊ってアクが強いせいでしょうか、茹でてしまうと2〜3日で色が変わって美味しそうじゃなくなります。その日に全部食べてしまうのならいいですが、うちではそうはいかないので、あまりお浸しは作りません。その場で食べ切ってしまう料理が多いです。

一番多いのは味噌汁。春菊はその清清しい香りが特徴なので、豚肉のようなこってりした具材ととても相性がいいように感じます。量販店で売っている油ギトギトの安い油揚げ、普通ならちょっとしつこいんですが、春菊とあわせるとその油が旨味に変わるようで、お得な感じがします。

鍋も良いですよ、一人鍋ですが。たっぷりの春菊とツミレ。ツミレは値引きシールが張られた鳥挽肉か、二束三文の鰯を叩いて作ったもので十分。特に鰯のツミレ+春菊は最高です。具はこの二種類だけで、昆布を少し入れるだけ。ポン酢とあわせると予算不相応な料理が出来ます。日本酒ともよくあうんじゃないかなあ。飲めないから分かりませんけど。05/03/02(Wed)

全くシーズンではないので、最近めっきり食べていないのですが、自分で書いたものを読み返して、食べたくなってしまいました。特に、春菊と油揚げの味噌汁。贅沢を言えば、ここにシメジが入ると最高。春菊・油揚げ・シメジ、控え目な贅沢です。あとは、春菊・白菜・鶏肉の水炊きもいいですね。最近暑くてかなわないもんですから、冬はいいなあと切に思います。ところが冬になると、暑くたってやっぱり夏の方がいいよねって思いますから、人間なんて勝手なものです。05/06/30(Thu)

水菜

由緒正しい京野菜。東京のスーパーで普通に手に入るようになったのはほんのここ数年のことじゃないでしょうか。今ほど頻繁にスーパーに出入りしていたわけではないですが、私が上京してきた10年前にはこれほど一般的な野菜ではなかった気がします。実家では無論食べたことがなくて、名前も知りませんでした。

でも、食べてみると美味しいんですねえ。いっぺんでファンになってしまいました。最も簡単なのは、削りたての鰹節とあえるお浸し。水菜はそのシャキシャキ感とほんのり苦味が持ち味だと思うので、とにかく茹で過ぎないという事だけには気をつけるようにしています。

水菜の鍋もいいですね。安い鶏挽肉を買ってきて、ツクネを作り、昆布とツクネと水菜だけの鍋。醤油と柚子酢を混ぜて茹で汁で適宜割ったものにつけて食します。ここでも言えることですが、水菜を食べる場合は、とにかく火の通し過ぎ厳禁。ツクネは鍋の中に常駐させますが、水菜はその時自分の食べる分だけを入れ、すぐに回収して食べるのがいいと思います。ヘッポコ鍋奉行が一気に大量投入したりするとダイナシなので、要注意です。05/03/01(Tue)

最近知り合いからミズナを貰いました。とはいえ、同じ名前でも水菜とは違う山菜のミズナ。アスパラガスを凄く細くしたような感じで、さっと茹でて包丁で叩くとややヌメリが出ますので、それを酢味噌で食うと最高。水菜とミズナは名前こそ同じですが、全くの別物です。

私、生まれて初めてミズナってものを食べました。世の中には私の知らない食材がまだまだあるんですね。ミズナは山菜ですから、スーパーや八百屋にはまず並びません。自分で山菜採りツアーに参加するか、こうやって人から貰うかするくらいしか、手に入れるルートはありません。ですので、次にミズナを手に入れるのはいつの日か。無論、ネットを利用すれば、手に入れることは出来ると思います。しかし、ネットを通じて食材を手に入れるということに対して、私はどうも違和感を覚えてしまうのです。だから多分、やりません。今回貰ったミズナを食べながら、アァ一期一会だなあなんて思いました。そういうのも、いいと思います。

水菜違いですが、珍しい食材を貰ってしまったので、この項に入れてしまいます。05/06/29(Wed)

カボチャ

カボチャもまた、美味しくて安い野菜なので、当然頻繁に利用してます。ですが、調理方法のバリエーションはそんなにありません。9割がたは煮物。うちでは昆布ダシで煮て、高野豆腐とあわせるのが多いです。サツマイモを煮る時はかなり砂糖を多めに使いますが、カボチャの時は逆に少なめ。完全に好みなんですけど、カボチャの場合は砂糖を入れるとその持ち味が消されてしまいそうな気がして。そしてこの、一緒に煮た高野豆腐が美味い。煮物全般について、煮汁を吸った高野豆腐が美味しいことは周知の事実ですが、私は特に、このカボチャの煮汁を吸った高野豆腐が好きなんです。

私が行くスーパーでは、カボチャを丸ごと一個売っている事は滅多にありません。殆どが半割りか1/4。丸ごとだと、半分に切るのが大変だからでしょうね。左右からの圧力に包丁が捕まってしまうと、にっちもさっちも行かなくなります。下手に力を入れて、運が悪いと指が切れたりして…。でも、絶対そういう人いると思います。丸ごとのカボチャを割る時は、包丁のラインを茎が付いるド真ん中から少し外す・最初になるべく深く一刺しし、包丁の先端を梃子の支点にして切るという二つのポイントさえ抑えていれば、大して難しいことじゃありません。

通常は捨ててしまう種もうちでは食べてしまいます。これ、中国茶の定番お茶請けにもなっているくらいで、美味しいんです。おまけに塩・旨味調味料で味付けされた市販のものと違い、種の味がそのまま味わえるので、自作がオススメ。自作といっても、ワタを丁寧に外した種を、風通しのいい場所で一週間ほど干すだけ。食べる時は軽く鍋で炒ってから割って食べます。割るのは爪でもいいんですが、私はラジオペンチを愛用。慣れてくると一個一秒ペースでガンガン割れます。慣れないと、中身まで破壊してしまって悲しいことになりますが。これはもう、練習あるのみ。

子供の頃から、よくカボチャは食べさせられました。でも、何故か皮は全部残してたんですよね。箸で身の部分だけこそげとり、皮だけ残す。どうしてそこまでこだわったかは今となっては分かりませんが、今では皮ごと全部いただきます。料理本によると、柔らかくするために、ところどころ皮を剥きましょうなんて書いてありますが、特に見栄えを気にするのでなければ、必要ないと思います。剥いた皮は捨ててしまうんでしょう?全部食べ切ったほうが、よっぽど気分がイイです。05/02/28(Mon)

最近の野菜素焼きブームに乗って、うちのカボチャ利用度一位はすっかり素焼きに取って代わられました。気持ち強めの火で、表面がやや焦げ始めたくらいがベストタイミング。うちではあえて何もつけずに、そのまま食べます。カボチャのホックリとした甘みが、たまらんです。特に夏場、保存が問題になる時期には、この素焼きは大活躍。煮てしまうとすぐに傷みますが、生で冷蔵庫に入れておくと、それよりもはるかに長持ちします。無論、濡れ新聞紙で来るんでビニールに包むという作業をしなければ、カラカラになってしまいますが、逆にそれさえ気をつければOK。うちのロートル冷蔵庫でも、結構保存が利くので、ありがたい。05/06/28(Tue)

レタス

実はあまり買いません、レタス。形が似ているキャベツとつい比べてしまい、その価格・みっしり度を考えるて、ついついキャベツに手が伸びてしまう私。でも、見切り品で1玉20円なら買います。レタスは鮮度が落ちやすいので、鮮度が落ちた玉の外側の葉が豪勢にむしられて売られていることがあります。一つ一つの玉は少し小さめになりますが、20円と考えれば、安い。

レタスといえば生食が中心ですが、うちではやりません。レタスの生って、フワフワしていてカサばかり、なんかこう固体感が無い気がするんです。それなので、作るのはスープか炒め物。変だと思うかもしれませんが、レタスの味噌汁って結構美味しいです。オーソドックスに行くなら、野菜炒め。有名な料理人がレタス炒飯ってのを紹介していた気がするんですが、コレも結構いけます。

ただ、レタスって本当にあっという間に火が通ります。それを少しでも過ぎると、存在感が全くなくなってしまうので、入れるタイミングを見計らい、強火でほんの一瞬だけ火を通すような感覚で作ってます。かなり注意してても、失敗しがちなんですけどね。その分、うまくいったときの満足度はかなり高いです。

余談ですが、付き合っている人は、男の人が鍋を振っている姿にグッとくるそうです。手際良く鍋など振っている姿を見せつけると、ポイントが稼げるかもしれません。ただ問題は、そういう姿を見せているという時点で、すでにかなりのポイントをゲットしているはずなので、それ以上稼いでも意味ないんじゃないか、ということなんですけどね。精進いたしましょう。05/02/27(Sun)

外食でサラダを頼むと、かなりの確率で、フワフワレタスでカサをかせいだ品が出てきます。これ、非常に悔しい。一瞬湯通しすると、どの程度の量になるのかが分かっているだけに、ちょっと納得いかないものがあります。そこで、優先的に頼むのはコールスローサラダ。キャベツを千切りにして、フレンチドレッシングであえたサラダで、これだと結構みっしりたくさん。私、コールスローサラダが大好きなんです。ただ問題は、おいてある店が案外少ないということ。もっとポピュラーになってくれませんかね。美味しいのに。レタスの味自体は嫌いじゃないんですが、どう考えてもカサがねえ。やはり私はケチなようです。05/06/27(Mon)

ホウレンソウ

ホウレンソウ、かなり好きというより、大好きです。世の中にこんな美味いものはありませんね(断言)。盛りになると、先端が少ししおれたものが50円で売ってたりしますので、迷うことなく買い占めます。4束とか普通に買ってるかも。

そして、ホウレンソウといえば何よりもお浸し。沸騰したお湯にまるごと突っ込み、火を止めて1〜2分。火が通り過ぎるとクタクタになって、私好みじゃなくなるので、あくまで歯ごたえを残すようにするのが肝心。それからもう一つ重要なポイントは、根の部分を捨てないこと。ここが、美味い。魚の皮かホウレンソウの根かというくらい重要な部位なので、決して捨ててはいけません。お浸しにして日が経つと、真っ先にここが黒くなってきますが、腐っているわけではないので、平常心でいただきます。味付けはあくまで塩と醤油のみ。砂糖を入れると万人受けする味にはなりますが、ホウレンソウの持つ甘味が消えてしまうので、私は入れません。

最も重要なのはプラスアルファで何を入れるか。一番好きなのは、釜揚げのチリメンジャコなんですが、一人で何日もかけて食べることを考えると、鮮度の面でちょっと危ない。実家に帰ったときは必ずこれを作りますけど、一人のときはもっぱら鰹節。何せ好物なので、その場で削った物をたっぷり使用します。コレ、最高。

時に私とて浮気をしたくなることはあります。今日はお浸しはやめておいて、オリーブオイルでさっと炒めて塩味なんてどうだろうと。実際やってみて決して悪くはないんですが、やはり鰹節たっぷりのお浸しには遠く及びません。ホウレンソウといえば、何と言ってもお浸しですよ、お浸し。05/02/26(Sat)

夏場になると、やや葉物からは足が遠のいてしまいます。季節じゃないということもありますが、それよりも、日保ちの問題。お浸しって、日持ちが悪いんです。とくに、うちにある冷えが悪い冷蔵庫の中では、せいぜい次の日まで。その次の日になると食べられません。食欲もやや落ちがちな夏場に、酢を使った料理が台頭してくると、ホウレンソウは一層出番薄となります。ホウレンソウと酢ってあわないんですよ(実証済み)。

そんなわけで、バリバリほうれん草を食べるのは、また寒くなるまでお預け。秋頃からの楽しみにとっておきます。こういう、負け犬の遠吠え的な食生活も良いんではないかな。

牛蒡

牛蒡も安く手に入る野菜のひとつです。ただ、見切り品に出ているのを見たことがありません。あれだけ長いですが、かなり弾力があるので折れないんでしょうか。個人的には、折れて見切り品になるのを希望。嫌な消費者です。

料理本を見ると、牛蒡は切って酢水につけ、アクを抜いてから使いましょうなんて書いてありますが、不要だと思います。最近の牛蒡は根性の無い環境で作られているせいか、アクなんてありません。現に、今まで散々アク抜きをせずに牛蒡を料理してきましが、エグくて食べられなかったなんて皆無。確かに、切った牛蒡を水につけると、何だか水が黄色くなりますが、それは牛蒡エキスが逃げ出しているだけなんだと思います。もし、使ってみてエグいようだったら、次からそのルートで仕入れた牛蒡はアク抜きをすれば良いだけであって、デフォルトではとりあえずアク抜き不要でいいのではないでしょうか。

牛蒡といえば何と言っても、金平牛蒡。牛蒡料理中の牛蒡料理ですね。アクを抜かなくていいのだから、すぐ出来ます。買ってきた牛蒡をササガキにし、肉・魚の切れっ端をダシにして、甘辛く炒め煮るだけ。私は、カット作業は基本的に全て包丁で済ませてしまいます。ピーラーのような便利道具もあるんですが、上達が実感できないのでイマイチつまらない。ササガキも勿論包丁で。縦方向に適宜包丁で切込みを入れてからササガキにすると、大き過ぎないものが出来ていい感じ。ほんの小技ですが、案外役に立ちます。

あと、牛蒡って味噌汁に入れても美味しいですね。味噌汁用雑多野菜放り込みタッパーに入れておき、都度切って使います。上で書いたように、うちでは牛蒡のアク抜きをしないので、味噌汁に使うときも切って投げ込むだけ。定番だと豚汁の牛蒡ですが、うちではそれにとらわれず、何でも入れたいときに入れてます。シャキシャキしていて、かなり美味しいですよ。05/02/25(Fri)

牛蒡が2本50円と安かったので買ってきたが、疲れていてササガキすらする気力が無い、そんな時には酢牛蒡。5cmほどの長さにブツ切りにし、太いところは三つ割か四つ割。沸騰した湯に放り込んで数分。ザルで水を切って熱々のところに塩・酢・鷹の爪・昆布をからめ、自然に冷せば完成。コツといえば、茹で過ぎないことくらい。せっかくの牛蒡なのに、茹で過ぎてヘナヘナになってしまっては台無しです。牛蒡って、筋っぽくて火を通すのに時間がかかるかと思いきや、意外にあっさり火が通ります。うちでは茹でるのはほんの3〜5分程度。この程度の茹で時間でも十分用は足ります。

ちなみに、相変わらず皮は剥きません。シンクの中で多少強めに亀の子ダワシを使ってゴシゴシと洗うだけ。一番元の方の皮の部分は、あまりに固そうならとりますが、ほとんどその必要もなし。元々細い牛蒡なのに、皮なんて剥いてしまったら、更に食べるところが減ってしまうじゃないですか。包丁を皮に対して垂直に立て、こそげとる流派もありますが、別にそんなことしなくても、普通に食べられます。第一、面倒くさいし、時間ももったいない。料理は見かけも大事だとは思いますが、食べられるところを捨ててまで、見かけをとる必要は無いと思ってます。05/06/23(Thu)

椎茸

私は好き嫌いはないのですが、唯一これだけはムリ。干し椎茸・生椎茸、どちらもムリ。香りといい、傘の裏のヒダヒダの舌ざわりといい、全部ムリ。大人になってから、細かく切ってあれば食べられるようになりましたが、好きになったわけじゃありません。敵です、敵。05/02/24(Thu)

相変わらず、冷戦状態が続き、一歩も歩み寄れない状態が続いております。しかし、子供の頃は更に凄かった。誰でもそうだと思うんですが、自分が嫌いだと思うものに対しては、以上に味覚が鋭敏になります。母親は、嫌いなものを作ってはいけないと、細かく切って好物に混ぜるなど、色々工夫をしたそうですが、大体見破られてしまったそうです。ダシで、ほんの少しでも入っていると、テキメン探知しましたからね。ある意味、昔の方が味覚は鋭敏だったかも。

よく、生椎茸・干し椎茸両方ダメなのと訊かれますが、その通り、両方ダメです。生椎茸はあのヌメッとした歯ざわりがアウトで、干し椎茸は、必要以上に強調されたあの香りがダメ。小学校の給食などでは、好き嫌いをなくすために最後まで食べさせたりしてますが、私に関しては、あれは完全に逆効果でした。八宝菜に入っている椎茸を食べようとして、何度リバースしかけたことか。完全にトラウマになってしまいました。あくまで程度問題で、あまりにもあれもダメこれもダメでは、大人としてみっともないですが、数種類程度なら、別にいいんじゃないの?と思ってしまいます。相変わらず、人には厳しく自分には甘い。05/06/24(Fri)

里芋

私は、水仕事をするときは、いつも素手。台所には洗剤を置かず、食器洗いも木綿の布&お湯で済ませてしまうので、手荒れとは無縁です。ただ、シモヤケが出来やすい体質なので、冬場はちょっと厳しい。先日、シモヤケで手が痛いので、ぬるま湯で里芋を洗ったところ、手が痒くて痒くて大変なことになりました。酢を塗れば、痒みがおさまるなんておばあちゃんの知恵系のネタがありますが、ウソです。ほとんど変わりません。痛みを解決してくれるのは、時間だけなんですよ(謎)。

というわけで、次の日には早速ドラッグストアでゴム手袋を買ってきまして、以来、里芋を処理する時には着用するようにしてます。その他の洗い物の時は、面倒なので相変わらず素手。最近やっと寒さも少し緩んできて、シモヤケもよくなってきました。

ところで里芋ですが、例によって例の如く皮は剥きません。ボウルに水(ぬるま湯)をはり、その中に芋を入れて、一個づつ亀の子ダワシでガシガシ洗います。この時、泥と一緒に毛もこそげとってしまえば、それで十分。上下をカットして八角に剥く、料理屋ならそうせざるもえないのでしょうが、家庭料理でやる必要は無いと思います。面倒ですし、何よりロスが大きい。それに、皮ギシが一番美味しいのですよ。

その後、米の研ぎ汁で下茹でをしてからヌメリとり…も例の如くしません。米の研ぎ汁で下茹でをすると、白く煮あげる事ができるそうですが、うちでは別に白くなくてもいいのでやりません。また、ヌメリを取らないと味の染み込みが悪いという話も聞きますが、別にやらなくても十分味は染み込むので、やりません。芋が大きければ適宜小さく切り、昆布や鰹節のダシと、塩・醤油・酒なんかでただ煮るだけなのが、うちで作る最もベーシックな里芋の煮物。

料理って呪術じゃないんだから、やらなくていいと判断したことはやらないのが一番だと思います。例えば、実際にやってみたところ、ヌメリをとらないとどうしても味がしみこまないというのであれば、ヌメリをとればいいのではないでしょうか。うちでは必要がないのでやらないという、それだけの話。何事も、自分の舌で判断するのが一番だと思います。05/02/23(Wed)

“クッキングパパ”の次に好きな料理漫画“おせん”、最近は説教臭さとウンチクが鼻についてきたので、ちょっと足が遠のいてますが、その“おせん”で最初の頃、里芋の煮っ転がしが採りあげられた事がありました。里芋の皮を八角だか六角だかに剥き、下茹でしてキッチリした煮物を出す若い衆に対し、“良寛さんが好まぬもの3つ 書家の書、歌詠みの歌、料理屋の料理”というウンチクを披露して、たしなめるという筋でした。里芋の皮は、固く絞った濡れ布巾でこそげとっていくのがいいそうです。そして、下茹ではしない。私も一度これをやってみましたが、本当に大変。力は要るし、里芋はすべるし…。でも、確かに美味い。美味いが、もう一度やろうとは思いませんでした。皮、剥かなくていいよ。

ちなみに、良寛さんの意図を自分なりに解釈すると、“料理屋の料理(書・歌も)”は第一義的には人に見せるため、そして人がそれにお代を払う為に作られており、形は多少悪くても、心のこもった家庭料理とは最初からコンセプトが違うということだと思います。両者は全く違うものなので、どちらがいい悪いとはいえませんが、料理本などを見ていると、家庭料理が料理屋の料理に近付いているのかな、とも思います。私は単に、面倒くさいので料理屋の料理はやらないだけなんですけどね。05/06/22(Wed)

サツマイモ

サツマイモを食事の材料とし始めたのは比較的新しく、ここ数年のこと。それまでは、ふかしイモ・焼き芋・大学芋といった間食系の食材だろうと思ってました。でも、使ってみると結構便利なんですよ。最近では、うちの食卓のすっかり定番となってます。

サツマイモもかなり見切り品で出るのでありがたい限り。これもセロリと同じで、長いので折れるんですね。折れたものは、たとえ新鮮でも値がつかないので見切り品に。ありがたいことです。ただ、それでなくてもサツマイモは結構安売りをしていることが多く、大きなものが2本入って100円なんていうのもよく見かけます。でも、芋と思って油断していると、案外日持ちしません。輸送中などに傷が入ってしまうと、そこからかなりのスピードで傷みます。それなので、ジャガイモのように常備野菜にはなりません。その日か、その次の料理の機会に全て使い切ることを前提に買い込みます。無論、冷蔵庫に入れとけば多少はマシですが。

王道はなんといっても、クチナシで甘く煮たやつ。私は料理ではほとんど砂糖を使いませんが、このサツマイモだけは例外。私にしては破格な量の砂糖を放り込みます。ダシは無し。他に使う調味料は酒と塩少々のみ。あとは勿論クチナシ。気が向くと、干し葡萄かクコの実をいれます。こうすると、甘さが複雑になっていい感じ。他の料理に甘いものが皆無なので、いい箸休めになります。

あとは、味噌汁かな。味噌汁用雑多野菜放り込みタッパーに入れておき、少しづつ刻んで使う。もしくは、サツマイモだけの味噌汁も結構美味しい。うちの味噌はどちらかというと甘めなので、サツマイモにもよくあうのです。この時は、やや大ぶりのサイコロにカット。もう一品具を入れるとしたら、油揚げがいいかな。まあ、その時の気分ですけど。05/02/22(Tue)

サツマイモは、ここ最近の“何でも素焼きにしてしまえフェアー”の影響をモロに被ってます。素焼きに限らず、うちではサツマイモの皮は剥きません。そのまま5mmほどの厚さにスライスして、網で焼くだけ。さすがに作りだめは出来ないので、毎回焼きます。ところで、いくら美味いとはいっても、一回で食べられるサツマイモの素焼きの量なんて知れたもの。網の1/3くらいも焼けば、十分すぎるほど。しかし、残った2/3の網を空焼きするのはガスがモッタイナイので、肉や魚をタイミングをコントロールしながら味噌や醤油に漬けておき、一緒に焼きます。すると、同じ手間で品数が増えてヨイではないですか。

時間と手間をかけないで、品数を増やしていくというのは、こういう事の積み重ねだと思います。ウドンを茹でる為に寸胴に湯を沸かしたら、その前に菜っ葉を茹でてしまうとか、そういう細かい事。そういう風に、工程を上手く組み合わせていくのが料理の最大の楽しみの一つでもあると思うんですが、こういう事って本やテレビで触れられることは少ないように思います。私が知る限りでは、魚柄氏くらいかな。それとも、こういうのを楽しいと思っている人が少ないんですかね。05/06/21(Tue)

ジャガイモ

定番野菜ですね、ジャガイモ。巷では、ジャガイモは太るというイメージがあるみたいですが、個人的にはそうでもないと思ってます。ジャガイモって、火を通すとパサパサになりがちなので、それを補うために油分を大量に使えば、そりゃあ太る料理が出来ます。フライドポテト然り、ポテトサラダ然り。でも、ジャガイモ単体で食べれば、結構ヘルシーな野菜だと思うんですが、どうでしょう。栄養学方面にはほとんど興味がないので、よく分かりません。勘です。

ところで、是非一度やってみたい料理に、ある本の中で読んだアイルランドの伝統料理“チャンプ”というのがあります。やり方は実に簡単。マッシュポテトを山のように作り、それを各自がとり皿にどっさりとります。山のてっぺんにフォークで穴を掘り、バターを埋め、マッシュポテトを上からかけます。で、端からポテトを崩しながら食べるという、アイルランド貧乏料理。これを、やってみたい。が、残念うちにはバターを買わないので出来ないのです。でも、きっと美味しいですよこれ。ジャガイモとバターの組み合わせが抜群なのは、北海道のアレを見れば一目瞭然だし、不味くしようがないですもんね。

実際のうちでのジャガイモの用途は、とりあえず味噌汁の具。“味噌汁用野菜雑多放り込みタッパー”というのがありまして、その中には、大概使いかけのジャガイモが放り込んであります。あとはポテトサラダ。でも、普通のやつとはちょっと違う。千切りにしたジャガイモをさっと茹で、小さく切った昆布少々・塩・酢・油少々でザザザッと混ぜるだけ。あまり油を入れすぎると、ジャガイモの味がよく分からなくなるので、あくまで控えめに。スライスした玉葱を一緒に茹でても、もちろん美味しいです。

ところで、見切り品マニアの私が思うに、ジャガイモの見切り品はかなり危ない。ジャガイモって、土付きで売られていることが多いので、傷みの具合を表面の様子から判断しにくいんです。どうも傷み始めているらしいけれど、そんなに進んではいないだろうと思って買って割ってみたら、ほとんどダメだったという事も結構あります。だから、私も最近ではジャガイモを含めて土付きの芋類の見切り品にはあまり手を出しません。まあ、出さなくても十分安いというのもあるんですけどね。05/02/21(Mon)

最近のマイブーム野菜の素焼き、そのブームに乗って、ジャガイモもバンバン素焼きにしてます。これは美味い。5mmほどの厚さに切ったジャガイモを網で焼くだけ。表面がやや焦げてほっくり柔らかくなった頃が食べ時。ほんの少し塩を振っても美味しいですが、何もつけなくても十分イケル。かえって塩を振らないほうが、芋の甘味がよく分かるような気がします。

素焼きを始めて、これまでの自分はやや惰性で塩胡椒を使いすぎていたんではないかと、ちょっと反省しました。素の味があって、それに塩胡椒をしてこういう味にするというビジョンに欠けていたのではないかと。ただ何となく塩胡椒、それでもほとんどの場合は十分です。ただ、素の芋はこういう味で塩胡椒してこうする、みたいに考えながらやると、結果として同じ味になったとしても、味に対する感度は大きくアップしていくような気がします。まあ、私の道楽なんですけどね。05/06/20(Mon)

セロリ

セロリも、本当によく見切り品のコーナーに出る野菜です。理由は多分2つ。ひとつは嫌いな人が多いので、案外売れないということ。そしてもうひとつは葱と同じで、長すぎて折れることが多いということ。折れてしまったセロリは半値以下になりますが、セロリを長いまま食べる人なんて、ほとんどいません。どうせ切って使うんですから、折れていたって同じ事。私の買値は、2本50円。それ以上だと買いません。

ただ、鮮度の落ち始めたセロリは、本当にあっという間に食べられなくなります。特に、根元部分が茶色くなったやつ。その日に処理して食べる分には問題無いですが、3日も冷蔵庫に入れておくと、茶色い部分がかなり上まで広がってしまい、ほとんど食べられなくなります。食べられなくなると、払った50円が丸損になるので、悔しいことこのうえなし。対処方法としては、そのようなものは買わないか、買っても、その日のうちに処理してしまうか。いずれにせよ、セロリを買うときは、根元を注意して見ることにしてます。根元が新鮮で、折れた50円なら即買い。根元が茶色くなっているものは、あまりにひどければそれはセロリではなく生ゴミなので、買いません。

買ったセロリは、一応西洋野菜ということで、西洋風に料理することが多いです。よくやるのは、塩でもんでおいて、酢とオリーブオイルであえるマリネセロリ。自家製の干し肉を刻んで入れたりすると、多少味がグレードアップする気がしたりしなかったり。葉の部分は、以前は味噌汁に入れたりしてたんですが、やっぱりちょっと匂いがきついので、最近では炒め物に回すことが多いです。でも、案外普通のお浸しに仕立ててもいけたりして…。まあ、結局のところケース・バイ・ケースということなんですけどね。05/02/20(Sun)

知り合いの女性(独身)に、料理を全くしない他人がいます。ただ、セロリだけは大好きで、自宅の冷蔵庫には常備。夜な夜なそれに塩を振り、ビールのつまみとしてバリバリ食べるそうです。セロリだけが入った冷蔵庫、そして毎晩それを食べる女、見方によっては真夏のホラーのような気がしたりしなかったり。

半面、セロリって嫌いな人が本当に多いですね。よく行く喫茶店でバイトしている女性にとっても、セロリは敵だそうです。あの匂いがダメらしい。最初に思い込んでしまうと、そうなんでしょうね。私は初めからセロリは好きで、喜んで食べてましたが。ただ、セロリがこれほど一般的に食べられるようになったのは最近のような気もします。私が子供の頃は、無論ありましたけど、そんなにメジャーな野菜じゃなかったという気がするんですが。最近、東京でも水菜を普通に見かけるようになりましたが、数年前は水菜って何?というくらいの認識度でした。セロリもそんな感じだと思うんですが、私の記憶違いかな。05/06/18(Sat)

最近まともに買ったことのない野菜の代表格が、この葱。なぜか、非常によく見切り品コーナーに出ています。鮮度がおちて葉先が茶色くなってきたものや、店先で折れてしまったものが中心。葉先が茶色くなったとはいえ、ほとんどの部分は鮮度に問題ない場合が多く、その時は買い。折れてしまったものなんて、当然買いです。どうせ刻んでしまうんですから、多少折れてたってかまいません。で、2本30円とかで買ってくるわけです。まさに、ケチの権化。

野菜が傷んでいくのは、傷んだところからという大原則があります。ですので、買ってきてまず使うのは、傷んだところ周り。折れているのなら、その折れた周辺を切りとり、鮮度に問題がない限りは、その日に使います。もちろん、あまりに傷んでいれば捨てます(滅多に無いですけど)。残った分は、濡れ新聞紙に包んでビニール袋に入れ、冷蔵庫の扉に立てておけば、結構持ちます。が、あまりに放っておくと蒸れてしまうらしく、傷みが早いような気がするので、やはり早く使い切るにこしたことはありません。

で、葱の使い道というと、これはもう無限大というほかないでしょう。何でも使えます。何でも使えますが、うちの定番は、味噌汁の具。刻んで入れれば、とりあえず美味い。当たり前過ぎますかね。あとは、小泉武夫先生に教わった、葱味噌というやつも定番のひとつです。刻んだ葱と味噌を混ぜ、再び包丁でよく叩いて完成。料理というのもおこがましいほどの料理ですが、これを炊きたてのご飯にのせると美味いんだ、これが。

大量に刻んだ葱だけを、多少薄めに溶いた小麦粉に混ぜて焼き、醤油で食べるミソジ流葱焼きは、まったりとした昼下がりによく作ります。休日の昼間、なんかこう面倒くさいなあ、早く昼ご飯食べて昼寝したいなあ、なんて時に最適。とにかく書き出せばキリが無いほど色々使える葱、でも、やっぱり私は2本30円でしか買いません。なにせ、筋金入りのケチですから。05/02/19(Sat)

先日実家でとれた新玉葱が送られてきまして、その玉葱には茎が付いていました。普通は捨てるんでしょうが、私にとってはこれは立派な“葱”。切りとった葱もどき(約5cm)は濡れ新聞紙に包んで冷蔵庫の扉で保存。毎晩少しづつ刻んで、味噌汁の具にしました。

スーパーに行くと、レジの横に葱の青いところを捨てていくお客さんをよく見かけます。あれ、モッタイナイですね。確かに白いところに比べて青いところは葱臭さが強いですが、少しだけ味噌汁に使うくらいなら、彩りも綺麗だし、やや強めの臭いも気になりません。玉葱の茎すら葱として使ってしまう私には、どう見ても食材の無駄遣いとしか思えないんですけどね。また、中華料理のレシピで、“葱の青いところや生姜の切れ端を油の香りづけに使う”という記述もよく見かけます。これまた、葱の青いところは本当は捨てるんだけど…というニュアンスが見えて嫌。お金をとる外食なら、こういう食材の使い方もアリでしょうが、家庭料理でやることじゃないんじゃないかと思ってしまいます。05/06/17(Fri)

玉葱

うちには珍しくというか、唯一常備してある野菜がこの玉葱。4個88円くらいの時に買ってきて、流しの下に放り込んであります。一度切ってしまうと冷蔵庫に入れなくてはいけませんが、まるごとの状態だと、常温保存できるのが嬉しい。

ものの本によると、使い古したストッキングに入れ、一個づつ縛って軒先に吊るしておくとかなり長期にわたって保存できるらしいです。それを読んで、付き合っている人に、使い古しをくれと言ってみたのですが、何を警戒しているのでしょうか、くれません。玉葱の保存用だと言ってみても、信用してもらえません。所詮、私の信用なんてこんなもんですよ。

気を取り直して、玉葱。用途は無限に広いですが、案外裏方というか、他の素材の引き立て役が多い気がします。じっくり炒めてカレーに使うなんて、まさにその典型。でも、私は火を通した玉葱の甘さ自体が好きなので、主役に抜擢することもかなりあります。胡麻油でザク切りにした玉葱をさっと炒め、醤油をからめてご飯にのせて食べる、なんてまさにそれ。新玉葱で作ると特に美味しいです。美味しいですが、ちょっと貧乏臭く見えてしまうのが難点。肉を入れるとそうでもないんですが、これは玉葱だけで作るのがひとつのポイントなのです。でも、貧乏臭いんだよなあ。

極力薄くスライスした玉葱をさっと水にさらし、鰹節とよく混ぜたものに、醤油をかけて食べるのも、大好き。大好きではあるが、これもちょっと貧乏臭い。そう、玉葱を主役にすると、どうしても貧乏臭くなりがちなんですね。美味しいんだけどなあ。うちではもちろん、おかまいなしによく作ってますけどね。05/02/18(Fri)

最近、更なるシンプルメニューを開発しました。やや厚めにスライスした玉葱をオリーブオイルで炒め、塩で味付け。塩胡椒、としたくなるところですが、ぐっとこらえて胡椒は入れません。塩も必要最小限度の薄味で。そうすると、玉葱の甘さが本当によく分かるんです。実際私も、つい習慣で肉や魚と一緒に炒めたくなってしまうんですが、野菜だけで、というのは案外いいのかもしれないと最近思ってます。とはいえ、菜食主義者になるつもりは毛頭なく、肉も魚もどんどん食べます。食べ方の問題ですね。

それにしても、火を通した時と生の時では、玉葱はまるで別の食材の様に食感が変わります。まさに、一粒で二度美味しい。火を通すと独特の甘味が出てくるのに対し、生だとシャキシャキした歯ごたえとピリッとした辛み。外で玉葱がサラダに入っているのを食べると、徹底的に水にさらしてこの辛味を完全に抜いていますが、ある程度残した方が美味しいと思います。蕗もそうですが、アクや苦味といったものも、その食材の持ち味だと思いますんで。05/06/16(Thu)

人参

思いついたやつからこうやって書いてるんですが、どうも無難な品ばかりですね。まあ、そのうち変なのもでてくるかもしれないので、まったりとお待ちください。というわけで、今回は人参。スーパーの売り場で眺めてみるに、人参って実は人気ないのかなと、思うことがあります。他の野菜に比べて、安売りされる機会が異常に多い。4本80円とか、結構日常的にやってますよ。で、ちょっと割れたりすると、それが30円になったりして…。いや、買う側としては非常にありがたいんですけれどもね。

人参の見切り品って、大体“買い”です。鮮度が落ちたものというより、割れたものが多い。割れたものって、形が悪いだけで味は通常品と同じですから、買わないと損、くらいの勢いで毎回買います。

とはいえ、ウサギじゃないんですから、毎回そんな人参ばかりも食べてられません。そういうときにオススメなのが、干し人参。偉そうに書きましたが、何のことはない、スライスした人参を、窓の外でカラカラになるまで干すだけです。干しておくと、常温で保存できますし、短時間で戻るので便利。干し大根を戻したものは生の大根とは全然違う食感になりますが、干し人参を戻したものは、ほぼ普通の人参と同じなので、生の人参をスライスしたものと同様に扱えるのも、ナイス。

生の人参の使い途としては、味噌汁に入れても美味しいんだけど、私が好きなのはキンピラかな。千に切ったものを鷹の爪を加えた胡麻油で炒め、醤油・味醂で味をつけたもの。小さく刻んだアゲを入れるのがうちの定番。そうそう、鶏皮もよくあいますね。05/02/17(Thu)

最近の素焼きマイブームに乗って、人参も当然素焼きします。面倒くさい&モッタイナイので、皮は剥きません。そのまま輪切りにして、焼くだけ。輪切りにすると元の形が多少いびつでも関係なくなるので、主に見切り品の変形人参で作ります。ゆっくり火を通した人参は甘くて美味い。

甘いといえば、西洋料理にシャトーというやつがあります。ラグビーボール型に整形した人参を、バターと砂糖で甘く煮たもの。子供の頃から思っていたんですが、アレ、美味しいですかね。シャトーはああいうものだと思って食べているから平気なんでしょうが、素の人参の甘味を知ってしまうと、あれはモッタイナイ調理方法だなと思います。どうせつけあわせにするんなら、素揚げしてほんの少し塩胡椒、みたいなやつの方がずっと気がきいて美味しいと思うんですけど、これも好みなんでしょうね。シャトー大好きって人もいますし。05/06/15(Wed)

大根

一応、一本100円以下が購入の目安ですが、最近はこの価格だと買えることが少なくて、悲しいです。うちで大根を使うときのポイントは、とにかく全部食べること。一般的に捨てがちなのは、皮・葉・葉と胴の結合部分だと思いますが、全部食べます。

皮については多くの場合、剥いたあとキンピラにするとか、ぬかみそに漬け込むとか、そういう方法が紹介されていますが、うちではもっとシンプルな方法をとります。ズバリ、剥かない。大根おろしにするときは皮ごとおろしますし、煮物にするときは皮つきのまま煮てしまいます。大根を含めた最近の野菜は、軟弱な環境で栽培されていることが多いので、大根についていえば、皮が固いとかエグいとかいうことは私の経験上まずありません。なので、そのまま食べてしまいます。

確かに剥いた皮を他の料理に転用するのは、ただ捨ててしまうよりはずっといいです。しかし、そういう料理を作りたいのなら格別、私から見れば余計な手間にしか思えません。ちなみに、面取りや隠し包丁もパス。煮崩れるほど煮るという事は風味をとばしてしまうことに他ならないので、そこまで煮ませんし、大体家庭料理で多少角がとれようが、知ったこっちゃありません。火が通りやすいようにという隠し包丁だって、最初から小さめに切っておけば済むだけの話。これらはあくまで、大根という安い素材に付加価値をつけて商品にする、外食産業の技術であって、家庭内でやる事では無いと思ってます。

無論、そういう技術があることを知ることは有益な面もありますが、外食と自炊の条件の違いを考えずに、猫も杓子も面取りだ隠し包丁だというのはちょっと疑問。私とて、来客相手に見栄を張りたいといった特段の理由があればやりますが、普段はやりません。時間や手間が勿体ないです。

葉と結合部分は、味噌汁か菜飯が多いですね。味噌汁なら刻んで入れるだけ。菜飯なら刻んで塩もみしたものを炊きあがったご飯に混ぜて蒸らすだけ。大根の菜飯は、大昔のNHK朝の連続ドラマでは、貧乏食の象徴みたいに書かれていました。少ない米を増量するために、毎日大根の菜飯を食べていれば、それは切ない気分になるのでしょうが、そんなご時世ではありません。素直に美味いです。

ちなみに結合部。皿にのせて水をはり、日当たりのいいところにおいておくと柔らかい葉が出てくるので、収穫して味噌汁なんかに使えます。コレ結構あちこちで紹介されているテク。でも、うちではやりません。せっかちな私は、芽が出るまで何日も待っているなんて、ムリ。そのまま刻んで食べてしまいます。それに、芽を収穫する場合は、多かれ少なかれしなびた基盤部分を廃棄することになるので、勿体ないです。ケチとせっかちがタッグを組むと最強という、いい見本です。

あっ、本体の部分の調理法を書いてないですね。まあ、それはうちでなくてもということで、省略。他でいくらでもレシピがあるでしょうから。05/02/16(Wed)

北大子魯山人のエッセイの中に、“雪虎”という料理が出てきます。なかなかカッコイイ名前ですが、実物は簡単そのもの。網で炙った厚揚げに、大根おろしを大量にかけて食うというものです。大根おろしの隙間から見える厚揚げの色を、雪の中の虎に見立てたわけですが、ちょっとカッコつけすぎのキライもありますね。しかし、これが美味い。

私が使うのは魯山人が使ったものとは比ぶべくもない、近所のスーパーの安売りで買った、厚揚げ。場合によっては、二パックセットでお値打ち価格の油揚げ。これを網でコンガリと炙り、そこに大根を皮ごとすりおろして、ドバッとかけるだけ。醤油はかけないほうがいいんですけどね〜。安心できる味になるので、大体かけてしまいます。修行が足りない…。

こんな適当シンプル超特価な料理でも、結構美味いもんなんですよ。なんかこう、江戸っ子って感じ?まだまだ初代なので、とても江戸っ子は名乗れませんが。ちなみに、同じエッセイの中に、“竹虎”という料理があります。これは、大根おろしを刻んだ葱に変えたもの。ちょっと悪ノリし過ぎな気もしますが、相変わらず美味いんで、何も言えません。05/06/14(Tue)

キャベツ

キャベツは、白菜と共に無いと困る野菜の代表格です。使い方は大体白菜と同じ。うちでよく作るのは、浅漬け、茹でて酢漬け、炒め物にも使います。でも、一番好きなのは何といってもコールスローサラダ。刻んで塩もみしたキャベツに、ドバドバとオリーブオイルと酢をふりかけ、塩胡椒で味をつけたものが土台。ここに干し肉を刻んで入れたり、人参を入れてもキレイだし、干し葡萄を入れるといいアクセントになります。

白菜についても同様なんですが、うちでは、わずかなりとも捨てることはしません。一番外側の葉が固くて多少エグそうだった場合には、ニンニクや唐辛子を使って強めに味付けした野菜炒めなどにしてしまいますし、キャベツの太い葉脈は刻んで普通に使います。芯の部分は、キャベツ・白菜共にこれまた刻んでお浸しに混ぜてしまったり、味噌汁の具にしたり。あからさまに茶色く変色している場所があれば捨てますが、それ以外は全て食べ切るのがうちのルールです。

スーパーでキャベツや白菜の一番外側の葉を捨てていく人が多くて、あれ、勿体ないですね。よく考えると、農家から流通を経由して店頭に並ぶまでの間に、かなりの葉が捨てられているものと思われます。つまり、店頭で一番外側になっている葉は、畑にある時は実はかなり内側にあったという場合が多いんです。それなのに、捨ててしまう。重ね重ね勿体ないことです。まあ、私なら畑で一番外側になっている葉も何とか工夫して食べますけどね。

芯の部分だって、薄く刻んで葉に混ぜてしまうと、特に違和感なく食べられます。料理本によると、長期間これらの野菜を保存する時は、芯をくり抜いて濡れティッシュを詰めましょう、なんて書いてありますが、くり抜いた芯は捨てるんでしょうね。勿体ないことです。うちでは、どんなに長くても買ってから一週間以内には加工しますが、白菜のところで書いたような保存方法をとっている限り、芯を残したことで食味が明らかに落ちたということはいまだありません。もっと長期間保存すれば違うんでしょうが、それはうちでは考えなくていいので却下。かえって、芯の方が味が凝縮されていて美味しいと感じる場合すらあります。只のドケチといわれれば、それまでなんですが。05/02/15(Tue)

実家の母は、料理が嫌いであまり得意じゃないんですが、小さい頃私達兄妹が好きなものを作ってくれるぐらいの腕はありました。その中でもよく作ってもらったのが、ロールキャベツ。葉脈の太い部分を削ぎとった葉を下茹でし、刻んだ玉葱と挽肉で作った具を中にロールして、コンソメケチャップ味でクタクタになるまで煮込んだもの。このキャベツのクタクタ感と甘味が大好きで、これが出てくると、いくつでも食べていたのをよく覚えています。大人になって上京し、外食するようになって初めて、ロールキャベツはホワイトソースの方が優勢と気が付いたくらい、ケチャップが馴染んでました。

一人暮らしでは、包んで煮るなんて面倒なんでやりません。でも、実家に帰ると、相変わらず作ってくれるんですよね。味覚も子供の頃からはだいぶ変わってしまったと思うんですけど、幼児期の刷り込みでしょうか、妙に美味い。まあ、そんな味が一つや二つあってもいいではないかと思う、ミソジの今日この頃です。05/06/13(Mon)

白菜

これがなくなると困る野菜ベスト3をやるとすると、間違いなく入るのがこの白菜。冬場になると、不作・天候不順等の特殊な要因さえなければ、バカみたいに安く売っているのも、ポイント高し。半玉100円以下なら買うことにしていますが、結構買えます。一人暮らしで半玉なんて食べ切れないと思うかもしれませんが、白菜はかなり保存がききますんで、大丈夫。いまだかつて腐らせたことはありません。

私が買うのは、かなりの大玉の場合が多いので、その半分である1/4玉を使うと、うちの一番大きなタッパーは一杯になってしまいます。残りの1/4玉は、新聞紙に包んでざっと水で濡らし、スーパーで貰ったビニール袋に包んで冷蔵庫の扉に立てておきます。前半1/4玉を食べ切るのに一週間弱かかりますが、それくらいなら余裕でもちます。

冬場になると、一玉50円といったふうに、バカみたいに安く白菜を売っている場に遭遇することがあります。そんな時は迷わず買えるだけ購入。大体3〜5玉程度。場合によっては、家と店を何往復かすることすらあり。この白菜は、1/4に割り、数日間風にあてて水分をある程度とばしてから、保守本流系白菜の漬物に加工します。塩を強めに作るので、うまく年内に作れれば、春が終わる頃までもたせることも可能。重宝してます。

しかし普通は、数日で食べ切ることを前提にした浅漬けや、鰹節とあわせたお浸し、味噌汁の具といったものが多いです。癖が無いだけに、サッパリとした飽きのこない料理が作りやすい素材だと思います。私のような貧乏人でなくても、活用するといいでしょう。私は、茹でた時のほんのりとした甘さが大好きです。05/02/14(Mon)

キャベツもそうですが、白菜を買うともれなく芯が付いてきます。以前は包丁で丁寧に切り取って捨てていたんですが、最近はそんなモッタイナイことは出来ません。全部食べます。白菜のお浸しを作る場合、芯も刻んで葉と一緒に茹でてしまいます。キャベツの芯の根に近い部分は随分と硬く、かなり小さく切らないと食べられない場合もありますが、白菜なら大丈夫。一番根に近い部分でも、薄くスライスすれば十分食べられます。かえってこの部分に野菜の旨味がぎゅっと凝縮しているらしく、キャベツの芯などは、西洋風の出汁をとるときの定番だったりします。いいキャベツの芯の先の方は、そのまま齧っても甘くて美味しいくらいなので、捨てるのはモッタイナイです。うちでは全部食べてしまいます。05/06/11(Sat)


copyright by ミソジ since 2004/04/28
本サイトの無断利用は禁止デス。