2007年10月

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07/10/31(Wed)

今日のメインディッシュは、砂肝の塩焼き。単に、砂肝が安かっただけなんですけどね。元々グラム58円の砂肝300グラムパックに、50円引きシールがついていたので、これはお買い得。砂肝はいわゆるホルモンに分類されますが、筋肉と筋の塊なので、臭みは全くありません。ただ、筋が固い。料理本では、この筋の部分は包丁でそぎとって調理するとありますが、私は根性で噛み切るのでやりません。大きく二つ切りにして、味醂醤油に放り込んでから放置すること約10分。味がなじんだ頃を見計らって、網で焼きます。表面にうっすら焦げ目がついて、中まで火が通ったなってなタイミングが頃合。

野菜ストックに生キャベツがあったので、中心に近い柔らかそうなところを選んで、手で千切り添えます。辛子を練って添えれば完成。気分は焼き鳥屋で一杯やる酔っ払いのオッサンですが、下戸なので酒は無し。砂肝は噛み応え満点の食材なので、グルメ番組でやるように“柔らかくて美味し〜い”ってな事には、まかり間違ってもなりません。しかし、噛めば噛むほど旨味が出て、肉食ってるなという実感が沸きまくりです。少し焦げた味醂醤油が、ご飯によく合うんですよ。

07/10/30(Tue)

山陰地方のお土産に、蜆の味噌汁セットというのを貰いました。真空パック入りの火を通した蜆と、味噌の小袋がセットになっていて、ホント何でもあるんだなと感心してしまいます。で、今日は蜆の味噌汁。作り方は簡単で、蜆を鍋に入れて沸かし、味噌を溶かすだけ。それだけだと寂しいので、ワカメとか葱とかを入れろと書いてあります。

とりあえず味噌の小袋をあけて味をみたのですが、その時点で予想がつきました。蜆は加熱した時点で旨味の大部分は流れ出てしまっており、その旨味を色々なモノを添加した味噌で補うという図式です。蜆は言うなれば飾り。これでは美味いわけがありません。そこで方針転換。小袋の味噌は1/3しか使わず、残りの2/3は自宅の味噌で補います。どのみち蜆単体では成立しないので、ワカメ・油揚げ・キャベツなどをプラス。要は蜆も入っている味噌汁にするわけです。そうすれば、アミノ酸等も散ってくれて、まぁ食えるようになります。

そもそも、蜆の味噌汁を真空パックにして売り出そうという企画の時点で無理があると思います。こういうのはその場で生きている蜆で仕立ててこそ美味しいのであって、どこでも手軽にというコンセプトの商品とは馴染みません。お店に行くとか、自分で買ってくるとか、そういう面倒臭い事をして食べるもんじゃないでしょうか。この土産がいくらしたか分かりませんが、一食分の味噌汁として計算すると結構高いはず。それで美味くないんだから、やってられませんよね。

07/10/29(Mon)

実家から稲庭ウドン(乾麺・貰い物の転送)が送られてきたので、今日の昼食は稲庭ぶっかけウドン。指示書の通りに麺を茹で(稲庭ウドンは極細なので、茹で時間3分と、ウドンとしては極端に短い)、流水で〆た後広皿に浅く盛り付けて醤油を回しかけ、鰹節をバサッとかけてから、端の方に戻したワカメを添えて完成。極めて簡単な一品ですが、ウドンを一番美味しく味わうのはこの方法だと思います。

ところでこの稲庭ウドン、あまりに細いので、もはやウドンではなく素麺の範疇ではないかと思ってしまいます。細いウドンか太い素麺かと問われたら、絶対に太い素麺。個人的には、ウドンと素麺の一番の違いは、ウドンが生地を広げて切るのに対し、素麺が生地に油をつけながら伸ばしていく所にあるのかと思っていたんですが、ネットで検索してみるとJAS規格では、単純に太いものがウドンで細いものが素麺という分類らしいです。油をつけながら伸ばしていく云々の部分は“手延べ”という表示に反映されていて、機械で作る素麺の製法は、基本的にウドンと全く同じなのだそう。ホラ、やっぱり稲庭ウドンは素麺ですよ。

元来がケチなものですから、ついでに市販品の相場価格も調べてみました。うちに来たような贈答品の場合、100g300円前後とかなりの高級品。原価3割という飲食業界のセオリーに当てはめると、この稲庭ウドンの素ウドンは1,000円前後になるわけで、やっぱり自分じゃ買わないです。で、味の方はどうかというと、まぁ普通。むしろ100g10円の小麦粉で打つ自作ウドンの方が美味かったりして…。原価が30倍だから、30倍美味いって事にはなりませんよね。

07/10/28(Sun)

少し前に、ANAの機内誌に載っていた、日本の道具について書いた、面白い文章が載っていました。これによると、日本の道具設計の基本は、引き算なんだそうです。例えば鉋。日本の鉋は直方体で、メンテはしやすいけれど、とても持ち易いとは言えません。ところが欧米の鉋を見ると、角を丸くして左手を当て易いようにしたうえに、右手で掴むハンドルまでついています。つまり、欧米系の道具は角を丸めたり滑り止めをつけたりして、ハード側で使い心地を向上させようとするのに対して、日本の道具は本質的な機能部分以外は最小限の装備しかしておらず、あとはソフト側(使い手側)で対応してよという傾向が強いんだそうです。単なる棒にしか見えない持ち手が、実はコンマ数ミリ単位で持ち具合を計算して作られていたりするので、ソフト側に丸投げという論法は少し乱暴かなとも思いましたが、大枠ではその通りだと思います。

ボールペンに、ドクターグリップというのがありますね。私アレ、嫌いなんです。以前使ってみたこともあるので、使い心地の良さは認めますが、ボールペンとしてどうにも美しくない。太過ぎてどうにも不恰好。それに、軽過ぎて逆に疲れる部分もあります。ちなみに、現在の愛用品は、深緑色のクロス。金ピカ・銀ピカのクロスは嫌いですが、つや消し系は良いですね。適度に重いし。それはともかく、私の道具選択の根底にも、この道具観が流れています。確かに使い心地はそっちの方が良いかもしれない、でも、そこまで親切設計してくれなくても、こっちで対応するからそれは余計なお世話だよ。そういう基準で、殆どの道具は選ばれています。ちょっと頑固オヤジっぽくて、なかなか良い感じです。東急ハンズ料理道具売り場にて、美しい道具があまりにも少ないのに嘆きつつ。

07/10/27(Sat)

職場の同僚が、自宅のウォシュレットが壊れたので取り替えたという話をしていました。量販店で取付代金が1万円と聞いたので頼んだら、古いウォシュレットの取り外し代金を6,000円とられ、更に引取代金として3,000円とられて、結局2万円近くの出費になったと憤っていました。店側が、取付代金の説明の時に、当然生ずるはずの取り外し代金・引取代金の説明をしなかったのは、まずいと思います。訊かれなかったから応えなかったのでしょうが、こういう事をすると、次に使ってもらえなくなるので、かえってマイナスだと思うんですけどね。

まぁ、私からするとウォシュレットの取付なんて自分でやってしまうでしょうから、1万円すら惜しいと思います。今は便利な時代になって、ちょいと検索をかければ、作業を実行した素人のメモが画像付で見つかりますから、道具さえあれば大して難しくありません。ただ、ちゃんとした質のレンチなどをゼロから揃えると、軽く数千円はいってしまうので、業者に頼んだ方が良い場合もあるとは思いますが…。

と、ここまで書いてきておいてアレですが、そもそも私は、ウォシュレットなど買う気は無いのでした。用を足した→紙で拭け、便座が寒い→我慢しろ、と超ハード路線ですから。大体、ゴテゴテとメカがくっついている便座が美しくない。足りない部分は、人間様側で補足しろって事ですね。

07/10/26(Fri)

友人が玄米ご飯にトライしたと、先日話してくれました。とにかく玄米は体に良いと聞いて買ってきたのだそうです。で、普通に炊飯器で炊こうとしたら、玄米炊きモードがなくて、普通に炊いてみようとしたところ、途半ばでエラーが出て停止。どうしてもエラーの解除が出来ず、炊飯器は諦めて鍋に路線変更。ところが、圧力鍋ではなく普通の鍋だったために、柔らかく食べられるようになるまで結構時間を要し、出来上がったのは最初に炊飯器のスイッチを入れてから、1時間後だったそうです。もうやらないかも、と言ってましたが、私なら炊飯に付きっ切りで1時間かかるのなら、絶対にやりません。

私の持論として、料理は手軽に出来なきゃいけないというのがあります。たまの休日にイベント的に作るのなら、朝から晩までかけてスネ肉を煮込んだっていいのですが、私のは毎日の料理ですから、負担が重いと続きません。まぁ、その負担も個人差があって、料理の腕が上がるにしたがって、同じ作業でもどんどん実感上の負担は軽くなっていくのですが、それにしたって限界があります。私の一応の基準は、仕込みを伴わない料理の準備は15分まで、伴った場合は1時間までです。

この基準に照らすと、友人の玄米ご飯は完全にアウト。というか、世の中であそこまで玄米がもてはやされている理由がよく分かりません。明らかに消化は悪いですよ、玄米。確かに栄養素は豊富かもしれませんが、摂る食材の種類を増やせば、玄米がなくてもカバーできると思います。その上で、玄米の味が好きだからというなら私も納得しますが、栄養が豊富だからという理由で、毎日修行のように食べにくい玄米を摂るというのは、ちょっと違和感。この辺を考えていくと、私の嫌いな“ロハス”という言葉に行き着くのですが、それを書き出すと長くなるので、略。結局私が友人にしたアドバイスは、“食べないんならくれ。一食材として、ミネストローネか何かに入れて食べるから”でした。

07/10/25(Thu)

この日記では大根の葉ばかりクローズアップされがちですが、キチンと根の方も食べてます。今日は、厚揚げの安売りに出会ったので、厚揚げと大根の煮物。大根は正式には皮を剥き、面取りをし、下茹でしてから使うのですが、面倒なので全部パス。というか、実家から送ってきた大根は皮も柔らかいし、煮崩れるほど煮ないので、面取りの必要もありません。多少崩れても、売るわけじゃないんでいいんです。下茹でするとエグミは抜けますが、もともと食べられないほどアクの含まれている野菜ではないですし、そのエグミも風味のひとつなので、わざわざ綺麗に抜き切って、素っ気ない食材にする事はないと考えてます。

同じ様に厚揚げも、セオリーに従えば油抜きをするのですが、油抜きをしないと食べられないほど油ベタベタの厚揚げには出会った事がないので、やりません。面倒くさいの、嫌いなんです。というわけで、大根は一口大の乱切り、油揚げも一口大に切って鍋に放り込み、ヒタヒタの水と酒を注いで点火。ダシの昆布と煮干も入れて、醤油と塩で味を決めます。沸騰してきたら1〜2分そのまま茹でてから火を止め、ご飯の蒸らし用に使っているダンボールに入れて、数時間かけて自然冷却。この自然冷却中に、味が沁み込むわけです。

というわけで、食べる事が出来るのは次の日から。無理をすればその日から食べられなくもないのですが、味が沁み込んでいないので、モッタイナイです。どうせなら、美味しく食べた方が良いに決まってますから。こういう料理って、本当にどうってことない味なんですが、それが美味いのですよ。

07/10/24(Wed)

現在うちであり余っているのは、大根の葉。実家からの荷物の中に三本分はいっていたヤツで、とにかくかさばるので、とっとと食べ切りたいのです。他の葉物に比べると、大根の葉は固いので、最も汎用性の高い“茹でてオヒタシ”という手段は使えません。ということで、今回は炒め物。半額でゲットした豚バラを、細かく切って塩胡椒しておきます。大根の葉は、一番根元の部分を切り取ってから小口切り。切り取った根元の部分は、微塵切りにしておきます。普通ならこの二つだけで炒めてしまうんですが、今回は先日日記に書いたナッツが少し残っていたので、粗く砕いて入れてしまいます。

味付けは、何となく味噌な夜だったので、味噌ベース。味噌・砂糖・塩・味醂を混ぜ合わせて、合わせ調味料を準備。フライパンに胡麻油を注ぎ、鷹の爪・ニンニク入れて弱火で香りを出した後、豚バラを投入。じっくり油をしみ出させつつ、8割方火が通った所を見計らって、一旦豚は取り出します。火を強火にあげ、大根葉投入。しんなりしてきたら豚を戻し、砕いたナッツ・合わせ調味料を注いで、味醂のアルコールが飛んだ頃を目安に完成。

大根葉のバージョンは見た事がないですが、炒め物にナッツを入れて香ばしくするというのは、中華料理屋では割とよく見かける方法です。当然、香ばしくて美味い。更に味噌&味醂。絶対に失敗しない、安全確実な味付けです。最後のタレまで、ご飯にかけて食べた事はいうまでもありません。こういう炒め物は常備菜にならないので、あんまり作らないんですけど、大根葉も消費できて美味かったので、まぁいいでしょ。

07/10/23(Tue)

数週間前から、隔週の月曜日は砂糖入れ・塩入れを洗う日と決めて、実行しています。ずっと洗ってなかったので、これではいけないなと思いまして。鍋や皿は、空になるタイミングが多いので、そんなに意識していなくても洗うのですが、砂糖入れ・塩入れは、基本的に空にならないものなので、つい洗わずに放置してしまったんです。補充の時にというやり方もあるんですが、次の補充までかなり時間があってチャンスが少ないうえに、その時に他の仕事で忙しかったりすると、また次回しになってしまって、結局洗わないので、定期的に洗うことにしたのです。

一旦中身を他の容器に空け、蓋・本体・匙を綺麗に水洗いして乾燥させます。折角のチャンスなので、他の容器に空けた砂糖・塩に塊が出来ているようならスリコギで破壊し、少なくなっているようなら戻す際に補充もしておきます。一旦キレイにしてしまうと、いかに今まで、見て見ぬフリをしてきたかが実感できます。砂糖入れ・塩入れって、調理中に油や食材のカスのついた手で触れるので、かなり汚れるんです。おかげでやる事がまた一つ増えてしまいましたが、隔週で一回に5分もかからないので、気持ちよく作業ができるという効果を考えれば、収支はプラスだと思います。

07/10/22(Mon)

友人からイナゴの佃煮を貰いました。こういうものを贈る側はほとんどの場合、“ギャーッ、イナゴ!”という反応を少なからず期待しているものですが、残念ながら私にとってはただのタンパク質の佃煮に過ぎません。特にイナゴの佃煮は、口に入れてしまえば殻付き海老の佃煮と何ら変わるところはなく、それほどゲテモノ食品とも思えません(そもそもこの、ゲテモノ食品という言い方すら気に食わないのですが)。

世の中には変な人が沢山いまして、マナイタの上に鰯がいまや捌かれんと転がっている状態では、ヌルヌルしているとか、気持ち悪いとかいって触れないのに、それを他の人が捌いて皿の上に刺身として盛られると、美味し〜いとか言いながらパクパク食べたりします。コレ、人間としてではなく生き物としてみると、相当軟弱な態度に見えてしまいます。生きているものをとっつかまえて食うというなら、もう少し別な問題も出てきますが、食材として既に生命を奪われてそこに横たわっているものを、気持ちが悪いといって避けるのは、すごく罰当たりな態度に見えます。特にイナゴは、海産物の獲れない地方において、獲るのが難しい動物類よりもはるかに簡単に手に入る蛋白源として重宝されてきたという歴史的経緯を考えると、罰当たり度は一層高いのではないかと。

まぁ、この辺は単なる思い込みと慣れの部分もあって、生きてる鶏を締める位なら、2〜3度やれば大概の人は平気で出来るようになると思うんですよね。無論、相手もしっかり生きてますから、むやみやたらと殺してはいけないという感情も沸いてくるでしょうし。結局のところ、食べ物を分ける際は、“食べ慣れているもの―ゲテモノ”と分類するよりも、“美味いもの―不味いもの”と分類した方が、有益だと思います。口の中に入ってしまえば、結局それしかないわけですから。

07/10/21(Sun)

今日のお買い物は蕪。葉もフサフサついて(ココ案外重要)大玉の蕪が3個で128円なら、即買いです。蕪もまた色々に使いまわせる食材ですが、煮てしまうとすぐにトロトロになるのが気に入らないので、私は蕪を煮ることはありません。ほぼ酢和え一本。玉の部分を四つに割ってから、端からスライスしていきます。皮は剥きません。スライスしたヤツに塩を振ってしばらく放置してしんなりさせた後、鷹の爪・昆布甘酢で味をつけて完成。ものすごくサッパリしているので、ちょいしつこい炒め物系に添えると、良い箸休めになります。

葉の方はオヒタシ。熱湯でざっと茹でてから、絞って鰹節・醤油・塩で味付け。ちなみにこの鰹節、実家から送ってきた5g小袋入り花鰹最後の一袋。その場で削った本節と比べると、味わいはガタ落ちなのですが、食材を捨てる事が出来ない悲しい性で、とっとと使い切ってしまおうと、頑張って消費してきました。確かに便利ですけど、その場で削るのはちょい面倒ですけど、その味の違いを知ってしまったら、こんな食材絶対買わなくなると思うんですけどねぇ。まぁ、多分この花鰹は貰い物なんでしょうが。

確かに鰹節削り器はちょっと面倒臭い。時々刃を研がなきゃいけないし、研ぐにも金槌で叩いて刃を取り外さなきゃいけない。でも、そんなの慣れてしまったら、何ほどの労力でもありません。…と私は思うんですけど、一般化はしないでしょうねぇ。ある人が、珈琲を自分の家で挽いて淹れる家に比べて、鰹節を自分の家で削る家がはるかに少ないのは、日本人としておかしいと書いてましたが、本当にそのとおりだと思います。もっと普及すればいいんですけどねぇ。

07/10/20(Sat)

大家さんからリンゴを8個貰いました。嬉しい事は嬉しいんですが、現在、梨5個・柿15個が順番待ち。順調にすすんでも食べ始めるのは2週間先ですし、その間にまた何を貰うか分かりません。そこで、いつもやる如くリンゴは干してしまうことにしました。最近めっきり涼しくなってきたので、干すにはうってつけの季節です。

干しリンゴは、文字通りリンゴを干すだけの代物。リンゴを横方向に5mm幅ほどのスライスにして、カラカラになるまで干すだけ。皮は剥きませんし、芯もとりません。この季節は太陽の光が随分弱くなっているので、直射日光に当ててしまってもかまいません。というか、そっちの方が早く乾くので推奨。毎日ひっくり返しながら、裏表まんべんなく乾かします。雨が降ると取りこまなきゃいけませんから、どの程度で完成するかはお天気次第。連日理想的な晴天日和続いたとして、10日〜2週間といった所でしょうか。どの程度の乾燥状況を理想とするかは、その人によっても違いますから、一概には言えません。生乾きの方が美味しいという人もいるでしょう。でも、当然の事ながら、乾かせば乾かすほど保存性能はアップします。

この干しリンゴはお茶請けに最適。ここ数年は、新聞を読みながら茶を啜りながら干しリンゴをかじるというのが定番になっています。うちではやった事ありませんが、シチューやカレーの隠し味にしてもいいでしょう。カサが減って軽くなるので、保存も楽ですし。こういう超ローテクな食品も捨てたもんじゃないですよ。

07/10/19(Fri)

今日は胡麻をする日。今時胡麻をするというと、職場で上司にペコペコすることの慣用句として用いられることの方が多いですが、私の胡麻をするは、当然本来の意味での胡麻すり。炒った胡麻をすり鉢でする事を指します。すり胡麻と洗い胡麻はほとんど同じ値段で売っているので、経済的な点からすれば、家でわざわざ胡麻をする必要は無いのですが、炒りたて・すりたてのゴマの香りは何ともいえないですし、洗い胡麻はすり胡麻に比べて酸化が遅く、賞味期限も桁違いに長いので、大ロット買いをする私には向いてるんです。

慣用句では非常に貶められたニュアンスを持つ胡麻すりですが、実際にやってみると結構な重労働です。左手でスリコギの頭付近を、右手でスリコギの下から5cm位のところを持ち、左手は動かさずに右手だけでするというのが正統スタイル。力は要らずリズムですっていけばいい…はずなのですが、やっぱり相当疲れます。日頃使わない筋肉をかなり長時間連続して使わなきゃいけないからでしょう。うちでは粒が7割がた潰れればよしとするのでまだ楽ですが、胡麻豆腐を作ろうとしたりなんかすると、想像を絶するほど大変。精進料理でお坊さんの修行の一環として胡麻豆腐が作られているのがよく分かります。今時、大きなお寺のコースでは練り胡麻を使うのでしょうが、数人前でも自分で胡麻をすって胡麻豆腐を作った経験があるなら(私、あります)、つるっと一口で胡麻豆腐を飲み込むなんて事は出来なくなるはず。

つまり、胡麻をするのは相当大変。大変だけど、すりたての胡麻の香りは、その大変さを吹き飛ばしてくれるくらい良いものだと、そういうことです。

07/10/18(Thu)

朝方すっかり涼しくなってきたので、こんなことで風邪をひいてもつまらないと思い、毛布を出しました。だんだん涼しくなってくると、あんなに暑くて鬱陶しかった夏が好ましいものに思えてくるのは、我ながら自分勝手だなと思います。夏真っ盛りの頃は、寒い方がましだなんて思ってたんですけどね。

というわけで、今夜は今シーズン一発目の鍋。少し早いような気もしますが、いいんです、白菜が安かったから。ダシは閉店間際で50円引きのシールが貼られていた、鶏モモ肉と昆布。水と酒をはった土鍋にこれらを放り込んで点火。沸騰してから、アクをすくいながら煮ること2〜3分。鶏モモ肉に火が通ってアクの量も落ち着いてきたら、野菜を入れます。今回、種類は少なくて、白菜を3枚ほど、先日味噌汁に使った残りのシメジ、常備してある春雨の三種類。あんまり色々入れすぎると、味にシャープさがなくなるので、実はこれくらいがベストだとは思ってます。タレは醤油と酢を混ぜ合わせたものにカボスを絞った即席ポン酢。最後の〆は当然雑炊です。

前回鍋を作ったのは多分今年の3月くらいだから、半年振りくらいの再会。やっぱり鍋は良いですね。何より簡単。そして、大ハズレしない。かなり適当に作っても、それなりの味にまとまってしまうところがすごい。更に、何を入れてもそれなりになるから、冷蔵庫内の在庫調整にもってこい。今年もお世話になりそうです。

07/10/17(Wed)

私の働いている職場には、貰い物とか誰かが家から持ってきたりした甘い物を入れておく箱がありまして、誰でも勝手に食べていい事になっているんですが、ある日その中に、ミックスナッツが入っていました。うちの職場は甘党が多いので、多分残るなと期待半分見ていたら、案の定三日たっても無くならないので、貰ってきました。もちろん、料理の材料としてです。

フライの衣として使うのが割と有名ですけど、私が好きなのはオヒタシにいれる方法。別に手順といえるほど大した物はなくて、貰ってきたミックスナッツをすり鉢に入れて粗く(ココ、ポイント)潰し、いつものように作ったお浸しに混ぜるだけ。少し鮮度が落ちてきたミックスナッツは、短時間乾煎りして香りを復活させることもありますが、今回はやりませんでした。ミックスナッツの香りと歯応えが加わると、いつものオヒタシが全く違ったものになるから不思議です。

ちなみに私の中でのミックスナッツ・ランキングは、1位:ピスタチオ、2位:アーモンド、3位:クルミ、4位:カシューナッツ、5位:ピーナッツ、むしろ要らない:ジャイアントコーンです。ミックスナッツは総じて美味いのに、どうしてあんなにジャイアントコーンだけ口にあわないんでしょうか。

07/10/16(Tue)

親戚から梨が一箱届きました。6個入りなんですが、1個が非常に大きくて1/4玉も食べれば十分満足する代物。ということは24回分あるので、少なくとも半月は楽しめる計算です。その隣には、実家から送ってきたミカンが山盛り。4〜5日前に送ってきて、結構食べたつもりなのですが、まだ20個は楽に残っています。こっちもガンガン食べていかなきゃ。果物が豊富になってくると、秋を感じます。

私は朝ご飯を摂らない生活をしているのですが、起きぬけにお茶は飲みます。10月頭くらいまでは、それが冷たいお茶だったのですが、最近ではさすがに小さな急須に入れた温かいお茶になりました。ミカン2個とお茶を片手に朝刊を読みながら、眠った頭を起こしていくのが、最近の毎朝のお約束です。お茶は少し鮮度が落ちた緑茶を自分で焙じたものを使っています。オッサンくさいと言うなかれ、これがなかなか快適な朝なのですよ。

07/10/15(Mon)

デパ地下でフラフラしていると、今の時期は栗ご飯とかキノコご飯とかが、いい香りを振りまいていますが、結構高い。でも、材料費自体は大したことないんじゃないの?という話。一昨日作ったシメジご飯の原価計算をざっとやってみましょう。シメジ1パック130円、油揚げ5枚98円のを1枚使ったから20円、鳥ムネ肉パック2kg498円に8枚入っていたムネ肉を1/3枚使ったのでこちらも20円。あとは醤油・昆布・鰹節ですが、こちらは使った量が少な過ぎて計算できませんので、あわせてまぁざっとかなり多目の30円として、130+20*2+30=200円。この材料で3合炊いているので、1合当たり70円弱のプラス。具は市販のもの以上にみっしり入っており、貧相感は全くありません。家で作る炊き込みご飯は、相当お得です。

本当は次回・次々回もシメジご飯を炊くつもりだったのですが、買ってきた秋刀魚を炊き込んでみようと思って、ちょっと寄り道。秋刀魚は普通に魚焼き網で焼いて、片身を半分だけ残して、あとは普通に食べます。ただし、残す部分の中でも皮は焼きあがり状態のほうが遥かに美味いので、こっちは普通に食べてしまいます。中骨と尻尾は再度弱火でカリカリに焼いて食べてしまって、残るのは頭と皮を除いた片身半分。醤油をほんの少しと頭を入れたご飯を普通に炊き、火を止めて蒸らしに入る直前に片身をほぐして入れます。蒸らしたあと頭を取り出して完成。秋刀魚の塩焼きは、無論絶対王道的に美味いのですが、炊き込みご飯にすると、米の一粒一粒に秋刀魚エキスが沁み込んで、これはこれでなかなかのものなのです。今回は、知人から貰った生姜の甘酢漬けがあったので、渡りに船でピッタリマッチ。ちなみにこの炊き込みご飯の原価は、秋刀魚一匹100円の片身を使うので、(本体-中骨&尻尾-頭)/4+頭の式で計算できますから、ざっと20円くらいで3合。やっぱり相当お得です。

07/10/14(Sun)

今日も秋刀魚を焼きました。先日のシメジご飯とあわせると、まさに秋の味覚。知人から貰った、新ショウガの甘酢漬けを薄くスライスしてあわせ、味噌汁の具はそろそろ出始めた固くて白い冬キャベツ。そんな突飛な食卓ではないんですが、こういうのがイイんですよ。

ところで秋刀魚。カボスを絞るのが定石になってまして、うちにも現在実家から送ってきたやつがゴロゴロ転がっていますが、私は秋刀魚に限らず焼き魚に柑橘類を搾るのには否定的な立場をとっています。本当にコレ、魚の旨味を引き立てますか?カボスは確かに爽やかですが、かなり強烈な香りなので、ふんわりとした魚それぞれの香りを消してしまうとしか思えないのです。極端な話、カボスを絞れば秋刀魚も鰯も皆一緒。大根おろしと醤油ちょっぴりがベストマッチだというのは大賛成なんですが、柑橘類はどうでしょうか。

同じく柑橘類を搾る料理といえば、フライ。特に洋食屋さんで魚や帆立のフライを頼むと、必ず櫛に切ったレモンが添えられます。が、これもやっぱり魚の香りを消してしまうと思います。ソースをダバダバかける人に対して、味が分からないんじゃないかという否定的な意見が向けられることがありますが、味もみずに反射的にレモンをかける人は何も言われません。私はとりあえず何もつけずに味をみて、これはもっと強い香りでカモフラージュしなければ食えないと思った時のみ、レモンやソースを使います。というわけで、何が言いたいかというと、秋刀魚にはカボスだよね・フライにはレモンだよねと何となく言っているだけの人が多いんじゃないかと睨んでると、そういうことです。

07/10/13(Sat)

昼休みに職場でネットを見ていたら、美味しそうなキノコご飯の写真が目に飛び込んできまして、その瞬間に今夜はキノコご飯に決定という、単純な意思決定機構的私。その日はちょうど、帰ってからご飯を炊く様に米を仕込んでおいたので、渡りに舟というのもありました。楽しみにしながら、帰り道にスーパーに寄ると、シメジが一パック128円とちょっと高い。いつもなら98円以下にならないと絶対に買わないのですが、まぁたまにはいいでしょ、パックも大きいしと、ケチ全開で購入。油揚げは味噌汁用に一回分ずつ切って冷凍してあるのを転用。ソテーにすべくムネ肉を一口大に切って塩胡椒してあるのがストックに入っているので、これも転用。胡椒が入っているのがやや気になりますが、使う量が少ないのでいいでしょうと、アバウト全開。

うちのコンロは大きい口と小さい口のごく一般的な二口構成。家に辿り着いたら、何はともあれ大きい方にご飯の鍋をかけて炊飯を始めます。水加減には昆布と醤油少々をプラス。もう片方の小さい口に片手鍋をのせ、薄くサラダ油を垂らして、小さく切り直した鶏肉を軽く炒めます。そこに小分けにしたシメジを放り込み、水と酒でやや少なめに煮汁の量を調整してから(シメジは火を通すとカサが激減するので)、塩・砂糖・醤油で味を決めます。ダシは昆布と鰹節。本当はこの煮汁を混ぜてご飯を炊くのが正式なんですけど、思いつきで始めた今回の様な場合にそれをやると、時間のロスになるので、上に書いたように醤油と昆布を入れてご飯を炊くことで誤魔化します。

ご飯が強火→弱火に移行し、点火から7〜8分。蒸らしに入る頃には火の通りが早いシメジはすっかり出来上がっているので、ザルで煮汁をよく切ってから、鍋に投入。そのまま15分ほど蒸らせば完成です。ちなみに、シメジ一パックで3合炊きのシメジご飯の素が3回分出来ましたので、次回・次々回は最初から煮汁を使ったちょい本格的なキノコご飯が楽しめます。で、お味のほうはというと、不味いわけがないじゃないですか、鉄板。こういうのを作る時は、蒸らし前に火加減をちょい細工して、わざと鍋底に焦げが出来る様にするのですが、その焦げがまた美味い。銀シャリのお焦げは大して美味いとも思いませんが、醤油の入ったお焦げは最高ですね。そして、誰が何と言おうと“The秋の味覚”。キノコご飯の素何ていう便利商品もありますけど、最初から作っても大した手間じゃないし、何より美味さが違いますね。

07/10/12(Fri)

他人に、外食を一切せずに全部自分で作ってるという以上に驚かれるのが多いのが、毎日お弁当も自分で作ってるということです。私の周りはコンビニ弁等派・親に作ってもらう派(50才近くにもなって)が全てで、自分で作るという人は一人もいませんので、分母をもっと広げてみても案外レアなのかもしれません。でも、自分用のお弁当なんて、そんな大したもんじゃないんです。

世の中には、他人に見てもらうためのお弁当というジャンルがありまして、スローライフ系の雑誌とか、毎日子供に持たせるお弁当を公開しているブログとか、そういう所を探せばたくさん見つかります。しかし、そういうのは私のお弁当とは似て非なるものです。

私のは毎日判で押したように、ご飯タッパー一つとおかずタッパー二つの計三タッパー構成。うちでは一度に三合のご飯を炊き、それを一合ずつ三つのタッパーに詰めます。タッパー一つ=一食という極めてシンプルな構成(昼食も夕食も。朝食は摂りません)。お弁当に持っていく時は、ご飯の上に鰹節か胡麻をふりかけ、隅に海苔の佃煮や甘味噌(大概もらい物)を仕込みます。おかずタッパーには、冷蔵庫の中に入っているオヒタシ・煮物などの常備菜から、バランスを考えて二品チョイス。炒めたり、焼いたりといった火を使う作業はしません。ただ詰めるだけ。焼き魚を入れたい時などは、前日の夕食分と一緒に焼いて取り分けておきます。

職場の給湯室には電子レンジが置いてあるので、ご飯タッパーは必ず温め、おかずタッパーはケースバイケース。ご飯タッパーは電子レンジ対応で、隅に水蒸気を逃がす小さな穴を開け閉めできるのがポイント。以前はいわゆるお弁当箱を使っていたのですが、私はオヒタシのような温められないオカズを使う事が多いので、こっちの方が便利なんです。こんな感じですんで、お弁当にかかる時間はせいぜい5分。私にとってはもはや、顔を洗ったり歯を磨いたりするのと同列の、無意識の作業です。

これくらいなら誰でも出来ると思うんですが、世の中のお弁当写真は無駄にハードルを高くして未経験者を脅かしますからね。アレはいかんと思うですよ。それなりの理由がなければ、お弁当なんてミニマムでいいんじゃないですかね。

07/10/11(Thu)

今日は、昨日グチグチと書いたキャベツ・小松菜の処理。キャベツはフルサイズから一回使って、あと一回分見当。外側からバリバリと剥いて、熱湯に放り込み、しんなりしたら水に放ちます。その後、葉脈の部分と葉の部分を切り分け、葉脈の部分は小口切り・葉の部分は2cm各程度に切ります。別に一緒に刻んでしまってもいいんですけど、大き過ぎる葉脈は歯応えが違い過ぎて邪魔なので、ひと手間。味付けは、何パターンかあるんですが、キャベツの甘味が生かせればとりあえず良し。最近はオリーブ油・酢・塩・胡椒であえて、最後に干し葡萄を加えるのがマイ・ブーム。こういうのにはエキストラ・バージンを使うのが定番なんですが、小心者な私は、高いエキストラ・バージンをチマチマ使うよりも、普通のオリーブ油をたっぷり使う方を選びます。火を通さなくても(私は)お腹に変調をきたさないので、とりあえず大丈夫みたい。オリーブ油は2リットル1,000円のハナマサで買ったやつ。油としては安い方じゃないですが、オリーブ油としては激安。

小松菜は、キャベツほど応用の幅が広くありません。お浸しにするか、炒めるか。味噌汁の具という選択肢も一応ありますが、量がはけないので計算外。炒めてしまうと、次も日も美味しく食べるというわけにはいかなくなるので、大体お浸しになってしまいます。それでも毎回同じ味付けだとつまらないので、今回は和辛子を練ってポイントにしてみました。一回に作る量が割と多いのと、お浸しに混ぜるようにすると効きが極端に悪くなることから、和辛子は結構多目。三回に一回はやり過ぎて辛くなり過ぎるのですが、今回はセーフ。たとえ使い過ぎても、和辛子の辛さは唐辛子のそれとは違って後を引かないので、結構平気です。

さぁ、これで冷蔵庫にスペースが出来ました。とりあえず何を送ってこられても平気です。先月はほとんど野菜仕送りがなくて、かなりスーパーで買ったんですが、今月はほとんど買わなくても済みそうな情勢で、ありがたいことです。

07/10/10(Wed)

実家から米・野菜を送ってもらっているので、安心・安全なうえに、食費もバカみたいに安く済んで(月に5,000円に遥かに届かない)良い事づくめなようですが、送ってくる量が割と半端じゃないので、食べるために食材を消費するんじゃなくて、食材を消費するために食べるという、まさに主客転倒な事態になる事がよくあります。現状まさにそれなんで、うちの食料ストックをズラズラと書いてみましょう。

1.ミカン一箱(多分5kg絶望的なまでに多い)。現在のノルマは朝・昼・晩各2個。余裕があれば、更に食す。夜中に小さな小人さんがこっそり補充してるんじゃないかというくらい、減らない。2.サツマイモ4本。1本で片手鍋一杯の煮物ができるという、それぞれが一騎当千の兵。室温下に放置しても傷まない時期になったのが、本当に有難い。3.ニンニク推定10玉分以上。実家での乾燥が拙くて一部傷んでしまったのを取り除いたため、完全な玉にはなっておらず、バラの状態。一度に食べられる量が限られるため、多分今年一杯かかる。4.キャベツ一玉。もう少し涼しくなれば室温でもオッケーなんですが、まだ少し心配なので、冷蔵庫の中。かさばるんだ、コレが。5.小松菜3束。キャベツと共に、現在うちの冷蔵庫状況を悪化させている諸悪の根源。とっとと茹でて食べたいのだが、実はもう1束分はお浸しになってタッパーの中。

実家は実家で、今年は葉物が出来すぎて困っているらしく、週末にまた一便送るから、何て言っていたのがずーっと気にかかってます。それまでにせめて、キャベツと小松菜は何とかしておかなきゃ。一人暮らしだと、食べたいものを食べたいだけ食べられていいね、なんて気楽な事を言う知人がいますが、うちの場合は“食べたいものより、食べなきゃいけないもの”。冷蔵庫が一杯過ぎて、気分転換に新しい野菜を買うことも出来ず、食材選択の自由なんてありゃしないのですよ。

07/10/09(Tue)

三連休の最終日で混んでいる事は分かっていましたが、善は急げと、デパートにキッチンバサミを買いに行きました。いや、専門店の方が選択の幅が広くて割安というのは分かっているのですが、実家の親がくれた商品券があって、こんな時くらいしか使わないのでね。ちなみに、100円ショップという選択肢は最初からありません。あそこで売っている道具類には愛情を持てないので。買っているは、古新聞を縛るビニール紐だけです(それも、数年に一回)。

最初に行ったのは、ややお高めの商品が並ぶデパート。木屋のキッチンバサミがなんと7,000円台。予算は3,000円前後を考えていたので、激しく予算オーバーで全く買う気などなかったのですが、しげしげと眺めているうちに、おばちゃん店員にその気があると勘違いされ、思いっきり接客されてしまいました。ごめんなさいね、店員さん。何を言われてもこの金額では買う気は無いんです。切れなくなったら、木屋で研ぎ直してくれるということですが、自分でメンテできないというのが致命的。自分で研げるいい包丁が7,000円というのなら、全然高いとは思いませんがね。

軽やかに店員さんをスルーして、次は庶民的な商品が並ぶデパートへ。ヘンケルスが1,890円で、貝印が2,310円。おぉ、こういうのを求めていたのですよ。家庭用で使うのなら、このクラスで十分過ぎると思います。値段で選ぶなら勿論ヘンケルス。でも、ヘンケルスのは貝印のと違って、刃を分解できないのが大幅減点。構造上、キッチンバサミはかしめ部分がとても汚れやすく錆びやすいので、分解できないのは相当マイナスなのです。結局あまり悩まずに、貝印のほうを買いました。帰り道に、商品券のお釣でいつもの醤油5合瓶630円を買って帰宅。〆て約3,000円のお買い物でした。

07/10/08(Mon)

先日、ちょっとした事で極細の鋼線を切る必要が生じ、押入れの中の工具箱の中のニッパーを取り出すのが面倒で、不精をして手近にあったキッチンバサミを使ったのが、そもそも間違いの始まりでした。鋼線といってもごく細いものだったので、多分大丈夫だろうと思ったのですが、全然大丈夫ではなく、刃に傷が入ってあっという間に切れなくなってしまいました。よく(?)素人は鋏を研いではいけないと言います。それだけ鋏研ぎは難しいということなのですが、どうせ切れなくなった鋏ですから、ダメモトで研いでみました。

鋏がモノを切る原理は、刃物がモノを切る原理とは全く違います。刃物は刃先をなるべく薄くすることで、対象に食い込ませていくのに対し、鋏は直角のエッジが交差することで対象を切断していきます。だから、鋏の刃片方だけではどんなに頑張ってもモノは切れません。逆に言えば、この直角のエッジを作る事が鋏を切れるようにする第一。更に、鋏の刃は微妙に湾曲しており、刃のどの部分ででも隙間なく交差するように工夫されています。刃を研ぐ過程でこの湾曲を潰さず、また理想的な湾曲を再現するのが第二。まぁ、所詮無理なんですけど、どうせダメモトで。

結果、笑ってしまうくらいダメでした。研げば研ぐほど切れなくなる様は、見事と言っていいほど。研ぐ前は、傷が入っていない所ならそれなりに切れた鋏が、どの部分でも全く切れなくなりまして、もう笑うしかありません。やっぱり、素人は鋏を研いではいけませんね。大人しく新しいキッチンバサミを買うことにします。でも、負け惜しみかもしれませんが、こういう経験ってすごく重要なんですよ。本で得た知識と、自ら体験して得た知識。たとえ結論は同じでも、自分の中での昇華具合は全く違います。火に近付くなといっておいたのに子供が勝手に近付いて、火傷をしたら絶対に近付かなくなる、それと一緒。素人が鋏を研いではいけないという教訓が、これから先どれだけ役に立つかははなはだ疑問ですが、あくまでそういうスタンスが重要ですよって事で。

07/10/07(Sun)

スーパーで白子を売ってました。300gで150円、当然買いです。何の白子かを書いてなかったのですが、形や色からすると、多分小振りの鮭。鱈だと脳味噌みたいな皺々が入ってますし、そもそもこんな値段じゃ買えません。それにその日は鮭の特売日で、少し離れた所にフィレが山積みになってたんで、多分間違いないでしょう。いくら安くたって、白子がこの値段だったらフィレなんて買いません。

サテこの白子をどうするか。定番は勿論、軽く酒蒸ししておいてからポン酢に浸けるヤツですが、300g全部ポン酢漬けにしても芸がないので、半分だけ。あとの半分はソテーにします。先日行きつけの喫茶店の賄いで、店員さん達が食べていたのを見て、美味しそうだな〜と思ったので真似してしまいました。作り方は単純。適当な大きさに切った白子に塩胡椒(少し生臭いので、やや胡椒強め)してから小麦粉をまぶし、オリーブ油をひいたフライパンで両面火を通すだけ。こういう素材の定番ですが、火の通し過ぎは厳禁です。完全に火が通るか通らないかくらいのタイミングで火から下ろし、最後の一息は余熱でっていうのが理想。丁度冷蔵庫の中に、先日作り置きしておいたキャベツのマリネがあったので、添えました。

白子のソテー、本当に美味い。トロッとしていて脂が強いので、あんまり沢山は食べられませんが、お酒が飲める人ならビールのお供にも最適なんじゃないでしょうか。鮭の白子は形の悪さが災いして、本当に値段が安い。でも、その値段に不釣合いなほど美味いのです。まぁ、あんまり広く知られると、この値段じゃ買えなくなりますから、別にそっちの方が良いのかもしれませんけどね。

07/10/06(Sat)

随分涼しくなってきたので、冬用の部屋着として使っているデニムシャツを出してきたら、背中の部分が随分薄くなっていました。このままでは穴が開くのも時間の問題。部分的に継ぎを当てようかとも思ったのですが、薄くなっている面積が結構広いこともあって、どこまで繕うかを考えるのが面倒になり、それなら背中全面を刺し子にしてしまえ、と考えたのが約一週間前。以来毎晩一時間、地味な作業に没頭して、現在3/4ほど終わったところ。

刺し子といっても、幾何学模様を綺麗に作る作品的なものではなく、5mm程の間隔で平縫いを往復させるだけの実用一点張りのもの。また、全面とはいっても、傷みやすい肩甲骨周辺と裾の周辺は既に刺し子になっているので、今回作業するのは全体の2/3程です。私はいつも、なるべく楽をしよう楽をしようと考えている怠け者なので、針をどう持ってどう動かせば、一番指が痛くならず&速くキレイに縫えるかを、常に考えるようにしています。おかげで、最初は我流だった指の形が、だんだん教則本通りになっていくのですよ、悔しいことに。突き詰めていけばどこから入ってもそこに至るという理想的な形というのは、どんな分野にでも存在するのでしょうね。

私の仕事は毎日パソコン作業が多いのですが、データというのは操作ひとつで消えてしまう泡沫の様なものでもあります。それに対して繕い物というのは、自分の作業の結果がリアルな存在としてそこにあり続けるというのが、良いですね。おまけにそれを、飾っておくのではなく使えるというのが更に良い。料理も一応リアルな存在ではあるのですが、食べると無くなってしまうので、半リアルといったところでしょうか。今時繕い物をしている人なんて稀でしょうが、古臭いと単にバカにするには惜しい魅力を備えていると思います。

07/10/05(Fri)

職場でパソコン叩いているときから、今夜はカボチャだと何故か強く思ってまして、帰り道にスーパーに寄ったら、1/4切れが108円でした。ラッキー。1/4切れと侮ってはいけません。煮物にすると、軽く4〜5日分は出来てしまうのです。最近ぐんと涼しくなって、冷蔵庫内の保存期間もどんどん延びてますから、ちょい濃い目に味付けをして、途中で一度煮返せば、これくらいは平気。

ダシは昆布のみ。実家ではダシに煮干を使っていたのですが、私は煮干とカボチャの相性がそんなにいいとは思えないので、変更してます。味付けは、味醂と砂糖を使ってうちにしてはかなり甘めに。お客様用だったら、面取りをしたり皮を所々剥いたりして、格好をつけるのですが、自分用なのでそんなの全部パス。

煮汁は、全体が浸るにはちょっと足りないかな位がベスト。多過ぎる煮汁は、味を散らせてぼやけさせてしまうだけです。調味料も多く必要になってきますしね。足りない分は、落し蓋を使って上まで煮汁を吹き上がらせれば済む話なので。カボチャはかなり早く火が通るので、余熱のことも計算に入れて、八割方火が通ったところで火から下ろしてしまいます。この辺で火から下ろせば、面取りしてなくても煮崩れる事はありません。あとは、自然に冷ましてじっくり味をしみこませるだけ。というわけで、本当は次の日からがベストなんですけど、当然その日から食べてしまいます。カボチャの煮物、普通ですが美味い。

07/10/04(Thu)

昨日の葛餅、大家さんから貰った葛粉だからと、大家さんに1/3程持っていったら、ちょっと驚かれました。まぁ、普通驚きますよね。で、またまたお返しに韃靼ソバ茶というのを貰いました。お茶…今うちでは色々余ってて、他の物にして欲しかったんだけど、贅沢は言えません。今回は良い物が釣れなかったな〜というのが本音ですけど。

現在うちにあるお茶。1.プーアル茶 他に飲むものが無くなった時に飲もうと思って買ったら、ほとんど飲む機会がなく死蔵中。2.シークワーサー茶 沖縄土産に貰った。あと一週間ほどで飲み切れそう。3.ハブ茶 高知土産に貰った。次に飲む予定。4.緑茶 静岡出身の友人から貰った。その次に飲む予定だが、香りの飛び具合によっては焙じてしまった方がいいかもと思案中。5.レモングラス 近所の人から貰って冷凍中。冷凍庫を大きく占領しているので、とっとと飲んでしまいたい。6.韃靼ソバ茶 憲法9条を守ろうと、お茶とは関係ないと思われる怪しい文言が書いてある。飲むのは多分来年後半以降。ダシガラをご飯に炊き込むと美味いと書いてあるのが、ちょっと注目。

正直お茶はもう要らないと思ってるんですが、軽いし傷まないので、お土産に最適なお茶は、貰ってしまう機会も多いんですよね。かといって、普通に飲む以外に転用するのはなかなか難しい。無論、茶飯にするとか炒めるとか、方法が無いわけでは無いんですが、あんまりやりたくないんです。地道に消費している間にも、どうせまた新しく貰ってしまうんだろうし。基本的に何でも捨てずに食べ切ってしまう私が、お茶ばっかりは少し困ってます。

07/10/03(Wed)

用があって大家さんの家に行ったら、“うちでは使い切れないから貰ってくれないかしら”と葛粉を500g貰いました。葛粉か〜、難易度高いなと思いつつも、貰えるものは何でも貰う。最悪どうやっても使えなきゃ捨てればいいんだし、何とかなるでしょと思って。葛粉といえば真っ先に思いつくのが葛湯。うちでも、風邪をひいてだるい時なんかに作ります(片栗粉で)。ただ、一回に大匙一杯程度の粉しか使わないので、500gとなると使い切るのがいつの日になることか。ということで、ネットで検索してみると見つけました、葛餅。これなら一気に大量消費できそうです。

材料:葛粉100g、砂糖50g、水500cc。作り方は単純至極で、これら全部を鍋に入れ中火、沸騰したら弱火で半透明状になるまでヘラでかき混ぜながら煮詰め、水でぬらしたバットに流して冷蔵庫で冷やすだけ。こういう粉モノ系は、単純そうに見えて実はとっても難しい。特に葛餅の場合は煮詰め具合がキモだから、数回失敗しないと味は決まらないだろうなと思いながら、とりあえずやってみました。使うのは鍋ではなくステンレスのボウル。端を濡らした布巾で掴みながらガンガンかき混ぜます。鍋だと角の部分が上手く混ぜられないので、ボウルの方が良かろうと思ったのです。これは大正解。かき混ぜるのが予想以上に重労働だったのですが、何とか終了。出来上がりは、う〜んもう少し煮詰めないと粉っぽさが残るな〜、という課題は残ったものの、一回目にしては上出来なんじゃないでしょうか。

しかし、大量に出来ますね。上の材料で作った葛餅は、タラタラ食べていたら一週間分はありそうな量です。しかも、使った葛粉はまだ全体の1/5に過ぎません。あと四回作ったら、味は少しマトモになってくるでしょうが、これを使い切ったら次はいつ作るか分からないですしね〜。まぁ、しばらくは葛餅三昧でしょう。ちなみに、参考にしたサイトによると、葛餅には黒糖を水で煮詰めた黒蜜をあわせるとありましたが、残念なことに今は黒糖のストックがないので、きな粉&蜂蜜で代用しました。これはこれで、なかなか美味いですよ。

07/10/02(Tue)

実家で処分に困っているという素麺を木箱ごと送ってもらい、淡々と食べてます。一箱に50gの束が18本入っていて全900g。私は一週間に4食、ご飯のかわりに小麦粉料理を食べる日があって、その日を素麺に振り替えます。一食に3束・150gずつ食べていって、6食で完食。一週間半でなくなるじゃないですか、結構楽勝。あと4箱あるといっていたので、2箱くらいは追加で送ってもらっても平気かもしれません。

ところでこの素麺、箱の中に“必ずお読み下さい”という紙が入ってまして、そこには茹で時間・保存方法などのお約束が記載されています。しかし、どうにも納得がいかないのが、わざわざ太字で書かれている三つの記載。1.茹でる際に沸騰した熱湯や、お鍋で火傷をしないようにご注意下さい。2.吹きこぼれによるガス漏れには十分ご注意下さい。3.刃物等を使用する場合にはケガをしないようにご注意下さい。これを、素麺の注意書きとしてわざわざ書かなきゃいけない世の中になってしまったということでしょうか。

つまり、茹でた素麺を包丁で色々細工している時に、刃先を滑らせて指を切ってしまった顧客から、“アナタの所のの食材が滑りやすいなんて書いてなかったから、私は指先を切ってしまった、賠償しろ”と言われてしまうリスクがあるっていうことで、何ともはや…。私にしてみりゃ、これら三つは全部自己責任で、素麺会社には何の責任も無いことなんですけどね。ホント、色々面倒臭いですね。

07/10/01(Mon)

うちの台所は板張り、いわゆるフローリングになっていて、毎週末掃除の一環として雑巾がけをします。ところでこの雑巾がけ、フローリングといえばそれ専用の洗剤を使うのが一般的だし、私自身そういう洗剤を使っていた時期もありますが、今は使ってません。私の実感:フローリングの雑巾がけに一番効果的なのはズバリ、パワー・力です。

うちの床はよくある合板にニスを塗ったタイプで、30cm四方の木目模様になってます。これが、雑巾がけの目安にピッタリ。とりあえず狙ったマスの前に座り込み、四つ折にした雑巾に全体重をかけながらガンガン磨きます。マス目を狙うと、どうしても隣のマス目との境界線への攻撃が甘くなるので、目安は30cmのマス目プラス上下左右3cm。そのマス目が終わったら、隣のマス目の前に移動して以下同文。これを部屋のマス目の枚数(50〜60位?)だけ繰り返します。終わった頃には相当疲れますが、床はピカピカ。裸足でその上を歩くと、その違いが実感できて自己満足に浸れます。

フローリングの床掃除というと、長柄のモップに洗剤をつけてペペッと磨くのがよくあるパターンですが、実感として、それでは汚れ落ちは相当不十分です。座り込んで至近距離で汚れをロックオンしつつ全力を込める、大きな汚れを落としたところは左手で直に触れて落ちを確認する、これが一番。使った雑巾は半年でペナペナになって使い物にならなくなるくらいのパワーを込める必要があります。まっ、ストレス解消にもピッタリですね。というわけで、この家事はむしろ力の強い男性の仕事のように思われます。毎日やったら相当腕力がつくと思うんですが、私の場合は週一なので目に見える効果は全くありませんけどね。

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